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「 」

ぼく(あるいはぼくら)は本当に生きてきたのだろうか?

ついさっき、机の上の時計が話すジリジリジリジリジリジリという音を聴いていたら、ぼくは本当に生きてきたのだろうか、と疑問に思った。

これは処女作であり、遺作なんじゃないだろうか。
今ここには誰も居らず、二進法だけが生命体なのでは?
時計はずっとジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ。
それなら少なくとも二行目を書いたときにはぼくは生きていたと考えていいのかも知れない。

雨が降ってきた。

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