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明日の健康が約束された人はいない

先週、朝目覚めてスマホを手にしたら、
転送されて来たメールに目が止まりました。

タイトルを見た瞬間、気持ちがざわざわとして、嫌な予感は的中しました。

それは、私が30年前にお世話になっていた
方のご主人からのメールでした。

「妻宛にニュースレターをありがとうございました。お耳に入っているかも知れませんが、妻は残念ながら先月、亡くなりました。夫婦とも旅が大好きで高萩さんのことが話題になることもありました。」

私が日本旅行で中国のパッケージツアーのプランを作る仕事をしていたのはもう30年近く前です。当時の中国には日本人が安心して泊まれるクオリティのホテルはほとんどありませんでした。

Sさんは当時、外資系ホテルの営業をされていて、北京を始め、ウルムチに出来たばかりのホテルを使わせて頂き、ツアーのクオリティーを格段に上げることが出来ました。

その後も中国だけではなく、香港やバンコク、シンガポールなどアジアの都市でもSさんにご尽力いただき、まだ若輩者で実績もない私を全面的に応援してくださったのです。

その後、私は日本旅行を退職し、
Sさんは日系ホテルの営業に移られました。

癌で余命宣告されている方と奥様の旅を
お手伝いした際には、沖縄本島にある
リゾートホテルのアレンジや現地受け入れの
サポートをしてくださり、旅の質感が
グッと上がりました。

私たちの仕事は単に飛行機やホテルを
取れば良いと言うものではなく、
「私たちの想いを現地で引き受けてくださる」方、「あいだに潤滑油として入り、旅の成功を一緒に願ってくださる」方がいてこそです。

Sさんとは日本旅行を退職してからは、
確か、一回しかお会いしていないのです。

ご体調がすぐれないことは伺っていましたが、まだお若いですし、命に関わるご体調とは夢にも思いませんでした。

ニュースレターをお送りする以外には特にご連絡をしてはいませんでしたが、ベルテンポをちょっと離れた場所から見守ってくださっているのを、いつも肌で感じていました。

10年以上お逢いしていなかったので、
色々と報告したいことがたくさんありました。

ニュースレターを受け取ってくださったご主人様とは面識はありませんが、

「良かったら、次回からは私宛にニュースレターをお届けいただけないでしょうか」とおっしゃってくださいました。

直接お逢いすることは、今世ではもう叶いませんが、ベルテンポのこれからの冒険をご主人様共々、見守ってください。

明日の健康が約束されている人はいません。

行きたい旅があれば、迷わず行って欲しいですし、逢いたい人がいるなら、今、逢いに行きましょう。

富士山は逃げないけど、
ホノルルマラソンは毎年あるけれど、

行きたい時が、行きどきです。

心からご冥福をお祈りいたします。
ゆっくりとお休みください。

高萩徳宗


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