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「爺、なんじゃと? 誰が肥えた?」
うぅん(ブンブン)

「何故、この表題?」
おまぃさまが、ちゃちゃぷぅだから

「なにを?」
ぽんぽこぴぃとも言う

「汝が植木屋を始めて締ったからといい気になりおって」
キリンの秋味も出たしね

「先週末モミジのビールを呑んでおったの、一番搾りが残っているのに」
お客様からビール券を頂戴したからねぇ

「ほぉ奇特なクライアントさまも居たものじゃ」
ご贔屓にしていただいてんのさ お師匠と伺った時から

「先代さまか?」
うんにゃ、お師匠と呼ぶのはあのしとだけさ 渋谷生まれの爺様

「わらわも山手通りの内側産まれじゃぞ」
だねぃ御府外だけどね、どっちも

「爺もじゃろ」
んでさ、初回師匠と行ってリクエストが60年の八重桜の伐採

「師匠はエンジンチェンソーを?」
そそ、大馬力の奴、僕はsilkyの27㎝カーブソー腰にぶら下げて

「侍気取りか?」
伊賀者にございますよ姫様 梯子を固定しようと思った、その刹那
何を思ったか師匠がするすると昇っていく、枝払いは僕がするってんのに

「師匠もおだてりゃ樹に昇る?」
いやいやw師匠ほそーいからね、僕やおまぃさまと違って

「そして師匠も木から落ちる」
うん、ずっどーんっ 冷静に見てたね 頭は打ってない、さすが講道館の兄弟子受け身は上手、眼鏡はあそこってw

「クライアントさまもびっくり?」
それより心配して下すって居間に布団を広げて、ここで寝て下さいっておっしゃるのさ

「暖かい気遣いじゃ」
んでさ、師匠は休んだら無事に動き出して

「再起動したか」
そそTerminator2って ちょっと違うけど
師匠を軒先に座らせておいて、僕はsilkyで枝払い
次は幹で4~50㎝の長さに揃えて斬り落としていく
したら、師匠何を考えたか チェンソーのエンジンをかけ出したんだけど
しゅここっ♪ しゅここっ♪ 変に焦ってるからエンジンかかんねぇの
しまいに
「俺にも切らせろ」 言うから地上150㎝から後は うっさいチェンソーで

落ちるなんてみっともないところを御客様にお見せしちまったものだから
師匠張り切って、リクエストは僕に言って全部 叶えたw
60㎝幅の隣家とのせっまーい塀間に生えた偽アカシアの伐採とかさw

「師匠がしたのか?」
うんにゃ、僕

「胸囲98㎝が良く出来たのぉ」
そこは猫様を見習ってさ髭が通れば通るって

「おぃおぃ!」
苦労はしたけど、こっちも切り刻んでカイヅカイブキと塀との間に
スペーサーにした それが今でも使われてるのさ

だから、今頃、その御宅に伺うと こっちが客じゃねえかってくらいもてなしてくれる、そこは気は心でさ、最初の時みたいにリクエストは全部応えて しかも、気合が入った我ながらクオリティの高い仕事でさ
昨日の

とは大違いさぁね
どんな生命だって作用反作用の法則で動いている植木屋は猶更
良くしていただいたら渾身、精一杯で応える
てめぇだけ得しようと すっとこどっこいかまされたら
臍になって、そっぽ向くさ
良い仕事の後はビールがうめぇ

「それで、そんな豚の様に肥えておるのじゃな?」
なにぉお 誰が豚だって? このちゃちゃぷぅ猫 夏の滝汗の日々で
体脂肪12%まで落ちてんだぞ

「炎天下の仕事、汗か雨か解らないくらい濡れて 10m先から臭った さぞ脂肪も落ちたであろう」
いくらなんでも酷くね?

「当家はにょろりんずまで太いからのぉ だが彼らは筋肉質じゃ」
Pythonず ナミヘビぃず 良く喰うからね デブじゃないのが羨ましい

「爺、ちゅーるをたも 贅沢本まぐろが良い」
へぃ おあとが宜しいようで m(__)m

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