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またひとつ初めての

あっという間にまた週末。と言っても私の生活は、平日も週末もあってないようなものなのだけれど。

昨日は厩舎ボランティア仕事の日。平日に移ってから3回目にしてようやく1日の流れが掴めてきて、指示を待たずに自分から動けることが多くなってきました。こうなってくると楽しい仕事がさらに楽しくなります。自分なりの工夫もできるし。目下の課題は、いかに手を手荒れから守るか。本当は全て素手でやりたいのだけれど、本業で柔らかな手を保つ必要があるので、これがなかなか難しい。軍手だけだと濡れるし、ゴム手袋だと細かい作業がやりづらいし、作業用の薄いビニール手袋だとすぐ破けるし。何かいい方法ないかしら。

さて、先週のスタッフのポジションに応募するかどうか案件で、実はこの1週間ずーーーっと考えていました。本業との両立と金銭面の兼ね合いだったり、お世辞にも良いとは言えない仕事環境設備(トイレが特に)、そもそも本業だけでも将来的な懸念だった体力勝負な仕事をさらに増やすというのは、いくら人より余計に体力があるとはいえ、すでに半世紀も使ってきた身体が今後どこまでやれるのか、とか。ま、あとはそもそも履歴書を書くのがものすごくめんどくさい、というのもある。笑

そんなわけでとりあえずはボランティアのまま様子をみようかなと思っています。経済的に余裕がない中での完全無償ボランティアは、私の中の物質的思考を持つ部分が「そんなことしてる場合?」と時々クレームを出してくるのですが。せめてレッスンが無料になったりするバーターだったらいいんだけどなあ、なんて。

そんなことを思いながらも、1日の作業が終った帰り道に夕暮れ空をみながら、なんともいえない幸福感に包まれながらブロンプトンで家路についているというのは事実だし、馬たちは知れば知るほど興味は尽きないし、愛おしい。そういえばこの日は朝から、青い目をしたスクールいち小さいポニーに、耳をベロンと舐められました。乾草ネットを壁に括り付けている間を狙われたのです。くすぐった気持ち悪びっくりで、変な声が出ましたよ。

私のスタッフやりたい発言ゆえなのかなんなのか、今週はついに、希望した訳でもないのに飼葉準備の指導を受けました。基本的にはホワイトボードに書かれた通りに、馬ごとに各種飼料やサプリメントを計って飼葉おけ(というかバケツ)に入れていけば良いだけなのだけれど。どの桶がどの馬のか、をバケツの色とサイズで覚えなければいけないらしいのだけれど、バケツに書いてある名前は関係ないとかなんとか。意味不明です。

私は工程とかやり方を覚えるのは得意なのだけれど、名前とかどれが誰のとかいう丸暗記系が壊滅的に苦手なのです。だから骨筋肉の名前も場所や形や動きは覚えていても名前がいまだに覚えられない訳で。しかも口頭伝授とくれば、もうミッション・インポッシブル。でも仕事じゃないしね、と自分にプレッシャーはかけず、とりあえずめっちゃ混乱しているアピールをしておきました。笑

さて今回の初めてとは、ひとりでの乗馬です。
先週、調馬索運動をしたハリー。彼は放牧地か空いているスクールにいるのですが、それでもレッスンがない日でも、少なくとも30分の運動が必要だと聞いていました。

そんな中、今日は午後いちでハリーとレッスンだから、と言われ、その意味がよく分からないながらも、はーいと良い返事をしていたのが朝のこと。で、レッスンって何するの?とランチの後に聞いてみたら、何でもやりたいことやればいいよ、とのこと。その場にいた別のスタッフが、何なら裸馬とか?と言ったのをいいことに、「それがいい!」と答えると、「初めて1人で乗るんだから流石にそれはね。とりあえず鞍は使って。」とマネジャ。

「え、ひとりで乗るってどういうこと?」と脳内情報処理をしている間に、「とにかく元気に歩かせて、図形やったり。コーナーを内に流れずにちゃんと回させるのだけしっかりやればいいから。速歩もやりたかったらやっていいよ」と言われ、どうやらレッスンとは、私のレッスンではなくハリーのレッスンで、そのハリーのレッスンをするのが私の任務らしい、ということが分かったのでした。

初めて広い馬場で1人と1頭ぼっち。あえて鞭は持たずに。ひどい姿勢だろうが、間違った誘導をしようが、注意をされないというのは、ストレスこそないものの、責任重大だな、と一瞬心細い気がしたような気もしました。が、今日のハリーはなかなかご機嫌な感じだし、騎座でのコミュニケーションがとてもいい感じだったので、すぐにリラックス。私は人間の声質や感情の方が馬よりよっぽど怖いので、それがないゆったりとした気分で、落ち着いた気持ちのまま、いつものレッスンで注意されることを思い出してあれこれ試行錯誤できるというのはなかなか良いものです。自馬を持ってる人たちはいつもこんな風に乗ってるのかな、なんて。

しばらくゆっくり歩いてウォーミングアップをしながら、ハリーの身体の様子を探ります。そこから元気よく歩いて、図形をいくつかやってから速歩。もともと自ら動くタイプではないので、ちょっと速歩をしては、もういいでしょ、とでもいうようにすぐ歩いてしまうハリー。いくら速歩はやってもやらなくてもいいと言われていたとはいえ、好き勝手にやらせるわけにはいかないので、トラックの半周速歩、半周常歩。止まりそうになったら、脚と声で合図を出しながら。ただ、なんとなく硬さが取れないというか、何かが足りない気がします。だからと言って「これ!」とわかるわけもなく。

ただなんとなく、Leg yieldingはどうだろう?と思いついてしまったので、それが正しい選択かどうかはよく分からないものの、でも危険ではないはずなので、誰もみていないのをいいことに(!)やってみました。左右1回ずつ。

すると、何やら動きにキレが出たような。コーナーもいつもより深く回れるし、最後には速歩で、途中20mの円を入れても、止めるまで止まらずに動けるようになりました。

たまたまだったのか、良いチョイスだったのかはわかりませんが、不機嫌で有名なハリーが、最後まで割とご機嫌で終われたのはとても良かったです。今までは、自分の馬を持てることはまずないだろうし、馬のトレーニングに関しては全く視野になかったのですが、ここにきて、ベーシックな部分だけでも勉強したいなと思い始めました。やっぱりBHSステージ2目指そうかな、なんてね。てか私、何を目指しているんだろう。。。

今週の発見は、なぜかずっと男の子だと思っていたカイが、実は女の子だったということ。いつも干し草ネットに顔を突っ込んで食べるので、頭に干し草がついていて、さらに長い立髪がいつもぐちゃぐちゃなので、万年寝起きみたいな顔をしています。とても他人とは思えないカイちゃんはこちら。


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