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【音楽雑記】#64 Ivan Lins:LOVE DANCE , Awa Yio(1991年②)

イヴァン・リンス(Ivan Lins)は、1945年生まれのブラジル出身のミュージシャンで1970年代からMPBと呼ばれるブラジルポップスやジャズで活躍してきた大御所だ。

FMラジオからイヴァン・リンスが流れてきた。

自分がイヴァン・リンスの名前を認知したのが1991年だった。
FMラジオでアーティスト名と曲名が紹介されて聴こえてきたのが「Art Of Survival」という曲だった。当時好きだったAOR路線で、洗練されて浮遊感あるバッキング、抒情的で独特な歌声に魅了された。英語で歌われていたので、最初はブラジルのシンガーということさえ知らなかった。

当然ネットもない時代、すぐにCDショップに行ってアーティスト名で探すとイヴァン・リンスと書いた仕切りに2枚のアルバムがあった。それが1989年「LOVE DANCE」と1991年の「Awa Yio(アウア イオ)」だった。とにかく2枚とも買って帰って聞いてみた。

「LOVE DANCE」はイヴァン・リンスがアメリカ進出を目指して重鎮プロデュースで制作されたアルバムで、それまでのキャリアの楽曲を英語で歌いなおし、重厚にアレンジされたAOR的アルバムだった。往年のイヴァン・リンスのファンからは概ね評判が悪いようだが、自分的には、ドはまりするきっかけとなった1989年のアルバムだ。

1991年リリース「Awa Yio(アウア イオ)」も同じく重鎮プロデューサーによるAOR路線だったが、ポルトガル語の曲も増えてた。こちらも自分的にはとても気に入った。

歴代のアルバムをそろえていった。

イヴァン・リンスは1991年時点ですでにアルバムを15枚以上はリリースしていたが、当時まだアナログレコードからCDへの移行期だったのか、大きなCDショップでも過去のアルバムはほとんど置いていなかった。
何枚アルバムを出しているのかもよく分からないまま、とりあえず持ってないCDを見つける度に買っていって、数年かけて、ほぼ全アルバムをそろえることができた。(今は配信サイトで難なく聴ける)

1970年からのアルバムを聴いていって初めて先の2つのアルバムのほうがちょっと毛色の違うアルバムだったことがわかった。

卓越したソングライティング

イヴァン・リンスについてはとにかく、その作曲能力の高さに平伏した。難しい分数コードや転調のオンパレードだったが、メロディはキャッチーで覚えやすい。
ジャジーでメロウな曲もいいし、ボサノバ、サンバを始めブラジリアンなリズムの曲も心地よく、ポルトガル語のニュアンス、叙情的で独特な歌声も絶品だった。

イヴァン・リンスは世界中のミュージシャンから尊敬され、多くのアーティストが彼の楽曲をカバーして来た。

そんな彼の作曲能力と幅広さ奥深さがわかる作品の一つが2000年リリースの「a love affair」だ。スティング、ヴァネッサ・ウイリアムス、グローヴァー・ワシントン、ニューヨーク・ヴォイシス、ダイアン・リーブスなど一流どころが参加しているトリビュートアルバムだ。

この中でスティングが歌唱した「She Walks This Earth」は2001年のグラミー賞で最優秀ポップ男性ヴォーカルを受賞している。

来日の度、何度かライブを観に行った。

イヴァン・リンスは来日公演の度の何度か参加した。
最初は90年代、移転前の骨董通り沿いにあった青山ブルーノートだったと思う。
あとは2012年、ジェーン・モンハイトとの共演によるライブも素晴らしかった。

御年78歳を迎えているがまだまだ精力的にライブを行なっているようだ。

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