朝、ぼんやりテレビを見ていると、衝撃的なCMが流れてきた。「鼻専用美顔器」なるものが宣伝されていたのだ！鼻を洗濯バサミで挟むみたいな格好で、鼻を圧迫する。鼻との接地部に電気が流れて、鼻の筋肉を刺激するのだそう。小さいヘッドフォンのような形状で、鼻が音楽を聞いているみたいに見える。

今までの形成系の美容機器とは一線を画している。というのも、たとえば表情が老化と共に弛んでくるとか、顎のラインがぼやけてくるとか、そういう事情は分かる。だが、「あの人の鼻、老けてるなぁ」と思ったことはない。それどころか、先天的な形状に関してさえ、鼻の「醜さ」を感じたことはない。たしかに鼻が綺麗な人とか、可愛らしい鼻を持っている人はいる。個人的な趣味を言わせてもらえは、芳根京子や北川景子の鼻は素敵だと思う。だが、一般人であっても、鼻の醜さを感じたことはない。鼻が「汚い」人はいる。僕も綺麗な方ではなく、改善したいことリストの第150位くらいにはノミネートされている。が、それは形状とは無関係であって、筋肉に刺激を与えてどうにかなる問題ではない。

とはいえ、人間はそういう他人の評価とはまったく関係なしにコンプレックスを抱えているものである。まさにコンプレックス（複雑）なのだ。そんなあなたの気休めになるかは分からないが、敢えて言おう。大丈夫、あなたの鼻はちっとも醜くないですよ。