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ネガカラーをデジタル化するなら早めにするべきだ

 フィルムのデジタル化を長くやっているが終わる気配は見えない。2002年頃に始めた時は自分の作品撮りを優先にとカラーはポジが主でネガの方は後回しに。
最初に使ったスキャナーはニコンのCOOLSCAN V ED。色の補正をあまりしなくても原板と同じ色が出ていたので作業がしやすかったがニコンがスキャナー市場から撤退し修理期間が終わった後に故障。今はエプソンのGT-X970を使っている。
COOLSCANは35ミリしかスキャンを出来なかったがこちらは中判や4X5のフィルムもスキャンを出来るので便利だがネガカラーの色は不自然な色合いになりやすい。スキャンする前に色や明るさの補正をするがポジに比べると思った色にならないことに加えて30年ぐらい前のフィルムの一部には空の部分が黄色に変色しているものが出てきた。ネガカラーは三色の色で構成されているがそのうちの青のベースが退色してしまったのが主な原因のようでこの新たな問題にどう対処するかということも含めてネガのデジタル化は後回しになっていった。

空を中心に黄色に変色。


 去年あたりからようやくネガカラーをスキャンする回数を増やしていった。変色していくフィルムの本数が増えてきたので少しでも色がきちんと出るコマを保存しようということで優先していった。
GT-X970には退色機能というのがありそれを使うと補正されるが大半はさらに変な色になったり明るくなり過ぎて中間からハイライトのトーンが飛び気味になる。
退色機能で補正した後にレベル補正で色を補正するか退色機能で補正せずにレベル補正を使う方法で作業をするがスキャナーはデジタルカメラと同じでハイライト部分の扱いに注意しないといけない。飛び気味にすると後で補正できないので
レベル補正のハイライト部分を少し多めにしてトーンを残すなどスキャン前の作業は時間がかかる。

退色機能で補正したが全体に明るいうえに色合いも不自然。

 スキャナーはネガカラー本体のオレンジのベースをきちんと読めないということもきちんとした色がでないという原因になっているようだがこのオレンジもフィルムによって濃さが違う。オレンジの色が濃いコニカのフィルムは富士やコダックに比べて補正するのに手間がかかる。大半は退色機能が使えず画面全体が黄色になったものを原版としてフォトショップで補正していくがコマごとに補正していくパターンが違うが晴天の順光で撮った写真に関しては今のところ解決方法はない状況だ。色々と試しているが黄色の変色が頑固に残っている画像もあるが最悪はモノクロにすれば良いとか開き直る考えも。
黄色の原版をフォトショップで白黒にして各色を補正すれば
簡単にきちんとしたモノクロの画像になるのだ。

フォトショップで補正したがまだ青み強いうえに赤のトーンがおかしい。
木の後ろなどにマゼンタ被りもあるなど選択ツールを使って細かく補正していかないときちんとした絵にはならないだろう。             
コニカの業務用フィルムで撮影。白を基調とした画像は補正するのに大変だ。
まだ空の部分や線路の砂利の部分は補正する必要がある。         
フィルムはデジタルカメラと逆でオーバー目に露出を取る傾向に
  あるのでスキャン時にハイライト部分が飛ばないように補正する   
ので色の変色の度合いを高くなるので後の処理に手間がかかる。 

 ネットを見るとここ数年スキャナーを使わずにデジタルカメラを使ってデジタル化する人が増えているようでこの方法もあるなと自分なりに研究しているが一番の問題は画面に付く細かい埃。GT-X970にはデジタルICEというゴミやホコリを取り除く機能がある。シャープネスが少し甘くなるがほとんど消してくれるので後処理がしやすい。この機能はモノクロやコダクロームには使えず後でゴミを消さないといけない。以前ブローニーフィルム(6X7)のモノクロ画像に付いた埃を消すのに1枚につき30分~1時間ほどかかった。100%に拡大して隅々を見るとシャドー部を中心に細かいゴミがいくつもありこんなに付くのかと感心するほどだ。
複写とスキャンは方法が違うがホコリ対策は避けられないだろう。
他にも複写時は絞りをf8ぐらいに絞らないといけないだけにカメラのセンサーに付いたゴミの影響もあるかもしれない。
1枚についての撮影は早いが加工の作業が手間がかかるが
それも慣れるしかないだろう。

 フィルムの劣化は避けられないだけに撮影した画像を長く保存したい人は撮影してからあまり間隔を開けずにデジタル化するのが最善のみちだろう。やり方はどうであれ時間がかかる作業だけに根気よくやるしかない。                              



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