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福島県民の日に添えて。

今日は8月21日。福島県民の日。
今年は福島も含めて全国的に猛暑が続いていて、暑さのニュースを見るたびに、福島でお世話になった方々の顔を思いつつ、福島の皆さんは体調など大丈夫かなと心配になる。あの夏の福島のキラキラした風景を思い浮かべながら。

夏のキラキラした風景。それは桃だ。
福島大学にいた頃、福島市のフルーツラインに行くことはなかったが、県内ニュースで見る桃畑の風景、そして福島駅や市内のスーパーに並ぶ桃を見る度に、桃を食べるのが大好きな私は、何だか嬉しくなったものだ。

また福島大学生協の通販で桃(あかつき)を毎年購入し、栃木の実家に贈っていた。実家でこの桃は大好評で、福島の桃は最高だと喜ぶ家族の姿に福島好きの私は何だか誇らしく思ったものだ。

その福島の桃と言えば、ある物語を思い出す。
それは喜多方市の大和川酒造店が作った「桃の涙」というリキュールにまつわる物語だ。
物語の概要はこんな感じだ。

東日本大震災が発生した2011年。福島で丹精込めて作られた桃は原発事故そしてその風評被害の影響でなかなか売れず、福島の桃農家の皆さんは厳しい現実の前に日々涙していた。
そんな桃農家に一通の手紙が県外から届く。そこには「辛い思いをされている桃農家の皆さんに何もしてあげられない自分が辛くて涙が出てきます」など、風評被害に苦しむ福島の桃農家の皆さんを思いやる言葉の数々が書かれていた。
この手紙を見て「また頑張ろう」。再起を決意した桃農家の皆さんの想いを込めて作られたのが、この「桃の涙」というリキュールである。

私はこの物語を知った時、愛する福島の特に桃農家の皆さんの悲しみそしてそれを労り思いやる人の温かさに触れて、思わず号泣した。

あれから12年が経つ。くしくも今週中には福島第一原発からの処理水が海洋放出される。
私の住む栃木では東日本大震災はもう過去の話になっているが、福島では震災は現在進行形なのだと思う。風評被害対策に尽力された福島県内の漁業者の皆さんを思うと、心がズキズキと痛む。

私は福島の農業者、漁業者のために何ができるだろうか。大したことはできないけど、私は正しい情報を基にして、福島を大いに愛し、福島に足を運び続け、福島を大いに食べ呑み、何より福島を大いに楽しみ続けることだと思っている。

無論政府には長期的かつ継続的な風評被害対策に責任を持って取り組んでもらいたいとは思う。

私は福島県民でも福島出身でもないから、福島で生きる皆さんの本当の気持ちは分からない。でも福島に人生を救われ、今も福島に支えられている者として、私が大好きな福島の皆さんにはやっぱり夏の向日葵のような笑顔でいて欲しい!
復興に向けて日々前を向く、みんなで頑張り続ける福島の皆さんが悲しむ顔はもう見たくないし、私はやはり大好きな人の笑顔を見ていたいから。

私はこれまでも、そしてこれからもずっと。
ふくしまが好き!!

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