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カンジー博士

たかし「うわ〜ん、漢字が覚えられないよぉ」

カンジー博士「どうしたんだねたかしくん」

たかし「あ、カンジー博士!実は来週漢字テストがあるんだけどなかなか漢字が覚えられなくて…」

カンジー博士「そんな時はワシが発明した漢字組み合わせマシンじゃ」

たかし「漢字組み合わせマシン?」

カンジー博士「そう、漢字組み合わせマシンじゃ」

たかし「どんな風に使うの?」

カンジー博士「ふぉっふぉっあわてるでないよたかしくん」

カンジー博士「このマシンは漢字を組み合わせて新しい漢字にするマシンじゃ。どれ、試しに“木”と“寸”をマシンに入力して…っと」

ピポパピポ…ウィーンガシャーンプシー

カンジー博士「できたぞたかしくん。これが“村”じゃ」

たかし「わあ〜すごい!色んなものを組み合わせた漢字が沢山あるんだね!ねぇ博士、もっと教えて!」

カンジー博士「よし、次は“人”と“本”をマシンに入力して…っと」

ピポパピポ…ウィーンガシャーンプシー

カンジー博士「できたぞたかしくん。これが“体”じゃ」

たかし「ちょっと待って博士。これって“人”じゃなくて“イ”じゃん。長い棒と短い棒支えあったら人になるって習ったんだけどこれじゃあ短い棒が完全に仕事してないよね。そう、博士みたいに。バブルが弾けリストラされてから働きもせず研究室にこもりっぱなし。博士の奥さんの稼ぎだけじゃあ息子や孫に遺産も残してやれない。それなのに奥さんが必死で使ったお金を役に立たない漢字マシンばっかり費やしている。家族にもう止めろと言われるとすごい剣幕で『ワシは発明家じゃ!』って怒鳴ってるらしいね。しかも奥さんがせめてものと用意した孫へのお年玉さえもこっそり持ち出して使ったっていうのも噂で聞いたよ。あ、僕これから塾だから行くね。将来いいところに就職できるように今のうちから頑張らないと。それじゃあね博士」

~完~

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