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【会員20万人突破】ココグルメが大切にしてきた3つのこと、これからの挑戦

愛犬の手作りごはん「ココグルメ」と、愛猫の手作りごはん「ミャオグルメ」を運営している、株式会社バイオフィリアの取締役COO やはぎと申します。

2023年12月をもって「ココグルメをやろう!」と決めてからいよいよ丸5年を迎えました。

この5年を経て、おかげさまでココグルメをお召し上がりいただいたお客さまは20万頭を超えることができました。

そして、スタートアップ未経験・大企業出身の2人が始めた小さな会社が、50人を超える組織へと大きくなりました。

この機会に、これまでの過程の振り返りと今後の抱負を残しておきたいと思います。

ココグルメ・ミャオグルメに関わってくれた皆様へ

ココグルメは2023年9月に累計会員20万わんこを突破しました

ココグルメ・ミャオグルメを通し、多くの方にご支援いただいたおかげで5年間を迎えることができました。

新しいブランドであるにも関わらず、長く選び続け、多くのフィードバックや温かい声をかけ続けていただいたココグルメ・ミャオグルメのお客様に感謝申し上げます。

また、私たちと提携してくださった協力企業の皆様にも感謝をお伝えしたいです。

そして会社で一緒に働いてくれているメンバー、本当にありがとうございます。小さなシェアオフィスから始まった小さな会社が、ここまで成長できたのは皆さんの支えとサービスへの情熱のおかげです。

ここには名前を挙げきれないほど多くの方に支えていただいけていることを、改めて深く感謝を申し上げます。

ココグルメが生まれた経緯

高校の同級生が10年ぶりにスタバで再会したことがきっかけで創業

バイオフィリアを創業して現在7期目を迎えましたが、この会社ができたのは偶然の出来事でした。

自分と代表の岩橋は元々高校の同級生ですが、高校卒業以来10年近く顔を合わせていなかったのにも関わらず、2017年4月ごろ母校の近くのスターバックスでばったり再会しました。

その頃私は日本オラクルという会社でSIerを、岩橋は証券会社で上場準備の支援をしていましたが、たまたまそれぞれが起業を考えていました。

私自身は事業ドメインにこだわりはなくITとエンジニアリングで何かをしたいという思いがあり、一方で岩橋は「動物の殺処分や命の不平等という社会課題を解決したい」という思いが強かったため、それなら「ペット × IT」という切り口で何かやろうを話が纏まりました。

たまたま大きなテーブルの斜め前の席に座っており
約10年ぶりに再開しました

売上0円で1年半。会社の存続をかけて最後に生まれたココグルメ

その後1年半かけて「メディア」「マッチングサイト」「写真共有アプリ」「ECモール」と、ペット × ITという切り口でさまざまなサービスを作りました。

「サイトを作れば売上が立つはず!」と意気込んで作っていましたが、もちろん作っただけではトラフィックは増えるはずはないし、当然売上0円のままクローズしていきました。

大手出身だった自分たちは、SEOもSNSも広告をはじめとした、ゼロからビジネスを伸ばす方法をわかっていませんでした。

そんなことを1年半繰り返していくうちに、会社の資金は完全に底をつきました。

もちろん投資家・VCからの資金調達も動きましたが、コネもない・経験もない・実績もない2人には当然誰も出資してくれません。

数十人にアプローチしましたがすべて断られました。

会社としての存続が限界を迎え「このままズルズル続けても意味がない」となった5年前の2019年12月、渋谷センター街の金の蔵で
「ペット × IT では難しい」
ITは一回捨てて、ペット業界でもっとも市場が大きい"ペットフード"という軸でど直球に戦おう
それでも上手くいかなかったら会社は解散しよう
という話をしました。

同時期に岩橋の愛犬が立て続けに亡くなったこともあり、今一度「動物の健康」という根源的な部分に立ち返って生まれたのが「ココグルメ」です。

ココグルメの開始時に突貫で実施したリリースイベント
右も左もわからない感が写真から滲み出ています

ココグルメを始めて5年間で大切にしてきた3つのこと

ココグルメの商品開発の様子
こんな感じで社員犬たちと日々試食を繰り返して開発しています

この5年間は、多くのお客様に恵まれながら会社組織も怒涛の勢いで変化し、人生をかけてココグルメのグロースに向き合ってきました。とはいえ初期の頃は倒産の危機もありました。

振り返ってみると、どんな状況下でも私たちは以下の3つを大切にしてきました。

1. 「お客さま」へのフォーカス

当たり前のことではありますが、「お客さまに対してココグルメをどうやって認知してもらうか?」「お客さまへの提供価値を高めるには何ができるか?」だけにフォーカスし続けていました。

