俳句 自選18句(2022〜2023)
叙景島春に花枯れ空に樹々
秋空にニセ彗星と終末論
蝙蝠の児ら育ちゆく避難壕
慰霊碑の影が濃くなる夏の午
海開き一回性の陽のひかり
精液のような曇り日卒業式
下校の児ら夏日背負いて警泥す
アレカ椰子揺れて台風接近す
秋晴れや新港の鉄鮮やかに
春天や人事異動は辛きもの
労働歌死せる義民を疾らせる
スコール後銀の膜張る中城湾
旱星渇きに耐えし父祖思う
空港に複数形の夏来る
冬の海溶鋼のごと荒れにけり
炎昼や天使弑逆を計画す
炎夏なり自力救済の夢をみる
陽炎に溺れる街で眼は痛み
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