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【音楽雑記】#59 今井美樹「Ivory」「retour」の頃(1990年①)

1990年は、前年末にリリースされた今井美樹のベストアルバム「Ivory」がロングランヒットし、8月リリースの5作目「retour」も大ヒットした。
今井美樹は既に女性誌やCMのモデルとして人気だったが歌手としてもブレイクした時期だった。

バブル景気の雰囲気の中でもナチュラルで、白シャツ、ジーパンが似合うスタイルは女性からの共感を得ていたし、オープンな感じ、ひたむきなイメージで好感度も高かった。

そんなイメージとともに楽曲の方向性も定まっていったように思う。20代後半に差し掛かった同世代の女子の憧れる少し大人なトレンディドラマ的恋愛模様だったり、友情だったり、主体的な生き方であったりを洗練された楽曲で提示していた。そんな世界観は「retour」の頃に完成したように思う。

楽曲面ではメインの作曲家陣に大御所より少し下の世代の脂の乗った当時30代前半の上田知華、柿原朱美、山口美央子、MAYUMIといったメンバーが参加していた。

特に上田知華は前期の多くの代表曲を手がけた。「彼女とTIP ON DUO」「瞳がほほえむから」「Boogie-Woogie Lonesome High-Heel」「幸せになりたい」「半袖」など。

柿原朱美は今井美樹の作品で知った作家だった。「空に近い週末」「夏をかさねて」ほか味のある作品を提供していた。
(ソロアーティストとしての柿原朱美のアルバムもとても良かった)

そして、この頃のメインのアレンジャーでありサウンドプロデュースは佐藤準だった。個人的には佐藤準がアレンジ、プロデュースに参加していた1991年までの作品が気に入っている。今井美樹も初々しく、ひたむきな感じで、とても魅力的だった。

91年末には自身の主演ドラマの主題歌「PIECE OF MY WISH」がオリコン1位の大ヒット。歌い継がれるスタンダート感ある名曲だ。
この曲も作曲:上田知華、編曲:佐藤準だった。


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