葛藤 2013初夏

またまたぼくの母親のはなし・・・。
ボケが進んで足腰も弱くなりヨタヨタ、ヘロヘロになったので認定を受けて
「要支援1」が決まったのが今年の1月。

それから半年であれよあれよという間にボケが進んだ。
入れ歯がようやくできあがり、やっとのことで物忘れ外来の受診にたどりついたら やっぱりアルツハイマーの診断がでた。

レミニールという薬を飲ませて様子をみているけど、さっぱり効いてない感じ。
ますます進んで、最近はまともな時間がとうとうなくなりました。

妄想、幻覚、幻聴の世界に住んでるので、しょっちゅう知らない人が家に訪ねてきたり、 なんか文句を言いに来たりしてるみたいです。

自分の部屋もわからないことが多くなり、トイレや洗面所の場所もその都度案内し なければわからないことが増えました。

なぜか引っ越ししなければならない感覚にとらわれているので片付け事をしようとし ます。
足腰弱いくせに動くものですからしょっちゅう転んで顔打って「お岩さん」に変身 しています。

ほんと骨折しないのが不思議。

ウンチはつかむ、オネショはする、トイレに洗濯物を突っ込む・・・

こっちは神経の休まるヒマがない感じ。

介護認定を取り直し「要介護4」になりました。
これでようやく施設に入所できる資格ができたわけですわ。

ぼくも最近調べてようやく知ったのですが、まあ一度入ったら死ぬまでめんどう みてくれる特別養護老人ホーム(特養)は何百人と順番待ちがあるので申し込んでも すぐには入れないわけですが、一応在宅復帰を目的とした施設として老人保健施設 (老健)というものがあり、預かってもらえる日数は短いもののとりあえず入所 してしまえば、ぼくらは何日間かの自由を得られるわけですね。

ま、実際はそっちの施設でも期限が来たらまた次の老健・・・という風につないでいく 感じになるようなんですけどね。

ま、そういうわけで只今、申込みに向けて準備中なのですがこの作業もまた心が痛む のですよ。

完全に「あっち側の人」になってしまってるときはね、自分の親ながら「無気味」に 感じるし恐怖も感じますからね、早く施設に入れんとあかんわい、と思うのですが、 波があるのでマシな時もあるわけですよ。

元々叫んだり、怒ったりするタイプじゃないから助かってるんですが、穏やかに ボケてるときには「かわいい」と思わせることもあるわけですわ。

「おおきに」「ありがとな」「世話かけるなぁ」言うてくれるしね。

そこでぼくの葛藤が始まるわけですわ。

一応ぼくのこともヨメハンのこともまだわかるようですし、こんなにぼくらのことを 頼りにして、信頼してくれてるこの人を、ぼくは捨てようとしている・・・ってね。

無理してみてやって、みてやれん訳ではないとも思えてくるし。

でもどうせ24時間みてやれる訳でもないから大怪我のリスクは常につきまとう。
なかなか風呂にもいれてやれないし、排便の介助は大変や。

ぼくらの生活が壊れてしまったら元も子もないのも重々承知してる。

でもこういうの全部、自分が楽になりたいための言い訳というか理屈というか・・・

心のなかの正直な自分が言うんですよね、
「親を捨てるんか?」ってね。
姥捨て山に捨てるんか?って。

どうだまして施設に放り込むのか?、どのツラ下げて面会に行くのか?
知らない人のなかに入るのが超苦手で
とにかく家でノンビリ寝てることが大好きなオカンのことを考えると
「虐待?」という言葉が頭に浮かぶわけですわ。

でも、もう治る見込みはないわけですし、何が起こるかわからんビックリ箱みたいな 生活はしんどいのは事実。

言葉がすぐにキツくなるぼくに比べて笑顔や冗談を絶やさず介護を続けてくれてる ヨメハンにこれ以上無理させたくない気持ちも本当。

悩んでます。

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