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【音楽雑記】#51 崎谷健次郎の1stアルバム「DIFFERENCE」(1987年③)

崎谷健次郎の名前は作曲家として斉藤由貴、稲垣潤一、彩恵津子のアルバムクレジットで見かけていた。特に斉藤由貴への提供曲で良い曲を書く作曲家として認知していた。
その崎谷健次郎が1987年にアーティストとしてデビュー、1stアルバム「DIFFERENCE」がリリースされた。

アルバムの完成度はすごぶる高かった。1曲目「愛の時差(difference in time)」のイントロで楽曲のセンスとクオリティの高さを感じた。

全作曲は崎谷健次郎で全曲の作詞は秋元康だった。歌詞は”ロフトバー”や”ビリヤード”、”コンドミニアム”や”プールサイド”などが登場し、バブル感はあるものの当時はさほど気にならなかった。

3曲目の「夏のポラロイド」は少しオフコースを彷彿とさせるメロディーラインやコーラスワークも感じるミディアムテンポな名曲だ。ギターシンセらしきソロもカッコいい。

アルバムには、R&B、AOR、ダンスミュージック、ラテン、クラシカルまで幅広い音楽を取り込んだ楽曲が揃っていた。編曲には崎谷、武部聡志も加わり、参加ミュージシャンも青山純、鳥山雄司をはじめとする豪華メンバー。バッキングトラックも素晴らしかった。

往々にして音楽知識が広くプレイヤー気質の作編曲家はトラックのクオリティが高いがメロディーラインが、おざなりになったりすることもあるが、崎谷の曲にはそれがなかった。

スティーヴィーワンダー、ブラコン、ユーロビート、ハウスミュージックなどのリズムや複雑で緻密なコード進行の中でも、常にメロディが優先され、時に歌謡曲テイストもある日本人好みの泣きのメロディーラインもあった。

1987年に芝浦で行われたデビューライブも観に行った。買ったCDに入っていたハガキで申し込んだ記憶がある。

崎谷健次郎は87年から94年まで 毎年コンスタントにアルバムを発表。全部購入してよく聴いていた(4枚目あたりまでが特に好きな曲も多く思い入れが深い)。中野サンプラザとか何度かライブに参加した。

作詞作曲、編曲、演奏、歌唱、コーラス、プロデュースまで出来るアーティストは当時はまだ少なかった。ちょっと早すぎたのか、ヒットチャートを賑やかすタイプではなかったが音楽に詳しい友人とは、崎谷いいよねという話をよくしていた。



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