時実新子生誕90年記念「現代川柳」第9回 川柳大会

2019年6月16日(日)

「ガラス」新井恵子選
花を飾られる未完のペアグラス

「まるい」
「林」
「振る」


「レモン」芳賀博子選
差し色のレモンがくれた自立心

「ずっと」小林康浩選
動かない玩具をずっと抱いている

「答え」岡田篤選
雨音が遮る期待した答え

「蝶」高鶴礼子選
凍て蝶の止まって狂い咲く手紙

「生む」岡田俊介選
雨上がりからりと夏の産ぶ声が

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現代川柳(2019年5月第67号)

【星の抄】
斜めから見てもお菓子の家である
月へ行く たぶんあなたじゃないひとと
灰色はもう呼ばれない絵の具箱
生真面目なドミノの列に立たされる

【誌上句会】「泡」
美しい泡になるまで嘘をつく

【誌上互選句会】「翼」
かと言って誰のものでもない翼

【初心者講座】「雷」
懺悔するまで雷を光らせる

#川柳 #現代川柳 #掲載句

現代川柳(2019年3月第66号)

【群舞】
すきだったひとを漢字で呼んでいる
あたしじゃない私で塞ぐラムネ瓶
真実の口を飛び出す毒林檎
雨降ってなんだかんだで晴れ女

【誌上句会】「穴」
アリバイはピアスホールに挿しておく

【誌上互選句会】「茹でる」
平成の茹で上がるまであと5秒

【初心者講座】「夜」
削除キー叩くひとりになった夜
それからがこぼれる夜の真ん中に

#川柳 #現代川柳 #掲載句

LOG Vol.02 - 20180504

荒れ地の食卓、そして

げんじつを唱えたのちに焼くベーコン
えいえんに明日からまわす洗濯機
ひとりぽっちココナツミルクと語り合う
ああそんな群れになったら春みたい
まるまっているときもある蟲の王
莢のなかねむる子どもを揺り起こす
「ぼく」という許可制らしい一人称
シリアスは入れてないです召し上がれ
スプーンに掬われてプリズン
いにしえの遺伝子まれに翅をもつ
目印は地球のそとで燃えていた
隣人は流れ

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LOG Vol.01 - 20171123

だんごむしと夜のきりん

皮膚だから剥がしてみたらほらあらわ
うつくしいかんばせひとつだけなのね
シリアスに打ち明けられてスプーン曲げ
スカートを折り曲げていたころからよ
砂時計くびれが折れてしまったの
回転をはぐれてやすむ山手線
死にたいと言えないでいる夜のきりん
背が伸びたわねえよごれた血とパンツ
おっぱいは大きくなって黙秘します
脇のしたで水銀の群れは眠るのか
加害者の皮膚を纏えば安堵する

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現代川柳(2019年1月第65号)

【群舞】
よく通る声でピエロに口説かれる
重なった罪の重さに実は揺れる
三角に折られた過去を持つ鳥だ
下書きにざらりと残るサヨウナラ

【誌上句会】「流れる」
やるせない方へ流れるしゃぼん玉

【誌上互選句会】「屋根」
犬小屋の屋根から落ちる哲学者

【初心者講座】「油」
正義とは知らず油膜に浮いている

#川柳 #現代川柳 #掲載句

現代川柳練習12

2018年川柳まとめ

中道に舗装の有無を問いかける

書き換けの言葉飲み込む事務文書

日報に隠したはずのない正義

肉まんに包み込めたか春の夢

噛み締めた嘘に混じった歯の欠片

恥なんてないから春は嘘なんだ

米露中夜の唸りを誰が聞く

ひとときの長さをさしで測りたい

梅東風に託す異動と腹の音

ひと匙の幸せ舐める女です

ミュージックボックスの中うずくまる

モザイクに潜むわたしの頑なよ

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現代川柳(2018年11月第64号)

【群舞】
空白の台詞余白のないト書き
鍋底で煮詰めて崩す血縁者
ジョーカーを握ったままの七並べ
わたしなんかわたしなんか 爪を切る

【誌上句会】「椅子」
すべて許されて膨らむ椅子の脚

【誌上互選句会】「モップ」
魔女の待つ家へ急いでいるモップ

【初心者講座】「やかん」
磨いたら光るやかんの顕示欲

#川柳 #現代川柳 #掲載句

毎週Web句会 入選句まとめ

今年のお盆明け頃から、川柳塔・森山文切さん主催の「毎週Web句会」に参加させて頂いています。
今週の発表分で入選句が通算10句になったので、その記念と復習を兼ねて、入選句を順位が良かった順にまとめてみました。

▼佳作
竜宮で踊る魚の生活苦
二十年熟成させた色眼鏡
店長の頭につけた避雷針

▼平抜き
十字架を小脇に抱え帰り道
嵐の日キリンが街で暴れ出す
変身後戻れなくなる初期不良
ビル街に月の欠片

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