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エコロジカルアプローチの戦術への転用

ラクロスの練習ってどのチーム朝が早い。練習のたびに5時とか4時台に起床。仕事の日は7時で間に合うけど。休みの日は5時ってきつい。だから、毎日5時に起きて、仕事の前の時間を有意義に過ごす。朝活ってステキ。
さて、、、今日も続きです。

今までの制約主導モデルは個人にフォーカスしつつ、試合で必要なSkillをどうやって学ぶかという観点でのべられてきました。個人が組織内においてその身体Skillをどうアウトプットして学習していくか。

これと同じことが『チーム』でも同じことがいえる。
ラクロスではピッチ上の10人がそれぞれ自由に動く。ゆえに非常に複雑なシステムであり、『全員』が協調的に動くシステムを構築することがコーチには求められます。
どれだけ「組織練習」と言われるものを練習しても、試合では同じ場面は発生することは少ない。ラクロスの場合はある程度セットオフェンスが可能なので再現性を高めることは可能でしょう。故にパターンとしての攻め方を学ばせている指導者も多い。

しかし、闘争の競技特性として必ず相手からの予測できない阻害が入る。そして対応を迫られる。パターン学習のみのチームは対応しきれず敗北する。

ラクロスの2〜3部上のチームはこの傾向にあるように思います。では、3部中部から4部は個人レベルの世界といったところでしょうか。それでもパターンさえ押さえていれば3部入れ替えは戦える。

パターンではなく、この複雑な協調性システムをどうやってチームに落とし込むか。これがスポーツ指導者(私も含めて)大きな悩みとなっていることでしょう。

伝統的アプローチ指導


これは多くのチームで観ることができる。コーチやチームのリーダーがすべての動きをパターン化して教え込む動き方です。Aさんがここでボールを持ったら、Bさんはこっちにうごいて。。。。こうなるとこうなって、、、だからこうする。みたいなやつです。まぁ。知識がある程度つくまでは致し方ないような気もしますが。。あとはコーチの質問力次第でしょうか。ティーチングではなく、フィードバックと考えさせる。教えられたことを6−6の中でリハーサルを行う。展開によってABCのサインを決めてコールと共に動き出す。これが伝統的なアプローチです。

エコロジカルアプローチ指導


伝統的なアプローチは「具体的な動き」を細かく規定しそれに合わせて動きます。エコロジカルアプローチは逆になります。「抽象度の高いタスク」に要点を当てます。


例えば、ターゲットゾーンにボール入れる。カットインでもいいし、ランでもよい。その過程も自由。こういった課題(タスク)を与えるとどうなるか。チーム全体がタスク達成に向けて動き出します。

結果、選手同士に協調的な関係が生まれる。そして、タスク達成のために個人が動く。個人は動作を達成するために各関節や筋肉などあらゆるものを動員して身体操作を実行する。これを共適応といいます。

雁の鳥の話でも出てきましたがA選手に合わせてBは調整する、Bの合わせてC、、、、といった協調関係が生まれます。これは2者間だけでなく、タスクの難易度を上げることで3者、4者とレベル高めることができます。制約のプリンシプルでもありました難易度の設定に当たる。これを継続的に行うことで局所から全体に協調的で機能的なパターンを形成できる

面白い研究データもあるらしく。チームコーディネイションを形成する際の共通理解に焦点を合わえた研究です。これは、自分が考えていたことと、チームが考えていたことが、どれだけ一致しているかを評価するした研究です。明らかになったことは、チームメイトがどのようにプレーするかというソリューションはそれほど共有されておらず、その時の目標(タスク)のみが共有されていたとのことです。例えば、チーム全体でこのエリアだけを攻略する。今こう守る。といったタスクです。

上記のことって本当に重要だと思う。

これてタイムアウトのときのアドバイスでも使えることですよね。短い時間で細かいことは説明しきれない。

つまり、選手に伝えなければいけないことは、「具体的指示」ではなく、「最もフォーカスすべき課題」を提示することです。これマジ重要だと思う。

守備なら中を固めよう。攻撃ならここのエリアを攻める。そういったことです。そして、これはコーチにとって普段の練習から適切な制約の設定を行うことがコーチにとってのトレーニングにもつながる。

話をもどしますが、この研究が示しているのは、細かい各選手の解決策や動き方を暗記しておく必要もなく、カオスな状況の中でも機能的なパターンを自発的に生成できるといいうことです。全く制約がない自己組織化は生じない。したがってチーム全体でのプライオリティーの高い制約や目標を設定する。それがゲーム原則である
レベルにもよりますが、小学生のサッカーのようなカオスが出来上がってしまうなら、動き方のパターンではなく、ある程度フォーメイションを制約として作ることで、アフォーダンスが生まれる可能性があります。

テスクさえあれば(多くの場合はどこでボールを奪う、どこからならDFを食崩せる=点を取りやすいといったタスク)、本当に熟練したエキスパートのチームであれば全く未知のシュチエーションでも、プレイーをしながら機能的にコーディネイションを発見できる。そう発見できる。
つまり、洞察と観察に秀でており、協調的な関係をアフォーダンスできるSkillを持っているということです。ラクロスでありがちなのは合同チームが弱い=動き方の練習ができないから。と思い込みがちです。

これを読むとわかると思いますが、普段の練習から適応するスキルに重点を置いていれば、連携は可能なのです。

いつもありがとうございます。今日はここまでです。普段はラクロスのコーチを行っていますが、新しいコーチ先を常に探しています。ラクロスのチームでエコロジカルアプローチを学んでみたいところなどありましたら、お声がけください。スポットでも年間でも。最近YouTubeも始めました。one play wlaxで検索ください。するだけがラクロスの楽しさじゃないと思ってます!観る×するをクロスする。ラクロスを楽しみましょう。


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