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日本語教師日記166.暑いということを誰か教えてあげて

夏に日本に来てしまい、大変な思いをした人に何人か会っています。

ある人は、8月の日本の暑さで体調を崩し、我が家に1週間ほど滞在したことがあります。その後、広島に向かったのですが、予約してあったホテルに予約ができていなくて、日本語もできず、困ってしまったそうです。観光をしようとしてもその年の広島は大変暑くて、また具合が悪くなり、我が家へ戻って来ました。体調が回復したのはしばらく休んだからで、日本で東京以外に見たものは、私が連れて行った名古屋の都会である栄、常滑で焼き物(たくさん買って喜んでいました)、焼き鳥屋と居酒屋でした。
とても楽しかったそうですが、これほど日本の夏が暑いとは知らなかったとも言っていました。

もう一人、夏の盛りに来日した人ですが、東京に来た途端に蕎麦アレルギーで2週間入院しました。蕎麦を食べたことがないので、自分が蕎麦アレルギーであることを知らなかったのです。本当に重症でした。一緒に来たお友達は、自分の観光の予定をこなして先に国に帰り、退院した彼女は体力が戻らないので、我が家に来て休養しました。その時は私は名古屋に住んでいたので、曇りの涼しい日を見計らって、ダッシュで大阪に行き、日陰を拾って歩き、新世界の「だるま」で串カツを食べ、アベノハルカスの中で涼み、早々に帰って来ました。
そのときは、今のように、連日35℃超えという夏ではなくて、体が慣れずに本当に暑かったです。
名古屋も暑かったけれど、大阪も負けていなかったです。
ねっとりとねばりつくような暑さでした。

海外から日本に来るについて、長い休みが取れるのはやはり夏休みですし、子供さんがいれば尚更でしょう。

これまでの長い間、コロナ禍での海外渡航規制があり、この6月ぐらいからでしたっけ、日本入国のハードルが急に下がったことから、たくさんの外国人観光客の方がいらしています。ちょっと賑やかな駅に行くと、大きなキャスター付きケースを引っ張って歩いている人たちがとても多いですよね。
でも、この暑さであちこち回るのはとても大変。
日本の外食は安くて美味しくて有名ですが、ランチタイムは多くの店に行列ができています。
人気の渋谷ニンテンドーストアなどは、混んでていて入れないこともあるそうです。
京都は交通が不便なので有名だそうですが、インバウンドの皆さんが急に増えて、バスに乗り切れなくて、長蛇の列で待っていることが最近は多いと新聞で読みました。

大きな荷物は、新幹線なら特大荷物の席を予約しなければならない。
コンビニやホテルから、宅配便で大きな荷物が次の宿泊地へ送れる。
ハリーポッタースタジオツアー、三鷹のジブリミュージアム、名古屋のジブリパークその他、日時指定のあるチケットは事前予約が必要。

そんなこともよく、日本に来る人に伝えています。
日本に行くには何月がいいでしょうと訊かれれば、7月から9月は避けた方がいいでしょうねと話します。

「先生、フジロックフェスに行って来ました」
「あ〜、それは良かったですね。どうでしたか?」
「面白かったけど暑くて死にそうになりました」
「そうでしたか。大変でしたね!」
この人は、会場の近くに川があったので、ときどき入って体を冷やしていたそうです。

「京都はどうでしたか?」
「暑くて死ぬかと思いました。楽しかったけど」

「広島はどうでしたか?
「暑かったです。先生、広島は日本で一番暑い都市ですか?」
「いえ、一番暑いのは確か、多治見市だと思います」

自国のツアーエージェントなどでは、日本の夏が観光に適さないと言うことは、言わないと思います。

酷暑の中で歩いているインバウンドの皆さんを見ると、昨今の日本の夏の暑さのことを、誰か教えてあげて、と思います。
この暑さ、年々酷くなるばかりなのでしょうか。
憂鬱で、心配ですね。

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