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多様性の野球~身体障がいと”再生医療”

身体障がいを持った子供は野球ができないのか?

そんな世界を妄想するために、”テクノロジーと身体障がい者”についてこれまでボソッとしてきましたが、身体障がいをサポートするのはテクノロジーだけではありません。

医療分野でも研究が進んでいます、それが・・・

”再生医療”

失われた器官を完全に復活させる試みである”再生医療”について、今回は第5弾としてNHK番組『ヒューマニエンス』「"再生"新たなるパンドラの箱か」から学んだことを中心にボソッとしていきたいと思います。


夢の医療


”再生医療”、まさに夢のある医療となるのではと期待されています。

身体の機能が再生する生き物ととして代表的な存在であるイモリの持つ驚異の再生力に注目が集まる理由として、イモリの持つ幹細胞はあらゆる臓器に進化可能という万能細胞であることが分かったことにより、これをヒトの医療に活かせるのではと、研究が続けられています。

ヒトへの再生医療が実現できれば・・・

事故や病気などによって手足の再生が可能となったり、ガン細胞を切除したり損傷して除去した部位を再生することができる。

そんなことが可能となるならば、まさにヒトにとって夢の医療であり、人類の永遠の課題であった長寿への可能性を探るきっかけとなるかもしれません。


人間は基本的には再生しない


ただし、前提条件として、人間は『再生しない生き物』です。

もしくは『再生能力は低い生き物』です。

ちなみに、「傷が治る」というのは再生ではありません。


人間が再生能力を持てない理由として番組では下記の通りまとめておりました。

人間が再生できなくなっている理由
①再生の住所がわからない
②再生のシグナルが出せない
③再生しやすい水の環境にいない
④残っている細胞の能力

NHK番組『ヒューマニエンス』「"再生"新たなるパンドラの箱か」

①~④に関して、人間は全部失っているわけではなく、もしかしたら結構残っている可能性があるため、研究者はそれを呼び起こして、人間に再生能力を取り戻そうとしています。


どんなことができるのか?


次に、再生医療によってどんなことが可能となるのでしょうか。

完全再生の能力は、失った手足の再生、損傷した部位の再生だけではないことをイモリの再生能力から学ぶことができます。


イモリは心臓再生もできる。

人間の心臓は生まれたときのままの細胞を一生使う臓器なので、いまのところ再生は不可能です。


イモリは非常にガンになりにくい生き物である。

発がん性物質がイモリの体内で発生したら、あえて再生能力を発動してガンを何かしらの身体機能に作り替えることで、がん細胞が広がることを防ぐ機能をイモリは持っています。


究極の再生生物プラナリアは、例えば体を6分しても、6体として再生する。

人間で考えると、自分のコピーを作ることができる。

iPS細胞にって人工多能性幹細胞が実現可能となれば、私たちもプラナリア化できる時代が来るのではないか?


プラズマ再生医療

稲妻が起こったときに発生するプラズマをマウスの脳に照射したところ、細胞の増殖が発生した研究結果があります。

プラズマの作用で細胞が初期化して幹細胞化したのではという仮説のもと、ヒトへの再生医療に活かせないかと、現在研究が進んでおります。


医療再生の”課題と懸念”


身体障がい者のために開発された”人工神経接続”や”サイボーグ”といったテクノロジーにおいても『課題と懸念』があることを前回ボソッとさせていただきましたが、”再生医療”においても『課題と懸念』はもちろんあります。


<人間の脳に雷を当てる医療>

先ほどご紹介した”プラズマ再生医療”、これをきっかけに人間が再生能力を手に入れられたらすごいことだと思いますが、「脳みそに雷を当てて治療する」という行為は、中・長期的に見て果たして人間の脳にどのような影響を与えてしまうのか?


<コピー人間がいる世の中>

究極の再生生物プラナリアのようなことができたら・・・
自分が4人にコピーできたら・・・
それは、自分なのか?
それとも、他人なのか?


<長寿を手に入れた人類>

身体の機能は再生を繰り返して、常に健康な体を手に入れた人類、しかし体は元気でも、長い間生きていると、もしかしたら脳が退化してしまうかもしれません。
また、脳を再生できることになったとしても、もしかしたら記憶が飛んでしまうことにもなるかもしれません。
それはあなたにとって「幸せなことなのか?」


<再生医療ができる人間・できない人間が共存する社会>

現在の医療は基本的にはお金がかかります。
再生医療が実現できても、莫大なお金がかかるかもしれません。
そうなると、再生医療で病気もケガも、そして寿命も延びる人と、そうでない人が共存する社会はどんな社会になっているのか?


このように、テクノロジーや医療によって身体障がいだけでなく、人間の寿命にも影響を及ぼす研究が進んでいますが、当然のごとく、課題と疑問があることが分かったと思います。


それらを踏まえたうえで、次回は「野球の多様性~身体障がい者と野球ができる社会」についてボソッとしていきたいと思います。

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