大学研究員

国立大→金融機関→テクノロジー企業でPM→イギリス留学。働く人々が幸福を感じられると、…

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国立大→金融機関→テクノロジー企業でPM→イギリス留学。働く人々が幸福を感じられると、私たちの社会はどんな場所に変わるでしょうか。Well-beingに関心があります。仕組みや構造についての好奇心が強い。趣味:読書/サウナ/卵焼き/ワイパー/髭剃り

最近の記事

Apple Vision Proにより次の10年で起こることは「場所の解放」と「映像の3D 化」

Apple Vision Proの発売が公表されました。 今日はApple Vision Proによって、私たちの生活が次の10年でどう変化するのかについて書きたいと思います。 Apple Vision Proは、USD3,500で2024年に発売開始予定で、初年度は15万台の販売を、2年目には200万台の販売を目指しているそうです。 因みに、iPhoneは初年度に1200万台が売れました。 ■Apple Vision Pro(正確にはテクノロジー)によりどんな影響がある

    • 京都市の高さ制限の規制緩和は、打ち手として適切なのか?

      2023年4月25日より、京都市で建物の高さ制限の規制緩和が行われました。 ▼NHKニュース(京都市 建物の高さなど規制緩和 一部地域で25日から) https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230424/2000073183.html 京都市のこの意思決定について違和感があるので、高さ制限の規制緩和が打ち手として適切かを考えます。 まず、今回の規制緩和を行う背景として、以下の説明が書かれています。 「20代後半から30代の若い世代が働い

      • なぜイギリスの大学生は幸福なのか?-「幸福を感じにくい現代社会」の構造

        今日は、現代は構造的に幸福を感じにくい社会、という話をしたいと思います。 本題に入る前に、この話をする背景を説明します。 筆者は現在イギリスに住んでいますが、6月は晴れの日が多く、日照時間も長くて、多くの人が芝生の公園で寝てたり、おしゃべりしている人を目にします。 日本人の私は、日本で同じような光景をあまり見なかったので、その光景を見て違和感を感じていました。 しかし、彼らや彼女らを見ていると、どうも幸福そうに見えます。(個人の主観です) 少なくとも、不幸そうな振る舞いを

        • 日本のリビングコストと裏側にいる方々に感謝できる出来事

          2022年は世界中で高インフレの1年でした。イギリスの2022年11月のインフレ率は11.1%上昇(出典:イギリス国家統計局)し、年間の平均では9.12%上昇しています。日本においても、11月のインフレは3.7%上昇(出典:総務省)し、第2次石油危機の影響で物価高が続いていた1981年12月の4.0%以来、40年11カ月ぶりの水準だった。 日本よりも遥かにインフレが加速するイギリスでは、物価の上昇が止まりません。例えば、日常的に使用するスーパーマーケットでは以下のような価格

        Apple Vision Proにより次の10年で起こることは「場所の解放」と「映像の3D 化」

          大学院は今後もカスタマーに必要とされ続けると思う理由

          ーはじめに 最近、ニュースで「社会人の学び直し」に関する記事を頻繁に目にするようになった。 これらの記事の基本的な主張は、「日本人は諸外国と比べて、会社に所属している間の学習時間が短いため、労働生産性が低い」、そのため「社会人も学び直しをすべきであり、企業はそのサポートをすべきである」というものが多い。 そのため、大学院という既存のソリューションを活かして、社会人の学び直しを促進しようという動きも見られる。 しかし、個人的には「学習」を目的とした場合に大学院を利用することは

          大学院は今後もカスタマーに必要とされ続けると思う理由

          デジタルを上手く活用したイギリスのCovid-19のテストを日本も徹底的にパクるべき、と思った。

          今日、大学で授業を受けているとアプリから1通の通知が届きました。 それはNHS(英国政府が管理している医療機関)のアプリ経由で2021年12月30日にCovid-19の陽性者と接触した可能性があるのでテストを受けてほしい、という内容の通知でした。 教授にそのことを伝えると「すぐに家に帰宅してセルフテストを受けなさい。テストは15分で受けられて、私たち教員は週に3回テストを受けている。」と仰っていました。 家に帰り、以前発注したNHSのテストキットの封を開ける。 中には、テスト