ココグルメの本当のお客様は飼い主ではなく「愛犬」です。

飼い主にとって嬉しい施策の優先度は下げ、その代わりに商品そのものの品質と美味しさをどう改善するか?を最優先で取り組み続けました。

また、会社メンバーがお客様と直接コミュニケーションを取れる機会を作るため、年間で20回近くPOPUPイベントを実施し、社員総出で接客をし続けています。

あらゆる企業活動を「お客様」にフォーカスしてきた結果、(スタートアップ業界からの認知度は極端に低いですが)フレッシュペットフードブランドとして会員数・売上No.1となる状況が生まれました。

2. 「右脳=アイデア」と「左脳=ロジック」のバランス

ペット業界は「人間の利便性を合理的に突き詰めたことによる反動」が大きな影を落としています。

「可愛い子を飼いたい」というニーズを充足する生体販売市場はもちろんのこと、ペットフードでも「人間の食品を作った余りを有効活用したい」という発想が起源になった部分もあり、その結果として「動物のため」の価値観が薄れてしまっている側面があります。

同時に「ペットの家族化」という文脈のもと、私たちの動物の幸福に対する意識は近年少しづつ変わり始めており、事業者側も「人間のため」ではなく「動物のため」でないとお客様から支持されない状況に変わりつつあります。

とはいえなかなか世の中がガラッと変われないのは、それだけでは解決できない構造があるからだと考えています。

こうした環境だからこそ、私たちは「動物のためを考える右脳」と「事業としての持続可能性をロジックで考える左脳」のバランスをとることを大切にしてきました。

たとえばマーケティングにおいては「かわいい」「面白い」「好き」のアイデアから発想して形にしていく一方で、どんなアイデアでも短期~長期で回収可能・持続可能な投資であることのロジックを定量的に詰めています。

たとえばブランディング目的としてコスト度外視で実行されがちなPOPUPイベントであっても、WEB広告と同様にROIを重視しCPAを合わせて実施を続けています。

ちなみに1年前のこの記事を書いてからPOPUPはさらに改善を続けており、今では同じイベント・出店規模でも売上1.7倍になるまで変化を繰り返しています。

他にも、梱包箱一つの予算に対して「〇〇を変えることで3円の利益増になるはずだから、1円コスト増は妥当である」という仮説を持って実行し、「結果的に〇〇が3.2円分の利益になったから、1円のコスト増は成功」という検証を必ず行っています。

資金調達もできない極貧ベンチャーだった歴史や、その後も売上が伸びていても資金調達ができず何度も苦しんだ経緯から、どんなコストにも聖域を作らずロジックを考えています。

3. 不恰好でも「手数」を大切にする

元々ビジネスづくりはもちろんマーケティングも素人で、スタートアップで事業を作ってきた経験もないままココグルメを始めたため、とにかくがむしゃらにやってきました。

おしゃれなサイトを作るセンスも、緻密なマーケティング戦略も全く知らなかったため、綺麗に戦うことは諦めて「不恰好でいいから手数を出す」ことにフォーカスし、泥臭ささと実行量を武器に勝負してきました。

この4年半を振り返ってみると、250以上の新しい施策にチャレンジして、20勝50敗180分の戦績だったようです。
( 成功率はわずか8% )

これまで実施した施策・企画をポストイットにしたら
250近くまで登りました

これ以外にもABテストなどの細かい改善は累計で1000を超えており、直近でメンバーも増えた結果、さらにそのスピードが上がってきています。

ココグルメの成長の源泉は、綺麗に言語化された戦略にあるわけではなく、「手数の多さ」にあると確信しています。

2023年の新しいチャレンジを振り返る

この1年では事業規模も大きくなったため、今までは動けなかった新しいチャレンジもできるようになりました。

その中でも大きな成果や変化を振り返りたいと思います。

Topic1. 吉田鋼太郎さんを起用したTVCMで指名検索3倍に

2023年1月~2月にかけて、日本初※のフレッシュペットフードブランドによるTVCMを実施しました。
※ 自社調べです

冷凍タイプのフレッシュペットフードは、新しいジャンルの商品のため、飼い主にとってもカテゴリ認知度は10%程度とまだまだ低い水準です。

その状況でいち早く世の中の信頼と認知を得るために、一流の芸能人の方をキャスティングした(ほぼ)全国向けTVCMという大型プロモーションを実行しました。

自分たちが伝えたいメッセージは「食品のように美味しそうなドッグフード」としており、そのメッセージを伝えるために「人間が着ぐるみをきて、ココグルメを食べてもらう」という演出コンセプトに決定しました。

