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【地球市民のまとめ】地球市民になるための10回分のボソッとの”まとめ”


地球市民になるためには、私たちは何ができるのか?


そのような問いを私に抱かせてくれたのが、日本の前国連大使の石兼公博さんが国際ニュースで安保理が直面する課題について語ってくれた内容に共感したからです。

石兼公博さん(前国連大使)
「国連は所与のものとしてそこにあるのではなくて、我々が形作っているものなので、”国連が機能しない”と我々が国連を非難するとき、その非難の矛先は自分自身に向いているんだという気持ちで、国連に関与していくことが重要だ」

NHK番組『国際報道2023』「前国連大使に聞く 国連安保理が直面する課題とは」(23/12/21放送分より)

私たちの価値観が国家という枠組みから脱して、地球市民であるというメセンをもったとき、私たちはどのような社会を築けるのだろうか。

SF的な妄想も加えると・・・国家が全てなくなり、地球全体がひとつの共同体となったとき、生き物がひとつの仲間になったとき、地球で一番進化が遅かった人類がやっと到達した地球市民というメセンを持ったとき、初めて地球という惑星が宇宙共同体のメンバーの仲間入りを果たすこととなり、地球外生命体が私たちの目の前に現れる・・・そんな妄想ばかりしてしまった自分がいたため、2024年の元旦からこれまで10日間にわたって、地球市民になるための方法をボソッとしてきました。

そこで、改めて地球市民のメセンを持つための方法を、今までの10回ボソッとのまとめをさせていただければと思います。




帰属意識を地球にするための方法


人種、国籍、思想、歴史、文化、宗教といった枠組みを乗り越えた地球に私たちの帰属意識を移すための方法とは・・・

地球市民になるためには宇宙に行くしかない

宇宙飛行士の野口聡一さんの宇宙体験のお話を聞くと「宇宙体験とは地球を見つめ直すきっかけとなる」ことが良く分かります。

さらに、地球上にいる限り私たちは重力を意識しませんが、宇宙での無重力状態では人類が築いてきた価値観をも見直すきっかけとなることも良く分かります。

宇宙体験によってヒトは『宇宙社会学』を学び、今までの常識が覆られる体験が、ヒトが次の段階に行くために必要な体験であるならば・・・私たちは宇宙に行くべきなのだと。


植物からの無償の愛に気づく


植物は人類よりも進化しており、高度な文明を築いていた。

私はそう信じています。
高度な文明を築いた植物世界では既に『カルダシェフ・スケール』で言えば【タイプ1文明】となっております。なぜならば、植物は地球の利用可能なエネルギーを全て使用できるからです。地球上にある物質を使って植物は他の動植物たちと密接なコミュニケーションをとっているのです。

つまり、人間以外の社会では『弱気を助け、支えあうネットワーク社会を築いている』のです。

その恩恵を受けているのは当然、人間もです。植物からの無償の愛で人間は支えらえているのですが、植物と物質を使ったコミュニケーションを取ることができない私たちはなかなかその愛を感じることができない状態です。

そんな妄想を膨らませると・・・人類が地球市民となるためには植物から学べばいいんだと。

植物による物質を使ったコミュニケーションを人間は理解できるのか?私たちは技術革新によって植物と”会話”することは可能となるのか?可能というよりも、是非とも実現すべきかなと、少しでも早く植物からのメッセージを受け取る方法を模索する必要性はあるのではないでしょうか。


私たちにとって最も身近な”生命のミクロコスモス”


