たいにぼ、マイクラ鯖を転送しようとしたら自分が異世界に転送されてしまう。(前編)
「さてと、このボタンでマイクラ鯖を転送するか。いやー、緊張するなあ。」
俺の名前はたいにぼ。今、マイクラ鯖を転送しようとしてる男だ。
「あ、今変なボタン押しちった!!」
気づくと俺は、異世界にいた。
目の前には、豚のような男がいる。異世界人だろうか?大学一年生のような見た目をしているが、一年先輩のような風格があった。
「あの、あなた、浪人してましたか?」
俺は異世界人の腕をつかみ、最大の疑問であったそれを一番に問いかけた。
「・・・っ!!」
ッ穀ろしてしまった・・・!!
異世界の住人であるらしいその獣人がパタリと倒れたのを見て、俺は悟った。
次の瞬間、俺の意識はとび、誰かの記憶が流れ込んできた。
その誰かは、ドアの前で這いつくばっていた。部屋の様子を探りながらスマホを操作しているようだ。
だんだん、その誰かと俺の意識が同化してきた。気づくと俺はその誰かになっていた。そして、己が何をしているのか理解した。
俺は、妹が彼氏を部屋に連れ込んでセックスしているのを実況ツイートしていた。
ギシギシという音が聞こえる。俺はそれをツイートする。TLは、「もっとやれ、豚!!」という声で溢れかえった。
「俺は一体なぜこんなことをしているんだ・・?」
バカらしくなった俺は、匍匐前進置き偵スタイルをやめ、自室に帰ろうとした。その瞬間、
「何してるんすか、お兄さん。」
「うわああぁぁぁァァァアアアアア!!」
彼氏が出てきた。
驚きと焦りで俺はどうしようもない感覚に陥り、今までで最悪の気分になった。これ何て言い訳すればいいの??
「誰か!!誰か俺をこの訳のわからない状況から助けてくれ!!誰か!」
「っっは!!」
俺は目を覚ました。目の前には獣人が倒れている。異世界に戻ったのだった。額には、脂汗をぎっとりとかいていた。
「どうやら、俺には触れると人を穀ろす能力があるらしい。だが、穀ろす瞬間に穀ろした相手の一番嫌な記憶を見てしまうのか。あまり使いたくはない能力だな・・・。」
たいにぼは歩き出した。この異世界で生きていくために。
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