鈴木行生

鈴木行生

最近の記事

健康一番のワークライフバランスとは

・昨年、健康経営に関する2つのフォーラムを視聴した。筆者の今の生活は健康一番である。若い時は仕事一番であったが、ある時から家庭一番に変えた。そうしたら、仕事もできるようになった。今や健康一番をベースに仕事もやっている。 ・健康経営がなぜ注目されているのか。人口減少社会で高齢化が進み、医療費の増大が国民への福祉と同時に、財政的負担となっている。国民には健康でいつまでも働いてもらいたい。企業も社員の健康を確保できなければ、価値創造が十分できない。 ・人手不足時代である。社

    • 危機管理を見抜くには

      ・ありえないことがおきる。想定外であったと説明される。きちんとマネージされている会社では何もおきない。何もおきないことは、事前に、未然に防止されているからである。この何もおきないことをもっと評価していく必要がある。リスクマネジメントに、対話を通じていかに突っ込んでいくか。 ・ビックモーターの事件が露呈した。急成長企業にはウラがあった。大手の損保会社も、バリューチェーンの中で、一枚加わっていたのではないか。そうなると、上場企業にも波及してくる。 ・やっていることが、本当に

      • PBRのもう1つの意味

        ・財務分析では、主要項目を分解して理解を深めていく。例えば、ROE = 売上高利益率×総資本回転率×財務レバレッジと分ける。最近では、PBR=ROE×PERもよく使われている。 ・日本企業のROEが低い理由は、売上高利益率の低さにある。PBRが1.0倍を割っているのも、ROEが低いからである、という指摘もよく知られている。 ・ただ、この手の分解は、注意してみていく必要がある。数式で分けてみるということと、その意味を理解することは異なる。人がものごとを判断

        • 自然資本の活かし方

          ・われわれは、自然の中で生きている。自然の中で生かされている。自らの快適さを追求すると、知らず知らずのうちに自然を壊していることが多い。 ・今住んでいるマンションの前の姿は忘れてしまい、近くの大自然のごとき巨大な屋敷が突然整地され、マンションが建つという光景を目の当たりにした。この自然林で長らく暮らしてきた植物、動物は一瞬にして一掃された。 ・人による開発とは、こういうものであると実感する。そこには流儀があるといっても、どんなルールを作っていくべきなのか。新し

        健康一番のワークライフバランスとは

          日立の経営革新を活かす

          ・昨年9月に催された「日立ソーシャルイノベーション」(展示フォーラム)で、小島社長は、日立製作所が目指すイノベーションの未来についてプレゼンした。ライト兄弟の例を引きながら、知恵の掛け算からイノベーションは生まれる、と強調した。何よりも「意志」を持って、①情報、②行動、③科学を掛け算で回していく。 ・イノベーションの領域として、1)バイオ、2)生成AI、3)量子コンピュータをあげた。人々の寿命を延伸し、情報処理のスピードを圧倒的に高め、新しいサイエンスの知見を活かしていく

          日立の経営革新を活かす

          障がい者雇用と企業価値評価

          ・雇用を増やす会社がいい会社、企業を見る時の重要な視点である。その中で、どんな働き方をしているか。その多様性が企業価値向上に貢献しているか。これらの結びつきをどのように解いていくかが問われている。 ・筆者がよく知っている会社では、自治体と組んで障がい者雇用に力を入れてきた。本体の成長とあいまって、グループの社員数も増加している。その中で、障がい者を雇用する会社では、2つの課題があった。1つは、障がい者と仕事の内容との適合、もう1つは当該企業の収益性の確保であった。

          障がい者雇用と企業価値評価