宇宙体験が私たちの価値観を変えてくれることを宇宙飛行士の野口さんが教えてくれましたが、残念ながらいまの人類にとっては宇宙は身近な存在ではありません。

でも、私たちにとって最も身近なところに宇宙があることを私たちは知ることになりました、そう”土の中”にある生命の小宇宙のことです。

土の世界を知ることで私たちは価値観を変えることができると信じています、土の中を知ることは、”宇宙体験”となりえるのです。

土の中にいる土壌微生物から私たち人類が最も学ぶべきものがあります、それは”戦争を無くす方法”です。


微生物の世界では譲り合いができる種しか生き残ることができないからです。

微生物だけではありません、植物の世界、虫の世界、動物の世界でも、譲り合いという共進化によって進化してきました、まさにこれは地球のルールなのでしょう。でも、共進化を私たちは理解できないということは、地球上でもっとも進化が遅れているのが人類だと思っても間違いではない気がしています。


さらに譲り合いができる者たちが集まる土の中は、誰にとっても5つ星のホテル状態だそうです。地球上も5つ星にすることができたら・・・私たちも日々、5つ星のホテルで生活ができたら幸福度は増すことでしょう。


いますぐできること、言葉に頼らないコミュニケーションを創造する


しかし、私たちは・・・

すぐに”宇宙体験”をすることは残念ながらできません。

植物の”物質を使ったコミュニケーション”をまだ私たちは理解することはできません。

戦争を止めるために”譲り合いができる社会”を微生物から学ぶためにはまだ時間がかかります。


では、いますぐに私たち人類が”地球市民”というメセンを持つためにはどうしたらよいのか?

いますぐにでもできることがあります。それは・・・


言葉に頼り切ったコミュニケーションを見直すことから始めればいいのです。


人類学者の山極壽一さんのお話を交えながら、なぜ言葉に頼り切ったコミュニケーションが私たち人類にとって進化の妨げになっているかをご説明します。


人類学者・山極壽一さんがアフリカでゴリラ社会に飛び込んで一緒に生活することでゴリラが「平和的に暮らすこと」に長けていることを明らかにした理由・・・

それは一緒に体を動かすことによってお互い「身体の共鳴」を起こしているからできるということ。そのことを繰り返すことでお互いが共感しあえる関係になるゴリラの社会のことを考えると、言葉に頼り切ったヒトの社会で、ヒトとヒトとの間にはゴリラの社会のような”本当の共鳴”を起こすことはできるのでしょうか?


ユヴァル・ノア・ハラリ氏の書いた『サピエンス全史』でも書かれていた通り、言語によって全く存在しないものについての情報を伝達する能力を身に着けた人類は、同時に、虚構、すなわち架空の事物について語る能力を身に着けたことによって、大勢で協力することを可能にした。その結果、国家、法律、貨幣、宗教といった〈想像上の秩序〉を成立させたと、ハラリ氏は書いています

そのハラリ氏のおっしゃっていた人類が得た”虚構を信じる能力”ついても、山極さんはゴリラ社会と比較してこうおっしゃっています。


人類学者・山極壽一
「ゴリラの世界では、ある個体が見たものというのは、他の個体も一緒に見てそれを確認し合うしかないわけです。現実にあるものしか彼らは共有できない。

だけど人間は言葉によって、現実にはないものを作り出して、それを共有するようになってしまった。そこに誤解も大げさな解釈も生まれるし、そこにはないものを想像することさえできるようになった。

自然とつきあうのは、人間は常に言葉を介してつきあうので、ひょっとしたら自然とまともにつきあっていないかもしれない。それがゴリラとは違うところだと思います。

例えば、言葉で通じ合わせることをやめて、友達と一緒に夕焼けを見るということをしてみるとよく分かりますよ、そのことが。感動していても、それを表現する言葉が見つからないときってあるじゃないですか。それがゴリラと僕が経験したことなんですよね。

言葉を持っていないから言葉でわざわざ言い表さなくてもいい。だけど、相手が感じていることが自分にも分かるという経験をするんですよね。そうすると相手にすごく近づけるんです。

言葉があると、言葉を介在させてお互いつきあってしまうから、全て自分の行動や相手の気持ちを言い訳にしてしまうんですよね。言葉ってそういうものだと思うんです。気持ちというのは、言葉では表現できないというふうに思った方がいいと思います」

NHK番組『NHKアカデミア』「山極壽一」

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