#40 層の隙間に閉じ込められる

こんにちは。id_butterです。

人生で最高に不幸な時に恋に落ちた話 の40話目です。

この2ヶ月、ずっと彼から離れようと考えてきたわたし。
異動するとは人事に伝えたものの、タイムラグがある。
その間にジタバタしていた、今回は彼から逃げたいシリーズ第三弾です。

「ごめんね、やっぱり我慢できない。異動しようと思います。」
「え?…だめなの?本当に?」

そんな会話が交わされたのは約2ヶ月前だった。
人事に伝えてすぐ、彼にも話した。
もういやだった。
彼の後ろを想像して自分の中に醜い感情がこんこんと湧いてくること。
彼がわたしに気を使ってできない話が増えていくこと。
頭のどこかにモヤがかったゾーンがあって晴れないこと。
二人の間に降り積もっていく見えない何か。
ぜんぶがいやだ。

異動したら、彼との接点はなくなる。
そう思って、今まで決めきれなかった。
こんな風にもう話をすることもなくなるかもしれない、でも覚悟した。
それで、離れる練習とかをしてみたけど失敗に終わったり。(#37

そんな最中、本音を見せない彼の感情がチラチラ見え隠れしてわたしは落ち着かなかった。

2回目のコロナにかかった同僚の話。
彼の「夜クラブでも行ってんのかな?」という軽口に、「いいね。わたしも行こうかな。」と冗談を返す。
急に口調が硬くなる。「え?…だめですよ、絶対にだめだからね。」
(…行かないよ、だってこども置いてクラブ行くかっていう。なんで彼女はよくてわたしはだめなんだ。謎。)

会社の人の話。
「知ってる人なの?」
「あー、昔同じ部署で一緒に働いてたんですよ。二人で勝手な上司に振り回されて残業しましたよ、よく。」
「…そうなんだ。」
(?なんだろう、今の間。そして声のトーン。)

わたしの異動先の上司の話。
「彼は主任 兼 課長 兼 部長なの?なんか大変だね。」
「あ、主任 兼 課長 兼 部長 兼 支部長ですよ笑 すごいですよね、若いのに。」
「…そうなんだ。大変だね。」
(?なんだろう、今の間。(再))

なんだか変。
こんなことが積み重なって嫉妬かな、と自惚れてみたりもした。
でも、そんな楽観的にはなれない。
もし万が一わたしのことを彼が好きだったとしても「年上シングルマザー(しかもぽっちゃり)」という現実を選択するかどうかは、また別。
話も体重も境遇も重いわたし。
そもそも全部気のせいだ、そう思おう。

でも、それだけじゃなかった。

異動が決まって、期限が明確になる。
「次でこのMTGも最後ですね。お別れなので、涙ふくハンカチを忘れずに。あとちゃんと部下への労いの言葉も用意しといてよ。」
「…最後ってことないでしょ。評価とかもあるから、すぐMTG組むよ。」
「それはそうだけど、こんな風に定期的に話す機会もなくなるし。」
「この前のMTGだって、特に仕事の話なんかしてなかったでしょ。これだけ色々話してきて、もうただの上司と部下とかじゃないじゃん。」
(こんな風に自分の気持ちをいう彼は珍しい…そして上司に敬語を使えなくなったポンコツのわたし。もう余裕が残ってない。)

それで、わたしは必死に振り払った。どうしても一度、離れたかった。

でも、会いたいって言った時だって、ランチすらしてくれなかったでしょ。それって友達以下ってやつだよ。

そうメッセージを送ったら、返信が来なくなった。

そうこうして、思うようになった。
なんかさ、やっぱりずるくない?
今まで思わないようにしてきたけど、と急に不満がふつふつとわきあがる。

彼は安定していて、怒っているところどころかイラっとしているところすらほぼ見たことがない。誰に対しても優しいから、誰とでもうまくやっている。自分が話すより、聞いている時間の方が多い。

だから、みんな知らない。
彼が本当はすごく負けず嫌いで、戦略家で、意見をいうタイミングを完全にはかっていること。本音を言わないわけじゃないけど、実は自分の話をあんまりしてないことにも気づかない。
ほとんど感情的にならないけど、本当に余裕がなくなると「僕」が「俺」に変わる瞬間があることとか。
ただの「優しい人」って思ってる。

彼の人間関係が近い方から遠い方まで何層かあるとして。
わたしはみんなより一つ内側に入れてもらえたのかもしれない。
でももう一つ内側には絶対に入れてもらえない。
その壁がすごく分厚いことに気づいて、ちょっとつらくなったから他の人のいる層に戻ろうとした。
でも出してもらえない、そして外側と内側の層の間でガコンガコンいってるのだった。
今のわたしは、それでも自分が離れるって決めたら離れられることを知っている。でも彼らしくない彼を知ってしまった今。

そんな感じで、わたしはいま苦しい。

ヒーラーさんに言われた。
「コントロール合戦じゃない。」

わたしもコントロールしようとしているらしい、という話はまた次回に。

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