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本庄銀座ブルワリー 米麹と硬水とプレストンエールと。

クラフトビールフェスあるいは地ビール祭り

皆さんは行ったことあります?

お気に入りの醸造所、お気に入りの銘柄を飲むのも良いけど、
飲んだことない醸造所や不思議なビールに出会うちゃんすでもあります。

フラッと買ってみた醸造所で、全く予想していなかった神の1杯に出会えた時の感動たるや、もう気が狂うほど気持ちええんじゃ。
脳汁ドバドバですよ、ドバドバ。1リットルくらい出ます。たぶん。

そして、スタッフさんに全力で約束し、後日の訪問を誓う。
「タップルーム!飲みに行きます!!!!!」
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俺「その誓いを守るため!本日は飲みにまいりました!!!!たぶん、ケヤキで飲んだと思うんですが、実は何を飲んだか覚えてないけど、美味しい印象だけが強く残ってます!!」
店主さん「うーん、ケヤキは出てないですね……つくばかな?」
俺「あー、つくばかも!!!」

俺さん、うろ覚えすぎる。
今回は埼玉県の本庄銀座ブルワリーさんです。



■駅から町とお店とロゴと

埼玉県本庄市本庄駅へは昼過ぎに到着。
タップルームは土日は昼過ぎから営業。
昼から飲みたい派なので、とても助かる。

1月の昼過ぎの日差しはかすかなオレンジ色。

趣のある長屋に本庄銀座さんのタップルームを発見伝。

人が集まるブルワリーなロゴデザイン。
会場でロゴを見た時「サルから進化していく人間」だと記憶してたのだが、だいぶ違うな?

俺さんは記憶だけじゃなく、観察力もガバガバである。


■本日のタップリスト

■BABY (ブラウンIPA)

フラグシップビールとのことで注文。
ブラウンIPAは好みだし、注文せざるをえない。

IBU:28

副原料に麹と書かれていたのを見た……というわけでもないですが、幽かに麹っぽさがあるような。ドライでホップ感は強め。
スタッフさん「少しIPA寄りのバランスにしてます」
というのがよくわかる。
気持ちの良い焙煎感でスルスル入るのはアメリカンよりイングリッシュビターのようなニュアンスかも。この1杯目で大正解。
胃と喉が開く感じありますあります。

■凛として (ブロンドエール)

IBU:19

俺「すみません、素人質問で恐縮ですが”チェコサーバー”って何ですか?」
店主さん「スイングカランの一種で、横に回して開けるタイプです。ピルスナー系ラガーや、ラガーっぽく飲んで欲しいエールはこのサーバーで提供してます」

なるほど。

レモンでスッキリした風味、少しミネラリーだ。
シチュエーションを選ばない風味。
やはりこれもスルスル入るタイプなので、1杯目と少し被ってしまったが美味しいのでヨシ!ヨシ!


真ん中がチェコサーバー


■DOLCE (スタウト)

チョコ系の風味とヘーゼルナッツのような風味が印象的に利いてる。強いってわけでもなくてアクセントとして楽しい。キレてる飲み心地ではなく、まろみがあって少しクリーミーでスムーズ。温度が上がるとその傾向がさらに強くなるかな。やはりこれも少しミネラル。


■Back in the day (アメリカンIPA)

古典的なアメリカンIPAらしくオレンジビター、コアントローのような風味。少しダンクな所が現代風かなみたいなバランス。
トロピカルな今風のIPAも好きだけど、苦くて柑橘で松脂っぽいのも好きなんだよなー。飲みごたえありつつスルスル入る感は健在。
ええIPAじゃ。

いつもなら4杯で終わるところだけど、満足過ぎて5杯目へ。

■美里ブルーベリースパークリング(サワーエール)

ビールと言われないとわからない味。
ブルーベリースパークリングワインって言われたら完全に信じる。
サワー感とブルーベリーのバランスがよくて、強すぎず弱すぎず調和取れてますわ。なんかこうイタリア料理とかスペイン料理とかに合わせるの良さそう。もしくは洋風のお菓子とか。

そんなわけでフィニッシュ!ごちそうさまでした。


■プレストンエールの遺伝子と硬水と米麹と

お客が私1名だけだったこともあり、カウンター席でお店の方(後で調べると店主の中田さん)と、まったりおしゃべりしつつ飲んでました。
冒頭のイベント出店の話と私が東北から来た流れから

中田さん「あぶくまの方のイベントには参加してますよー」
私「あー……えーっと、田村市のホップガーデンさん…?」
中田さん「そうです。ブルワーさんと元仲間でして」
私「もしかして元プレストンエールですか?
中田さん「!?そうです、ご存じですか」
私「ええ、IPAめちゃめちゃ好きでしたよ。ビール辞めるって聞いてすごいビックリしました」
中田さん「私はもっとビックリしました!」
私「そりゃそうだ!」
ワハハハ!

プレストンエール時代で仲の良い人とは今でも繋がってるそうでした。
忙しいので中々簡単に行き来はできないけど、とも。

私「プレストンーエルのIPAがイングリッシュスタイルで凄い好きだったので、辞めると聞いたときに、他でイングリッシュIPAの美味しいとこを必死に探しましたよ。ほらアメリカンのIPAって飽和するというか、こうブルワリーごとの個性が案外出にくいというか」
中田さん「あー、あります。だからIPA作るときに差別化というか個性というか、うちのブルワリーならではの味になるように頑張ってます」

私「それで聞きたかったんですけど、原料に米麹を使っているのは免許的な意味ですか?味ですか?」
中田さん「両方ですね。米麴は味には出ませんがキレがよくなります。それと本庄市内に昔から米麹や味噌・醤油、漬物を作っている老舗がありまして……」
私「なるほど、予想より深い理由だった……」

中田さん「それと、うちのビール、仕込み水が硬水なんですよ。そこで個性が出てるなぁって部分はありますね」
私「あー、そう言われてみるとミネラリー感ありますね(感覚が鈍い)。イングリッシュスタイルとは相性良い感じですか~」

などと面白い話が色々と聞けました。
2時間ぐらいだらだらしゃべって飲んでしていると、他のお客さんが来たのでキリも良いので入れ違い退店。
(この入れ違いくらいのタイミングで退店するのが好き)

またのんびり飲みに行きたいと思う良いタップルームでした。

私「ところでここに来るまでに、『中華料理みんみん』というお店がありましたが、あれは宇都宮の『みんみん』と関係が……?」
中田さん「たぶん無いです」

そっかー。

ちょっと行きにくい場所にあるけど、再訪を誓う吉宗であった。