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Foodies! 120.飲み干したいほどの出汁

私は新聞広告に挟まってくる広告が好きで、じっくり眺めることがよくあります。

中でもつい気になって、取っておく(取っておく!)のがこの、出汁(だし)の広告で、今日なんか家のあちこちから、5枚ぐらいも出てきました。
どのぐらい長期間にわたって気になっているのでしょうか。

こちらです。


この宣伝を隅々まで読むと、大きくまず目に入るように、火加減はいらないそうです。でもおでんも肉じゃがも、火加減を全く気にせず強火で煮てしまうと、それはそれで違う問題が起きてきそうで、ここが気になりますね。
なりませんか?
そうですか。

以下は、これを考えた会社と、宣伝文句を考えたライターさんにケチをつけているわけでないので、たまたま関係者の方がこれを見ても、怒らないでいただきたいと思います。

さて広告に目を戻しますと、次に、醤油と砂糖は控えめにせよと、まず書いてあります。

「薄味のおかずは味気ない」とは、もう言わせません。おだしのしみた肉じゃがは、うまみたっぷりで満足感十分。しかもヘルシーです。

とあります。
「薄味のおかずは味気ないと、思っている人が一般的だ」
という考えのもとに書いていらっしゃる気もします。
寒い地方の出身のライターさんでしょうか。あるいは、ご飯に合うおかずの多い、東海地方の方か。
でも、我が家を含めて、そうでもない人も最近は多いと思います。
我が家は全てが薄味すぎて、お客さんに何か出す時は、追塩、追いかけ汁その他、食卓上に「味を普通の濃さに近づける」ものは必ず出します。
それもどうかと思います。


「煮物はどれも同じ味と思っていましたが、調味料を少なくしたら食材のおいしさを感じました」

とも言っています。
これはあるかな。
煮物は砂糖・味醂・料理酒・お醤油の 甘➕辛 味が、結構多いですよね。どれも同じ味になりそうになって、柚子を入れたり、酢、ごま油などを足したりはします。

このへん、屋台の味がソースに偏っているのと似ています。
お祭りの食べ物が好きだという生徒に、
「ソース味多いよね」と言うと、首を傾げています。
「焼きそば、たません、たこやき、お好み焼き、とんぺい焼き・・
ソース味多いよね?」
と言うと、なるほど! と頷きます。


「下味つきだから失敗なし。
化学調味料を使っていないのになぜ、こんなにうまみが?」

という一文もあります。
そうか。この製品は下味がついていたのだ。
5枚も集めたチラシを改めて読み、気づきました。


そうか、自分が若い頃煮物が下手で、あれ?と思って醤油を足し、あれ?と思って砂糖を足し、しているうちにわけがわからなくなることがありました。
そういう私を含めた多くの人の煮物道への、これは福音なんですね。

そういえば、お酢なども、なにかいろいろ入っていて、これぐらいをご飯に混ぜれば寿司飯、このまま野菜を漬ければピクルス・・など、万能選手の製品もありますね。

めんつゆをそういうふうに使うめんゆつ道もあるし、お醤油自体にいろいろ入っていて、入れる量によっておでんにも煮物にも炒め物にも、というのもあります。

ところが私は私は普段、ケーキとパン以外は全く分量を計らないで料理するのです。

そうか。
この製品は下味がついていたのだ。
5枚も集めたチラシを改めて読み、気づきました。

私は完成系の調味料を買うのが惜しく(=けち)、「寿司酢」というのを買うのさえも、勿体ないように感じてしまいます。
(そして、毎回味が決まらなくて後悔する)

あと、これさえあれば系の調味料を買い揃えていくと、狭い台所や冷蔵庫がごちゃつく心配もあります。
そういうわけで、これさえあれば系と名付けた調味料群には、気づくと疎遠になっていたのでした。

買わず嫌いをせずに使ってみたみなさんの絶賛のレビューの数々も、お届けしたいと思います。ある意味、宣伝になるのかもしれませんが、ふざけた書き方をして会社に怒られると怖いので、ちょこっと写真でお見せします。

じっくり読んで気づいたのですが、これは粉末なのですね。私は粉末の出汁はよく使いますが、この製品は、複数の粉末だしを料理人の方が絶妙に調合した上に、粉末醤油を合わせたので、煮出したりせずにそのまま使える。
だから炒め物や和え物にも、しゃびしゃびにさせず(これ名古屋弁ですって)そのまま使える。
そうか、これは万能味振りかけだったのだ!
すごい。
買わないけど。


「おだしまで飲みたくなる」
「おだしがおいしすぎて、汁ごとごはんにかけたくなります」

ともあります。

私も、炭水化物を控えるようになる前は、そういえばおでんと言えば茶めしで締め、それだけでは飽き足らず、茶めしの2杯目にはおでんのつゆをかける、など普通にやっていたのを思い出しました。

「飲みたくなるほどだ」「かけたくなるほどである」という人は、
「ほどである」ぐらいですから、ぎりぎりでそうすることを、
踏みとどまっておられるのでしょうか。
もしや普段から、そういうのは下卑た食べ方として、控えている?
なかなか立派です。
私は自分が、汁かけごはん・・お茶漬けや、出汁かけ飯などは、若い頃はざっくざっくと大量に摂取していたのを思い出しました。


たった一枚で、(五枚あるけど)、ここまで人をして考えさせる力のあるこの出汁、このチラシ・・・。

なかなか油断ができない猛者だと思いました。

出汁については続きます。
明日はここにも載せた写真の、おでんについてです。



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