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読書感想文 No.2

「おもろい以外いらんねん」

高校の同級生二人組漫才師が解散するまでの話。

芸人であるがゆえ、面白さや人気、お金をストイックに追求していく中で、どんどん主人公が自分らしさを失っていく。

最終的には自分らしさはなく、
空っぽになってしまい、
本当に自分が好きな人たちからよく思われず、
大衆向けの笑いを追求していく。

それに薄々気づきながらも芸人として
売れるための日々を過ごしていく物語。

自分は全く芸人ではないが、
人間的に似ている部分があり、
かなり共感できる小説だった。

というよりも、人間誰もが人から好かれたいや人気者になりたいという承認要求的な部分は持っていると思う。

そんな中で、自分をどれだけ殺して人から好かれるか、それとも自分をだして生きていくのかそんなせめぎ合いは結構自分もする方である。

ネタバレにはなるが、
この小説では最終的に大衆から好かれるよりも、
自分をだして相方や高校の友達などの本当に大切な人達に好かれればいいと開き直り(詳しくは開き直される)、面白くない自分を認めながら生きていくことを選ぶ。

大衆向けの自分をずっと演じ、それがもはや自分なのだと信じていた主人公には勇気のいる選択である。

何が難しいかって、この問題は単純に2択の問題ではない。

いい感じに自分を使い分けなければならないのである。ずーっと自分を出して生きていける程社会は甘くない。

色々なことを考えられる小説でした。

この問いには自分はまだ答えは出せそうにない。

あなたはどう考えますか??

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