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体外受精(IVF)は、自然妊娠よりも高い確率で妊娠することができる

体外受精(IVF)について正しい認識を深めていきましょう。不妊症の主な治療法である体外受精(IVF)は、自然妊娠や人工授精よりも高い確率で妊娠することができます。また、私達代理出産エージェントBFYが専門とする『代理母出産』は、必ず体外受精(IVF)とセットで行われるプログラムです。

不妊症の治療(不妊治療)は、大きく分けて一般不妊治療と、生殖補助治療(ART)とに分類することができます。

一般不妊治療の例としては、

・不妊検査(ホルモン検査、精液検査など)
・夫婦生活のタイミング法
・楽物療法(排卵誘発薬、排卵障害の治療薬など)
・人工授精(IUI)

などが挙げられます。人工授精とは、運動性の良好な調整された精子を、排卵日に確実に子宮腔内に注入する方法です。これら一般不妊治療を幾度となく続けてきたものの、なかなか結果が出ず、自らが重度の不妊症であると自覚した場合、親になる最後の望み(健康な赤ちゃんを授かる可能性)が絶たれてしまったように感じてしまうことでしょう。

しかし、そこでパニックになったり絶望したりする必要は全くありません。配偶子(卵と精子)や受精卵(胚)を体外で取り扱う高度不妊治療=生殖補助治療(ART)を解決策として検討しましょう。

生殖補助治療(ART)の例としては、

・体外受精(IVF)
・顕微授精(ICSI)
・卵子への精子注入(IMSI)
・精子、卵子、胚の凍結保存
・ドナー卵子と精子
着床前遺伝子診断、スクリーニング(PGD、PGS)
・子宮内膜症と子宮筋腫の治療
・排卵の刺激
代理母+体外受精(IVF)
・レーザーアシステッドハッチング(LAH)
・内分泌疾患の治療
・胚性幹細胞治療

などが挙げられます。生殖補助治療(ART)は、私達代理出産エージェントBFYが専門的に取り扱っている分野です。一般不妊治療で妊娠できなかったほぼすべての夫婦が遺伝的に血縁のある子供を授かることができます。ある人にとっては奇跡のように思えるかもしれませんが事実です。

そして、1つ残念なこともお知らせしておかなければなりません。不妊治療に取り組んでいる方はご存知の方も多いと思いますが、世界各国の生殖補助医療を監視する国際委員会「ICMART:International Committee for Monitoring Assisted Reproductive Technologies」の調査結果によると、日本の生殖補助医療(ART)の実施件数は60ヵ国中(アメリカやヨーロッパ各国を抑えて)断トツの1位であるにも関わらず、出産率は最下位の6%という、にわかには信じがたい結果が出ています(2017年時点)。

日本は、世界一の不妊治療大国である反面、世界一出産できてない国でもあり、その原因は諸説あります。皆さんにお伝えしたいのは、日本の高度不妊治療で妊娠できなかったからと言って諦める必要はないということです。これに関する詳細は別途、不妊治療の記事でご案内しようと思っています。

さあ、前置きが長くなりましたが、体外受精について詳しく見ていきましょう。

体外受精(IVF)とは?

体外受精(IVF)とは、受精が女性の体内で自然に起こらない場合、体外(実験室)で行うことができる治療技術です。この治療は上記でも書いた通り、高度生殖補助治療(ART)を代表する治療技術です。IVFは、In Vitro Fertilization Embryo Transferの頭文字です。

体外受精(IVF)は、女性の体外で卵子の受精を行う技術ですので、胚は実験室で作られ、女性の子宮に入れられ、発育を促して妊娠を成立させます。このプロセスにはいくつかの段階があり、それらを適切に調整する必要があります。ご夫婦のニーズ、クリニックの技術に合わせてオーダーメイドの治療をデザインすることが成功の鍵です。

良い卵子と良い精子を揃えることができれば、精子の数が極端に少なくても妊娠が可能になります。例えば、人工授精を含む一般不妊治療では妊娠しない方、卵管閉塞の方、重症男性不妊の方など、不妊症の約半数が体外受精(IVF)の対象となります。

ちなみに、私達代理出産エージェントBFYが拠点を持つウクライナは、体外受精(IVF)、代理出産ともに、旧くから法整備がされており、外国人の利用者が多く、ESHRE(ヨーロッパ生殖医学学会)の最新報告書によると、ウクライナは卵子提供の実績(妊娠率)ではスペインをも凌ぎ、良好な治療成績で非常に高い評価を得ています。ESHREは、不妊治療に関するデータを収集し、公表するヨーロッパの権威です。

胚移植あたりの妊娠率。出典ART in Europe, 2016: Results generated from European registries by ESHRE