          デジタルを上手く活用したイギリスのCovid-19のテストを日本も徹底的にパクるべき、と思った。

          イギリスに住む私が主張したい新型コロナウイルス対策の見通しについて

          2022年を迎えました。多くの方が抱負や将来予測に関する思考を巡らせていらっしゃるのではないでしょうか。その際に、考えざるを得ないテーマは「新型コロナウイルス」の影響が拡大するか否か、ではないでしょうか。 このテーマについて、イギリスに住んでいる私が日本とイギリスを比較しながら個人的な意見を主張したいと思います。(あくまで個人的な意見になりますので、何の確証もない情報であることをご容赦ください。) ■結論 まず、イギリスの新型コロナウイルス対策については、もし新たな変異株

          イギリスに住む私が主張したい新型コロナウイルス対策の見通しについて

          ロシアとウクライナの話

          ロシアとウクライナを巡る話が報道される。 学生時代に習った冷戦やソ連崩壊、という背景がこの事象と関わってくるので、簡単にご説明します。 ■背景 2度の世界大戦を経て、戦勝国となったアメリカ・イギリス・ソ連。 彼らは敗戦国だった日本とドイツに二度と戦争できないように力を弱めようとします。 ※第一次世界大戦でドイツに多額の賠償を課して、ヒトラーを誕生させたので、違う方法を模索します。 ソ連は欧州東側の体制強化を目指しており、アメリカはソ連が力を持つことを恐れたため、結果ドイツ

          ロシアとウクライナの話

          最近よく目にする「日本企業の社員の賃金が他の先進国と比較して上昇していない件」について

          タイトルの件、新聞やテレビ局などのメディアを中心によく見かけます。この件で議論されるときに肝心なことが欠けていると感じました。それは前提として、どんな国家を目指そうとしているのか、そして国民が認識して納得しているか、です。企業に例えると、ビジョンがなく、経営計画が無いまま、「競合と比較して自分たちはここが劣っているけどどう思うか」を会議している状態に近いと思います。それについて個人的には、今のままでは議論しても、ずっと空中分解で終わると思います。会社の中でも自社の方針に納得い

          最近よく目にする「日本企業の社員の賃金が他の先進国と比較して上昇していない件」について

          なぜ海外MBAを選択したのか

          よく質問をいただきます。どうして次のキャリアに海外MBAを選択したのですか?と。一般的なイメージとしては、卒業後により良い条件の会社で働くキャリアチェンジができる、英語や経営のためのロジカルシンキングなどのスキルが身につく、などがあると思います。私は、それらを考える前に、どの観点で意思決定すべきかの枠組み、つまり論点を整理することをおすすめします。例えば、私の場合は、キャリアの選択肢の自由度(合理性)と自分が好きなこと(情理性)の2つの観点が大事で、その両方を満たしたいと考え

          なぜ海外MBAを選択したのか

          トヨタがEV車(FCV含む)の販売目標を350万台に設定したことは誰にとってどんなベネフィットがあるか

          トヨタ自動車がEV戦略説明会にて、EV車(FCV含む)の販売目標を350万台に設定したことを発表しました。具体的な目標数値を発表する、ということは将来予測(トヨタ社が想定する)を示すことになります。従って、関連する業界や関係者にとっては、その予測に基づいてアクション計画を立てることができます。具体的には、どんな人にとって関係がありそうでしょうか?購入者、販売店、部品サプライヤー(ガソリン車・EV車)、社員、投資家、官僚、政治家、自治体等、列挙したら幾つも枝分かれできる複雑な構

          トヨタがEV車(FCV含む)の販売目標を350万台に設定したことは誰にとってどんなベネフィットがあるか

          1年の終わりによく目にする「来年の予想」について

          2021年12月、年の瀬に目にする報道は、来年はどのような1年になると思うか?という内容。マスの方々向けに向けられた情報提供だと思いますが、殆どの人は、来年に復習したり、その情報によって具体的なアクションが変わるわけではないので、フローの情報として脳内を流れて記憶から消えていきます。俯瞰してみると、一見、意味がない情報のように思えますが、その情報を読む人がいるので需要があり、いくつかの人にとって価値を生んでいるといえます。他にも、サッカーの試合結果や有名人の発言など、将来誰も

          1年の終わりによく目にする「来年の予想」について

          なぜ「Note」を書くのか、例え忙しくても

          英国で留学をしていると英語でしか会話しなくなります。英語を話すことに慣れる一方で、目の前の具体的な事象に反応し、思考する習慣は意図的に作らない限りありません。従って、学習を定着するためにアウトプットの場が必要だと考え、Noteという機会を活用していきます。 Best Regards,

          なぜ「Note」を書くのか、例え忙しくても