出演をお願いした吉田鋼太郎さんは、「安心感・信頼感がある一流の俳優さん」であるにも関わらず、「着ぐるみでのコミカルな演出の許可をしてくださる心優しい方」であり、さらには忙しい合間を縫ってでも「ご自身でいつも散歩する姿が目撃される本物の愛犬家」という、コンセプトにばっちりハマった方でした。

ちなみにこのCMの放映期間で指名検索は2.5~3倍まで跳ね上がり、WEBの新規購入者数増加につながりました。

「ココグルメ」の指名検索の推移
CMを初めて3倍近くまで伸びました

Topic2. バイラルマーケティングでコストゼロで1000万人にリーチ

ペットフードはあまり買い換えるものではないため非常にリテンションが高い商品カテゴリですが、それは同時にそもそも新しいペットフードを探す人が少ない、という難しさもあります。

今後の更なるグロースのためには、食事を探し始めるタイミングの前に世の中の愛犬家と接触しておくことが不可欠です。

いわゆる認知マーケティングですが、左脳のロジックで考えれば現状は認知広告に投下できる予算はないため、コストをかけずにインプレッションを出す方法としてバイラルマーケティングの方法を模索し始めました。

結果この1年間で、延べ約1000万人の愛犬家の方にリーチすることができました。

■成功事例1. 犬吸い社長

バイオフィリアは愛犬家・愛猫家が集まる会社ですが、その会社のメンバーが引くくらい筋金入りの動物好きの岩橋は、定期的に社員犬たちを吸ってます。

会社名物の光景が、全国の愛犬家達の共感により約100万impのバズりにつながりました。

■成功事例2.お名前ランキング

自分の愛犬と同じ名前の子が全国に推定何頭いるのかを検索できるサービスで、ココグルメのユーザー統計データを利用しています。

リリースから5日後から急激に伸び始め、7日後にはデイリー30万PVに達しました。

TwitterやInstagramストーリー合わせて約1万件ほどシェアいただいたようです。

ランキング公開前後の指名検索のトラフィック
測定バグのようなスパイクで、TVCMに耐えたサーバーが止まりました

■成功事例3. 忠犬も待てない

忠犬ハチ公100周年と掛け合わせてハチ公改札で、11月1日(=犬の日)と忠犬ハチ公にかけたOOH広告を掲載しました。

こちらもOOHの写真を撮影した投稿から、愛犬家や広告関連の方からリツイートをいただいた結果600万impを突破し、10社近くのメディアさんにも記事にしていただきました。

こちらの広告、実は上半分のクリエイティブではなく、下半分のお客様によるUGC投稿がメインコンテンツでした。

ココグルメを食べるUGCを投稿してくれたら全国の色々な駅でOOH広告に乗る、という1年かけたUGC募集企画の一環で、実はそちらも述べ3000件近くの投稿をご協力いただいています。

元々媒体コストを、応募のためのUGC増によるインプレッションで採算がとれることを計算した上での取り組みでしたが、思わぬ効果に繋がりました。

メンバーのみんなで「待てない感が一番伝わるのはどんな見せ方か?」「どのブレ方が一番面白いか?」「テキストが食べたい食べたい…だけだと伝わらないかも?」「右下に本人の写真を入れるべきか?」という妙な議論をしたのが懐かしいです。

■失敗事例. うちのこお札メーカー

逆に、自信はあったのにまったく上手くいかなかった施策はこちら。

愛犬の名前と写真をアップすると1万円札のコラージュ画像ができるというサービス。

お名前ランキングの5倍以上は準備に時間がかかったのですが、お名前ランキングほどには拡散されませんでした…難しいですね。

こんな感じでバイオフィリアでは「右脳的なアイデア」をもとに形にしながら、どうにか「左脳的なサイエンス」として持続する・スケールさせること日々考えて実行してきました。

Topic3. 「エサ」から「食事」へのチャレンジ

実はペットフードは法律上「雑貨」として扱われており食品安全基本法の対象範囲外となっているため、安全基準や品質基準が低い環境で作られているケースがあります。

発ガンリスクがあり、食品には使用できなくなった石油由来の添加物なども実は使えてしまいます。

そうした背景から、ココグルメは5年前から「"エサ"という価値観を"食事"という価値観にかえる」というのをテーマにブランド作りをしてきました。

ココグルメのロゴは動物と人間が同じ方向を向き
寄り添って立つ姿をモチーフにしています

たとえばココグルメという名前の由来は、

  • ココ = 名前ランキング1位の名前であり、フランス語で「お気に入り」「かわいい」「最愛の」などの意味

  • グルメ = 従来の価値観を変えるために「ペットフード」や「エサ」などから距離が遠く「極力食事っぽいワード」

という組み合わせでできています。

その一方で、突然何も知らないお客様に「食事です!」といってもピンとこないため、より分かりやすい便益である「圧倒的に美味しいから、偏食の子も食べてくれる」ということをメインメッセージにしてきました。

