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パフォーマンス | 2023-01-26

あっという間に1月が終わりを迎えようとしております。もう間もなく娘1の本命の受験なのですが、本人もストレスを感じているのか、しばしば発狂しており、家の中では家人に続いて発狂者が出ているという状況です。二月の勝者になれるのかどうか、とりあえず予備で受けた学校には受かったものの、実際にそこに入るかどうかというと微妙なところなわけでして、まあやはり本人が第一希望としているところに受かって気持ちよく入学金を納められるとよいなというところです。傍から見ていても、中学受験というのはまだ思春期に入りたての12歳前後の子どもたちが取り組むには大変な課題だなと思わされます。覚えることは多いですし、問題との相性もあります。たまたま読んだところが模試に出たりすると結果は変わってきますし、本人も誤解してしまいます。実際には小学校6年間をかけて学んできたことを満遍なく理解し、自家薬籠中の物としておかなければいけないわけです。まあ始めたのが遅かったというのもありますが、受験勉強というのは効率的に、かつ体系だって学ぶといういい機会ではありつつも、集中力や体力といった点で、成長過程の子どもたちの間で大きく差が出てくるものでもあり、公平ではないなという気はいたします。まあそんなことを言い出したら公平な試験なんてどこにあるんだ、という話になってしまうわけですが、まあさておき、我が子に有利な条件をなんとか探し出したいという親のエゴとしてお聞き流しください。というわけで、我が家は来週いっぱいまで臨戦態勢です。

さて、世間では盛んにパフォーマンスを要求する言葉が口にされています。曰く、コスパ、タイパなど略すこと自体が既に時間への強迫観念を感じさせますが、まあそういうところです。先に書いたように受験もある意味では限られた時間の中で最大のパフォーマンスを発揮するように要求されるという点では、費用対効果の文脈に載るのかもしれません。投資に関わる人の中にはパフォーマンスと聞くとまあ平たく言えばどれくらい儲かってるのかという話になってしまうのですが、投資の本質的には、投入した資本に対してどの程度のリターンを得たのか、という指標です。ところで、パフォーマンス(Perfomance)というのは多義語で、演技、仕事ぶり、先に書いた投資成果、業績などなど、いくつもの意味があります。何かを完成させる、というのが語源のようですが、語源というのはあってもそのままそれが継承され続けるわけではないので、一つの参照情報としてお知らせしておきます。その多義的なパフォーマンスですが、まあYou TuberやTikTokerやInstagramerといった軽薄なメディアから何かを学んでいる人々にとっては、配信者のパフォーマンスによって、タイムパフォーマンスのいい情報を得ているという錯覚に陥っているというのは興味深いことだなと思います。ちなみに長い解説をしつつきちんと何かを説明しようとしているYou Tube動画などがあることも事実ではあるので、十把一絡げに動画コンテンツは軽薄であるというわけではないということは注意しておきます。まあとはいえ、5分で分る◯◯的なものや、ザッピングの中で断片的に見た情報を元に何かを語られるとそれはそれで、やはり軽薄と言わざるを得ないのではないかという気はいたします。

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