ばむ

いよいよ還暦突入。コロナも加わり、身も心も硬直化著しい日々になかなか歯止めがかかりませ…

ばむ

いよいよ還暦突入。コロナも加わり、身も心も硬直化著しい日々になかなか歯止めがかかりませんが、人生100年時代。チャレンジ精神を座右の銘に頑張ります!

最近の記事

母退院

3月に腰の激痛に襲われ救急車で入院した91歳の母。4月に入り、リハビリ病棟のある病院に無事転院した。日々体の動きも良くなって順調に回復していると思っていた矢先、病院から電話が。 「大声で喚いて困っています」 聞けば、もう治ったから家に帰る!こんなとこにいたら殺される!死ぬのを待っているんだろうと!やたら大騒ぎしているらしい。 午後面会に行き取りあえずは収まったが、この一件で母は「重度のこまったちゃん」に認定され、その結果次の週に予定されていたリハビリ判定会議を待つことなく、週

    • 母入院…😿

      とうとう恐れていたことが…。 3月上旬の土曜日、母が入院してしまった。 母とうまく連絡が取れなくなっていたのは金曜日から。 私が電話すると母が出ず、母からの電話は私が取れず…その日の仕事が終わったのは9時近く。もう電話はムリか。 これまでもこんなことはあったし、母から電話をかけてきたってことは生きてる証拠、まあ大丈夫かと考えた。 翌土曜日に仕切り直し。 ところが早朝から何度電話しても母は出ない。家の電話は留守電にもならず、空しくコール音が鳴り響くばかり。 お昼を過ぎても状況は

      • 91歳母の初体験

        なんと、昨年の大晦日母と一緒にディズニーランドへ行った! 母は91歳。 いったいあと何回元気でお正月を迎えられるだろう?と常々思っていた私、 「たまにはさ、パーッとホテルでお正月でもしようか~」 と言ってみたのが始まり。いろいろ考え出した案の中で 「ディズニーランドは?」 に 「それいいね!」 母が喰いついた。 すでに一世紀近く生きていながら、ランドには未だ足を踏み入れたことのない母。これまでも行ってみたいと漏らすことは何度かあって、その度誘っていたのだけれど 「今さらもうい

        • 土鍋と焼芋

          うわ~ん、土鍋のフタが割れちゃった! あれは昨年12月のこと。 この冬初めての鍋の日。 休日はたいてい料理好きの夫が食事作りを担当してくれる。この日もそうだった。 台所でいそいそとシメの雑炊をこしらえている夫。 と、ズゴン!と何やら不穏な音。そこまで悲劇的な音ではなかったが、 「あ、割れた…」 夫のつぶやきが続く。 「えー!なになに!」 台所へ飛んでいくと、夫の手には、持ち手を残して、円の4分の1強が綺麗な三角形に欠けた土鍋のフタが。 調理台には同じくらいの大きさの二等辺三角

        母退院

          『チロルの挽歌』を観ました

          なんということ。 山田太一氏が亡くなっただなんて…本当に残念でならない。 好きな作品がたくさんある。これからも新しい作品を観続けたかった。 『男たちの旅路』や『シャツの店』。 どちらも大好きな鶴田浩二氏主演のドラマ。すばらしかった。映画『異人たちとの夏』も心に残っている。 追悼番組を期待したのに、え~?全然ないじゃないの!ぼんやりしてた私が見落としただけ? 唯一気づいたのはNHKBSの『チロルの挽歌』。 これまで何度か再放送されているみたいだけれど、観るのは今回が初めて。 高

          『チロルの挽歌』を観ました

          『朝のあかり』(石垣りん著)を読みました

          その詩に出会ったのは数年前。 三角みず紀氏の詩は衝撃だったし、金子みすず氏を知った時も「なんだこれは~!」と既成概念がボロボロと崩れ去る音がはっきり聞こえた。 石垣りん氏の詩は、それに比べるとインパクトはかなり薄い。なのに魚の小骨みたいに心の片隅に引っかかって、ふとしたはずみにチクチク刺してくる。 平易な言葉で綴られ、一見淡々としてるのに、日常に潜むささやなか「負」の面…神経にさわるもの、理不尽なもの、冷たいもの、あるいは心の奥底に埋もれてとうに忘れ去ったもの(見たくなくて捨

          『朝のあかり』(石垣りん著)を読みました

          1円玉が1億円になる日

          ウクライナに続いて中東でも戦いが始まってしまった。どうして人はこんなにも不毛で、残酷なことに手を染められるのだろう。 国際法で戦争は明確に禁止されている。テロ行為だと言われるハマスの行いも、イスラエルが報復だと称して行っていることも、私には全く同じに見える。テロならば断罪の対象になるのに、なぜ国が報復という名目でたくさんの民間人を殺しても殺人罪に問われないのか。 人間ってどうしようもない底なしのバカだ!と憤ったり、嘆いたりしても、それはブーメランのように私自身に戻ってきて、こ

          1円玉が1億円になる日

          お母さんとお揃い

          まだ暑い盛りの8月夕方、駅からの帰り道だった。ジリジリとしつこい西日を右半身に浴びながら街道沿いの歩道をテレテレ歩いていると、前方に3人の親子連れ。 お母さんと、幼稚園くらいの女の子、よちよち歩きの男の子。お母さんは男の子の手を引き、女の子はそのすぐ後ろを歩いている。 と、女の子が急に振り返ってしゃがみこみ、何かを拾うとパクッと口にくわえた。あっと思わず声が出そうになった。すぐにお母さんが振り返ったけれど、一瞬遅くてもう女の子は何食わぬ顔で立ち上がっている。何が起こったか、き

          お母さんとお揃い

          日本の目指す平和とは?