ブランドを初めて4年経って少しづつ「食事」という価値観が浸透してきたため、いよいよ「エサではなく食事」であることを直接表現したコミュニケーションを始めることができました。

2023年8月には食事の番組として根強い人気を誇るNHKの「サラメシ」さんに、ココグルメが作られる過程をガッツリ取材していただきました。

また、いっそのこと、もはや人間も食べれる商品として正式な許認可の上で作ってしまおう!ということで、「人間も愛犬も美味しく食べられるクリスマスケーキ」を作ってしまいました。

人間と同じ基準で作られたケーキは今までありましたが、食品本来が持つ甘味をうまく活かして人間も「美味しく食べられるケーキ」はおそらくはじめてではないかと思ってます。

来年以降も「エサから食事へ」にむけて新しい取り組みを続けていきます。

Topic4. チームが50名まで拡大

元々2人で始まった会社ですが、徐々に組織も大きくなり、まもなくフルタイムメンバーで50名を突破します。

株式会社バイオフィリアの従業員数の推移
ココグルメを始めてから少しづつ組織は大きくなりした

商品開発から始まり、手元まできちんと届けるロジスティクス、拡販のためのマーケティングやセールス、お客様を支援するカスタマーサポート、そして会社全体を支えるコーポレート部門と、会社という組織全体でお客様に良いサービスを届け、ブランドを育てていく土台ができてきました。

これにより商品開発領域でも、マーケティング領域でも、事業開発領域でも、いままでトライできなかった事に手数多くチャレンジできるようになっています。

そして来年・再来年にはさらに大きなチャレンジを仕込んでおり、その実行とリードを担っていただける方を全方位で募集しています!

ぜひ動物×食のスタートアップに興味がある方いましたら、ぜひお気軽にお声掛けください。

10年後の1000億円企業へ向けた挑戦

「バイオフィリア」とは
「人間は生まれながら動物や生物を愛する本能を持っている」
という"バイオフィリア仮説"という名前に由来しています

バイオフィリアはこれまでも「動物の幸せから人の幸せへ」という創業ミッション達成の元、事業づくりを進めてきました。

今よりも多くの動物を救う・救い続けるためには、「事業」という持続可能でスケーラブルな仕組みと共に動く必要があります。

ココグルメはおかげさまで少しづつブランドは成長していますが、まだまだ社会に与えられる影響は小さいのが実情で、動物たちの現状を少しでも前進させるために、今後さらに大きな挑戦を仕掛けていきます。

売上1000億円企業への挑戦

バイオフィリアはこの数ヶ月間で「10年後に売上1000億円を超える」を目標に長期計画の見直しを行いました。

「ペット関連市場は小さい」と思う方も多いですが、実はペットフード市場は6700億円と、この5年間で約30%の成長を続けています。

そして国内で最大手のペットフードメーカー、Ciaoちゅ〜るでお馴染みのいなばペットフードさんは、2023年時点で年商1,320億円・年間成長率30%と、力強いペースで成長し続けています。

創業当初は売上100万円を超えることすらも高い壁に見えて、ココグルメ・ミャオグルメが数十億円規模の事業になる世界は想像がついていませんでした。

そして、ココグルメ・ミャオグルメが1000億円規模になった世界は、想像がつきませんし、その道のりがどんなものかはわかりません。

ですが、きっと実現できる未来だと確信しています。

更なるチャレンジに向けてメンバーを探しています

現状から数十倍の規模に成長するためには、それを担うメンバーが圧倒的に足りていません。

  • 事業を一緒にドライブしてくれるマーケティング・セールスのメンバー

  • 新しい事業機会を模索してくれるBizDevメンバー

  • お客様との接点になるカスタマーサポート

  • 事業成長の土台となるシステムを作るWEBエンジニア

などなど、今はまだオープンにできないポジションも含めると無限に機会があります。

ぜひお客様と向き合い、右脳と左脳のバランスをもって、不格好でも手数を大切に一緒に行動したいという方は、ぜひお気軽にご連絡ください!

また今後の会社の成長のためにも、自分たちが何をやっているのか?どうやって来たのか?何をやりたいのか?をより具体的に発信していきたいと思っています。

・お客様と一緒にブランドを育てるコミュニティ作り
・事業会社視点でのマーケティング
・D2Cとエンジニアリング
などの発信を頑張っていこうと思ってますので、ぜひメディアの皆様ご一緒させてください🙇

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