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【イベントレポート】11月11日、ポレポレ東中野 公開初日

ついに公開初日を迎えました。朝からドキドキです。
東中野に着いて劇場に向かうと、あたりには長蛇の列!「わー!」と声が出そうになって、よく見ればそれはポレポレ坐での「共働学舎収穫祭」の列なのでした。けれども、地下の劇場ロビーにもまた、たくさんのお客様が待ってくださっていました。うれしいことです!

さて、福間健二監督第7作『きのう生まれたわけじゃない』1回目上映後の舞台挨拶です。
キャストもだいぶ緊張しています。名前を呼ばれて、みんな次々に登壇していきます。
七海役のくるみさん、岬/綾子の二役の正木佐和さん、七海の母ミオ役の安部智凛さん、マー君役の蕪木虎太郎さん、今泉役の今泉浩一さん、佐々木ユキ役の小原早織さん、市役所の岡村役の保志実都貴さん、医師伊藤役の伊藤洋三郎さん、老人高平役の高平よしあきさんの9名です。

客席に向かってそれぞれが、役どころからではなく本人として語るこの映画への言葉は、録音しなかったのを悔やむほどに心に届くものでした。監督不在を補うように、現場の様子や演じることの楽しさがしっかり伝わってきました。思いがけない現場逸話も出て、安部智凛さん語るジョークなのか真剣なのか不明の可笑しさに、客席からはどっと笑いがこぼれて場内はなごみ、あっという間に時間が過ぎていきました。
印象深かったのは、最年少であり主役であるくるみさんと、最年長の老人役の高平よしあきさんの言葉でした。
くるみさんは、劇中と同じまっすぐな目で語りました。
「自分とどこか似ている七海に気持ちを重ねて演じました。撮影準備を待つ間に、マー君(蕪木虎太郎)と遊んでいると、見ていた監督がそれを使おうと言い出し、台本にないシーンが何ヶ所か生まれました。映画は初めてでしたが、楽しかったです。監督と一緒にこの映画を見ることができなかったのが、とてもさびしいです」。

いっぽう、もうすぐ95歳になる高平さんは、障がいのある子どものカウンセラーとして生きてきたご自身の物語に始まって、「絵を描くことと詩を書くことに出会って、福間さんと出会った。福間さんは僕の人生に興味を持ってくれて、ある日突然、映画に出てくれませんかと誘われたんです」と話しました。もっともっと語りたいことがあったようでしたが……。劇中「憩いのベンチ」で老人たちが順番に言う「きのう生まれたわけじゃない」の高平さんを、おぼえている方も多いことでしょう。
まだ始まって間もない人生の少女と、長い年月を経た人生の老人。そして登壇した全員の「きのう生まれたわけじゃない」。この映画に通じるそれぞれの物語が語られて、すばらしい舞台挨拶となりました。場内は大拍手が止まず、写真の福間監督は、終始ニコニコ顔でした。
登壇してくれたキャストのみなさん、ご来場くださったすべてのみなさん、そしてポレポレ東中野のスタッフのみなさん、ありがとうございました!

公開初日、大盛況の2回上映後の舞台挨拶を終えて、『きのう生まれたわけじゃない』は、長い航海に出ます。出会う人の心にささやかな希望の明かりを灯しながら、歩んでいってくれることを信じています。

『きのう生まれたわけじゃない』ポレポレ東中野にて絶賛上映中!
12月2日(土)より福間健二監督特集も開催!