ショートショート人狼・解答編

というわけでこちらは解答編。10個は当てたい、という気持ちで臨みました。概ね行けたのでは……という手応えがあります。
ではどうぞ。



溶けた体温/はやとさん
割とそのまま、人物像から考えました。男の寂しさと孤独感、私の寄り添いながらも何かを押しつけない優しさを併せ持っているであろう人です。



百舌鳥の早贄/デストロイヤー珠子さん
26作品中、比較的初期の段階で解答を埋めました。衒いなくこうした題材に取り組める人、文章の基礎体力の高そうな人、というところから。



今日のニュースです。11月●日未明…/トヨさん
文章をさほど書き慣れていないんだろうなという印象と、「下がった気分」という言葉を留保なしに使う点から感じる年代の若さ、仕掛けを組み込もうとする姿勢から。生真面目さを感じる。



木憶/タカさん(1)
描写の精度を見るにこれを書けそうな人はそう多くない、というところから消去法で決めました。特定は中盤からこれと「くだらない賛辞」の推理を軸に考えていて、なのでこれが外れるとその後が総崩れになります。



ひとひら/片岡先生
これは諸事情で作者が先に判明したので初期情報。特定作業のスタート地点です。しかし、これは普通に当てに行っても分かったかもしれないなあ。なんというか、非常に「らしい」作品でした。



美味しいカレーの作り方/くわさん
こういう真っ当なショートショートを書く、基本的な文章の素養がある、そして11月22日の「いい夫婦の日」を組み込むというところから。あと、最後の締め方も何となくらしさを感じます(当たったとは言ってない)。



11月/しゅんすけさん
書き口が特に若いなあ、と感じます。そこからの想像で特定しました。最後の展開の仕方に根本的な真面目さを感じる、というところも予想と合っている気がします。



11人ぐらいいる!/なぉゃん
作者紹介とPNと作品名の時点であんまり隠すつもりがない気がしますが、それを抜きにしても
1.特定の属性を持つ人間しか使わない「再任用」という言葉をナチュラルに使っている
2.全裸ネタをぶっこむ
の2点で判別可能。


ゴコクホージョー/やまとさん
これは正直分かりませんでした。他の解答との兼ね合いで消去法っぽく選んでしまいましたが、題材の選び方の辺りから細い連想で。



11月/さーやさん
これと「そう思うのなら、そう言えばいい」は何となく似ている気がして、この組み合わせかもしくは逆か、というところでちょっと悩みました。最終的には「そう思うのなら、そう言えばいい」の方で書いた理由(遺言でよくいってる気がする)によってこちらの方の組み合わせに。



十一月の幸福論/オオツカ
あとがきに書いた通り、これは杜塚が22歳の時に書いたものを今の感覚でちょっと手直ししたやつです。当時は割と暗めの話を書くことが多くて、その中でこれは他と毛色が違うものでした。だから、今の感性で「まあ、これなら出してもいいかなあ」と思えたのかもしれない。



ここから/かきまゆさん
これは一定の実体験がないとなかなか書けないのでは。24人の作者中、該当人物はひとり。「ほっこり」とか「こうのとり不動産」みたいなセンスもそれっぽい。



獅子の流星/nonさん
これを書く人は思い付く限り一人しかいないので、特定作業のかなり初期段階で決めました。



おふとん独占禁止法/ぷんさん
タイトルのセンス、「とてもよい」を使うところ、星新一のショートショートをきちんと学習して臨んでいる気配(「エヌ国」とか「エス博士」とか)から、割とすぐに特定しました。あと、作者名は「二胡」の分解かなあという気がします。二胡二胡。



今年の秋/にっしー(1)
PNからあんまり隠すつもりがないっぽいので、割とそのまま特定です。



ひと目で尋常でない秋と見抜いたよ/とも助さん
作者紹介と本文のたいへん特徴的な共通点から。と思ったんだけど、同様の特徴を持つ作品がもう一つある……ということで、凶悪なミスディレクションにたいへん迷いました。タイトル及び作者名からストレートに連想される作者、ではない気がするのだ。



生きてる味噌はいつ死ぬのか/サトルさん
こんなの書ける人いるの……? 正直全く分かりませんが、これを書く可能性がある人、となると小ネタからある程度年長者であることくらいしかヒントがない。最も何出してきてもおかしくない人で選びました。
余談ですが、これは杜塚の好む方向性とこの作品はあらゆる意味で一致しているので、わたしと推理した人もいたのではないかと思います。でも自分にはこんなすげえのは書けないのだ。



そう思うのなら、そう言えばいい/minさん
まずは人狼をかなりやっている人でしょう。その上で、このタイトルを思い付き、きちんと使える人。そういう観点で選びました。遺言の時によくこういうこと言ってるな……というのも判断基準の一つ。



終末ライター/みけさん
これはMM号殺人事件とかティーパーティのあのノリを作り出した人と同一のセンスなのでは……ということで。読んですぐ決めました。



くだらない賛辞/タカさん(2)
これは「木憶」とセットで考えました。2作品提出している人は2人、うち一人は今回の面々の中で最も「書ける」人だと思っているので、純粋に完成度が高いもの(味噌は規格外なので除く)から2つ選んで特定した感じです。



マーチ/みずさん
「2回読みたくなる作品を作りたいと思った」という本人ツイートから。あとは、発想の方向性として謎勢の人なのかなあというところからも。



白と黒の間/まありさん
なかなか男性は書かない作品でしょう。そして、作者陣の中でも、大分の人はおそらく(当の本人以外は)このタイトルを使わないはず。その辺りから決めました。



魔法少女ノーベンバー/孫六さん
ごめんなさいこれ全然分かりませんでしたし、これをぶっ放せる人も思い付きませんでした。従って、最後まで残ったコレを直接の面識がない方に充ててしまいました。ほんとうにごめんなさい(「終末ライター」で特に気に入っているフレーズ)。



六曜日/ちりさん
こういうの書くの誰だろう。少なくとも既婚者でしょう。そしてこの優しさが滲む文体、あんまり男性が書く種類のものではない気がします。というところで。



novem.ber.venom/タクトくん
これと「生きてる味噌いつ死ぬのか」には根本的なところで共通するセンスを感じる。なので、この二作品は予想もペアです。あちらをあの人にした以上、こちらはこの人になります。直接面識のない人を除けば作者陣の中で未だに底が見えない人、です。



親父狩り/にっしー(2)
こういう感覚の持ち主は誰だろう。というところにたいへん悩みました。これもかなり特定作業のかなり最後の方まで残った作品で、迷いながらももう一つこの感覚に近いものを感じる作品とセットで決めています。




というわけで、正解数は自分のものと最初から知っていた片岡先生のものを除けば5/24。概ね行けたのでは、という手応えとは一体何だったのか。
目標の半分しか達成できませんでした……つらい。

長々とお読みいただき、ありがとうございましたー。

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