川柳10句『終生』

身に覚えがない脱皮をしたらしく

終生の劇しい雨に名付けなど

脳髄にとぅるりと這入る水枕

寝盗られて辛ラーメンがのびている

自販機と一基の墓が支え合い

味気ない夭折をせよ毛虫ども

血迷うな腋の臭さに立ち還れ

実直なあなたの尻をしばきたい

しらじらと嘘の夜明けが冴えてゆく

契ろうかヤルタ・マルタのあばら家で

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