          大分前になってしまうけど、7月1日付け朝日新聞朝刊の『異論のススメ 日本の「平和」とは』(by佐伯啓思)という記事が印象に残っている。 論考は今年5月広島で開催されたG7サミットに、佐伯氏が感じた『奇妙な戸惑い』から始まる。 爆心地広島に、まさにその核爆弾を落とした当事国である米国と西側諸国が結集、戦争中のウクライナ支援を世界に向けて宣伝する。そのお膳立てをしたのが被爆国日本という複雑さ。 この複雑怪奇な構図は単に「平和が大事」という素朴な感情を遥かに通り越しているのでは…と

          日本の目指す平和とは?

          バラとカエルと私 

           生まれた時から泣き虫だった。生まれてすぐはみんなそんなもんだろうけど、私の場合、思いの外長引いた。  母にしがみついたまま泣き続け、優しそうなおじさんがどんなににこやかに話しかけてくれても何一つ答えられなかったから、私は幼稚園の入園試験に落ちた。有名私立なんかじゃなくてごく普通の近所の幼稚園だったのに。  慌てた両親は、かかりつけの小児科医に頼み込んでコネを取り付け、どうにか私を裏口から入園させることに成功した。  入園してからの方がもっと大変だった。  私以上に幼稚園の先

          バラとカエルと私 

          いつまでも好きな人

          20代の頃から鶴田浩二氏が好きだった。 こんな人がお父さんだったらなあとか、親戚のおじさんだったらなあとか、よく夢想した。正確に言うと彼が好きというより、彼が演じる役柄が好きなんだろうな。 当たり前のことを当たり前にできる大人。 自分の中に確固とした信念を持ち、誰が見ていようと見ていなかろうとそれを貫く。自分には厳しいけど、相手にそれを押しつけたりはしない。 どんな時も相手の心情をおもんばかる。決して独断で相手を切り捨てたりはしない。でも言うべきことは言う。自分の考えとして

          いつまでも好きな人

          発表会 その2

          還暦過ぎての2回目のピアノ発表会。今年も先生のお宅で少人数で。 弾いたのはモーツァルトの『幻想曲ニ短調』。実はこれ、発表会用に選んだわけじゃなくて苦手意識を少しでも克服すべく(健気にも!)コツコツ練習してた曲。 モーツァルトやバッハのような音の粒を揃えて弾く曲が私は大の苦手。というのも私の指、1本1本がちゃんと独立してないから、鍵盤を押すたび、つられて他の指までバタバタ勝手に動いちゃう。 ムダな動きが多くて指がポジションに戻るのに余計な時間がかかるから、結果、拍の長さも、音の

          発表会 その2

          娘とのあぶないお風呂タイム

          繁延あづさ氏の『たまたま死なせなかっただけ』(2023年3月31日朝日新聞コラム)を読んで、あ、これこれ私もあった!と思い出した。 コラムには1歳半のボクちゃんとのお風呂タイムの恐怖体験について書かれている。 ボクちゃんにお風呂のヘリをつかませ湯船に立たせておいて、繁延氏は自分の髪を洗う。 ふと、それまで聞こえていたボクちゃんのおしゃべりがいつの間にか聞こえなくなっていることに気づいた繁延氏。慌てて顔を上げると、ボクちゃんが湯船の底に! すぐに抱き上げ、事なきを得たけれど、も

          娘とのあぶないお風呂タイム

          かわいいお母さん

          遠方に住む高校時代の友人から手紙が来た。卒業以来ポツポツと手紙や電話で連絡を取り合う仲。昨年秋には羽田空港でなんと30年振りの再会を果たした。こっちで1人暮らしのお母さんを彼女の住むY市へと迎えにやってきたのだ。 ところがY市に移って間もなく、お母さんの左半身にマヒが現れた。信じられないことに検査の結果は脳腫瘍。大きいものが2つもあり、とても手術はできないという。 昨年急に歩けなくなったのは病気が原因だったのだ。1人暮らしに強い不安を感じるようになったのもそのせいだったのかも

          かわいいお母さん

          母の引越し その2

          「引越しその1」であれだけ強硬に引越しに抵抗した母。 その母が翌日の電話ではケロッとした声で 「たしか引越しは明日よね~」 ときた! どどどどどどどうした!? 衝撃なんてもんじゃない! 昨日のすったもんだ騒動、すっかり忘れちゃってる? 受話器を握りしめたまま、しばし二の句が継げない。 息を整え、気を取り直して平静を装う。 「引越しは絶対しないって言うから、全部断ったよ」 引越しも高齢者用アパートも全てキャンセルしたことを何度も説明する。 よくよく聞けば昨日引越しを断ったことも

          母の引越し その2

          母の引越し その1

          2023年がやってきた! 本当なら今頃母は実家を離れ、うちの近所にある高齢者アパートで新しい生活をスタートさせているはずだった。 けれど母は今も自宅。そこで1人暮らしをしている。 忘れもしない昨年12月4日。引越し予定日早朝。前日からうちに来ていた娘と連れだって実家へ。 玄関ドアを開けたとたん、山積みになった空の段ボール箱が目に飛び込んできた。先週母と一緒に家のあちこちから持っていく物をかき集めてせっせと荷造りした箱たち。それが全てからっぽ。空しく大きな口を開けて目の前に転が

          母の引越し その1