体外受精(IVF)のプロセス

①体外受精(IVF)の準備

体外受精を含む高度生殖補助治療は、一人一人、一組一組の夫婦に合わせて行われます。皆の共通の目的は、正しい不妊の原因を突き止め、最も効果的な治療法を考案・実施することです。男性の場合は、精子とホルモンレベルを分析し、必要に応じて泌尿器学的評価を行います。女性の場合は、子宮頸管と子宮内膜腔を検査し、卵管の変化の可能性や月経周期のパターンも調べます。このプロセス(準備)により、体外受精(IVF)が不妊問題の正しい解決策であることが認められ、身体的にも心理的にも体外受精を開始する準備ができていることが確認された場合に、体外受精を開始することになります。日本での各種検査データを持っている夫婦の場合、その結果を海外のクリニックとシェアすることもできます。

②卵巣刺激(排卵誘発)

妊娠の可能性(妊娠率)を最大限に高めるために、「排卵誘発剤」を投与し、いくつかの成熟卵を採取します。また、膣の超音波スキャンと適時の血液分析で反応をモニターします。治療期間は症例によって異なりますが、およそ8~12日間です。卵巣の反応が低かったり、過剰であったりした場合は、治療を中止できます。

一般的に受精卵一個あたりの着床率は低く、着床率が高い20歳代でも20%台ですので、体外受精においても卵巣刺激(排卵誘発)は重要なステップになります。排卵誘発が強すぎても弱すぎても妊娠率は低下します。卵巣刺激(排卵誘発)のプロセスは個人ごとに異なり、女性の年齢、卵巣機能、血中ホルモン、卵巣予備機能を考慮し、個別に決めていきます。

③採卵

卵子が成熟したら、局所麻酔または静脈麻酔のもと、膣超音波のガイドに従って卵子を回収(排卵:卵巣から卵を体外へ取り出)します。かかる時間は5~15分ほどで、痛みはなく、入院、全身麻酔も必要ありません。卵は培養液で洗浄し、媒精までしばらく培養器で前培養します。

④精子の準備

精液採取後、残留物を取り除き、顕微鏡で精子の運動率や数のチェックを行い、条件の良い精子を回収し、受精の準備を整えます。穿刺当日、男性が精子提供に立ち会えない場合は、凍結サンプルを使用することもできます。その場合は、奥様はご主人の署名入りの同意書を提出し、精液を融解する必要があります。

⑤研究室での受精(媒精)

採卵された卵子は体外受精ラボに運ばれ、そこで受精(媒精)が行われます。卵子と精子は、受精とその後の前胚の発育に理想的な条件を提供するインキュベーター(培養器)内に置かれます。

・顕微授精(ICSI:卵細胞質内精子注入法)
顕微授精は、担当の生殖生物学者が必要と判断した場合、または事前に合意された場合に行われます。卵細胞質内精子注入法(ICSI)は、顕微鏡を使って、成熟した卵子の中に精子を1個だけ入れて、受精させる方法です。ICSIは、男性不妊の問題を克服するための生殖補助医療技術です。例えば、精子の数が少ない、形態異常、運動率が悪い、あるいは精子が体外受精で受精できない場合に使用されます。

⑥胚培養

受精後、成長に必要なものすべてを提供する培養液で発育させます。胚は発育中に評価されます。すべての胚が胚盤胞期に到達するわけではないため、定期的に成長が評価されます。

⑦胚移植(ET)

胚盤胞の段階に達すると、胚移植が行われます。これは治療中の重要なステップです。胚は母親(代理出産の場合には代理母さん)の子宮に移植されます。腹部超音波の助けを借りて行われます。胚を含む培養液は子宮内に置かれます。これは痛みもなく、短時間のプロセスです。体外受精(IVF)の胚移植(ET)をIVF-ET(in vitro fertilization – embryo transfer:体外受精・胚移植 )と言います。

⑧妊娠陽性の検査

プロゲステロンの投薬が始まってから13~14日後に、妊娠しているかどうかを判定するために患者から採血を行います。このホルモンは胚によって産生され、母体に伝達されます。このホルモンは受精卵から送られる最初の測定可能なサインです。妊娠していない場合には、クリニックの医療チームが原因を評価し、次回に備えます。

⑨妊娠超音波検査

妊娠検査の結果が陽性であった場合、約2週間後に超音波検査を受けます。

上記が大まかな体外受精(IVF)のプロセスです。体外受精は非常に柔軟性の高い方法であり、自身の卵子(精子)を使うことも、ドナーの卵子(精子)を使うことも可能です。また、自身に胚移植することも、代理母さんに胚移植することも可能です。さらに、体外受精では、着床前遺伝子診断も可能であるため、遺伝的疾患を持つ子供が生まれるリスクを大幅に減らすことができます。

体外受精(IVF)はどんな人に必要?

体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)の適応について明記します。

・過去の人工授精の失敗
・加齢による不妊
・反復流産
・卵巣機能不全
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・子宮内膜症
・精子の数や運動率の低下、または異常精子の割合の変化
・卵管閉塞または結紮
・遺伝性疾患の既往歴
・原因不明の不妊症
・選択によるシングルマザー
・レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの母性
・パイプカット

※一部、国によって体外受精(IVF)が認められません。

体外受精(IVF)のメリットデメリット

体外受精(IVF)は、女性の体内ではなく、女性の体外で卵子を精子と受精させ、その後に体内に胚を移植するという、画期的で、且つ生殖医療において最も一般的な治療法です。

主なメリットとして挙げられるのは、

・体外受精は多目的で柔軟性の高い治療法
・自身の卵子(精子)、ドナーの卵子(精子)の利用が可能
・自身に胚移植することも、代理母さんに胚移植することも可能
・独身女性や同性間の女性でも妊娠が可能(ROPA法)
着床前遺伝子診断(PGD)で遺伝的障害を持つ子が生まれるリスク大幅減
・遺伝子疾患保因者検査(CGT)で遺伝性疾患の子供への伝染を予防
・条件(運動率など)の良い精子を選択することで妊娠率の向上
・入院はなく、日常生活に悪影響を及ぼさない
・高い成功率

主なデメリットとして挙げられるのは、

・国によって法律が異なる
・クリニックによって技術(妊娠成功率)が異なる
・まれな副作用(膨満感、乳房の圧痛の増加、けいれん、便秘)
・まれな合併症(卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠など)

体外受精(IVF)を成功させるアドバイス

体外受精(IVF)の成功と妊娠には多くの要因が影響します。健康的なライフスタイルを送ること、有害な習慣を避けること、薬を適切に使用すること、香水の使用を避けること、移植日に膀胱が満たされていることなど、いくつか助けになりそうなことを挙げておきます。

・バランスのとれた食事をとる
体重は受精に影響を与えます。太りすぎはお勧めできませんし、過度に痩せすぎても治療の成功率は下がります。健康的な食事は、卵子が健康な状態を保ち、身体が妊娠を受け入れやすくするのに役立ちます。したがって、よく食べ、ビタミンを適切に摂取することが重要です。

・悪い習慣を避ける(やめる)
喫煙、コーヒー、アルコールは不妊や体外受精の成功に影響を与える要因です。喫煙は、能動的であれ受動的であれ、妊娠喪失のリスクを高め、月経周期に変化をもたらし、卵巣予備能を低下させ、抗ミュラーホルモンレベルを低下させます。

・薬理学的ガイドラインの厳守
生殖補助医療の成功の可能性を高めるためには、薬の服用時間を守り、毎日同じ時間に薬を服用することも非常に重要です。また、医薬品を冷蔵保存する場合は、コールドチェーンを壊さず、メーカー推奨温度で保存することが不可欠です。

・薬理学的禁忌を考慮
周期に影響を及ぼす可能性のある禁忌薬を除外できるよう、婦人科医に他に服用している薬があればその旨を伝えてください。

・膀胱をいっぱいにしておく
胚移植が行われる日、クリニックに到着した時点で尿意を感じる必要があります。膀胱内の液体は、胚を最適な場所に配置するのに役立ちます。

・できるかぎり自然な状態を保つ
移植は、子宮内での自然な経過にできるだけ近い状況で行わなければなりません。そのため、香水やデオドラント、強い香りのクリームなどは避けることをお勧めします。

・健康的な生活
健康的なライフスタイルを心がけましょう。休息、健康的な食事、軽い運動を心がけましょう。

・良いクリニックとの出会い
体外受精(IVF)は、国によって法律が違ったり、病院によって取り扱う機材や研究者や医師が異なります。つまり、体外受精(IVF)を依頼するお医者さんによって、やれることやれないこと、能力やノウハウ、つまり妊娠成功率に差が生じます。そのことを知ったうえで、貴方の特徴や希望に沿った出会いが叶うよう行動されると良いと思います。

体外受精(IVF)+代理出産

体外受精(IVF)も代理出産も生殖補助医療(ART)です。例えば、ウクライナの場合、代理母さんが子と遺伝的な繋がりを持つことは違法ですから、必然的に代理出産は体外受精(IVF)と組み合わせて行われます。

欧州各国の中で、ウクライナは体外受精(IVF)の技術力や成功率が最も高いレベルにあると言われています。その上でウクライナは、外国人向けの代理出産の法整備が進んでいるため、私達代理出産エージェントBFYは拠点を置いています。

様々なご事情、これまでの経緯、現在の心境を含めて、ご自身やパートナー、ご家族とお話をされた上で代理出産をご希望の際には、お気軽にお問い合わせください。そして是非、私達のホームページFacebookもご覧になってみてください。少しでも貴方に希望が生まれることを願っています。


体外受精(IVF)と代理出産をお考えの方へ





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