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ベアレン・ライ麦エール

「ライ麦を使ったビールの風味」が、よくわかる。
ヴァイツェン好きな人にもおすすめのライエール。

ライ麦を使ったビールを色々と見かけるようになりましたが、年単位で安定して手に入るのは大阪堺市はハーベストの丘のライラガー、ベアードのライIPA「ブルワーの悪夢」、ベアレンのライ麦エール、ロコビアのライ麦セゾンとかとかくらい?まだまだありそうではある。

その中でも、ベアレンのライ麦エールはドイツの伝統的な「ライエールのスタイル(ロッゲンビア)」に則って作られているそうです。
具体的にはヴァイツェン酵母を使用して、ライ麦比率は30%以上。(※1)(※2)

立ち上る香りも基本的にはヴァイツェンの味わい。
バナナのような香り、クローブも少し。

それで、口に含むあたりからライ麦らしい特徴。
全体がトロッとしている。滑らかというか、ぬるっとしてると言ってもいいかも。特にこのライ麦ビールは無濾過だから際立つのだろう。

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次にライ麦ビールの特徴としてよく挙げられる、「スパイシーな風味」
これは胡椒とかそういう意味だったり意味じゃなかったりするけども、飲んだ時に何か舌先や喉とかに少しパチパチとするような風味がある。少しね。ほんの少し。実際にパチパチしてるわけではない。何かピリッとするものが時々出てくる。

そしてほんのりと甘い。パンを噛んだ系の自然な甘さ。これはわかりやすい。

というのを全体的にはモタッとまとめている。
穀物らしい味わいに少しの酸味。
ライ麦パンとは異なるヴァイツェン部分があるので、ライ麦パンを液体発酵したような味というのは当てはまらないと思うが、麦系風味の面で共通する部分はたしかにある。

モタッとした部分など、どこか垢抜けない風味があるので、そういう意味では素朴な味わいと言いたくなるが、全体としてはしっかりデザインされてそういう風に作られた味といえると思う。
毎日飲みたいわけではないが、ライ麦ビールの風味は年に何度かは飲みたい懐かしさがある。

ベアレン ライ麦ビール
スタイル:ライエール
都道府県: 岩手県
醸造所:ベアレン
原料:大麦麦芽、ライ麦麦芽、ホップ
アルコール度数:5%

※1、ドイツの伝統的なライエール(ロッゲンビア)だとライ麦比率は50%以上…とも聞いたことあった気もするが、ビールスタイルガイドラインだと30%以上になってたので、そうしておく。

※2ライ麦はビールの製造工程で粘性が高くなり濾過時に目詰まりしたりして超大変らしい。ベアードの「ブルワーの悪夢ライIPA」は、これにちなむ名前ですね。粘性はライ麦に含まれているβグルカン(多糖の一種)が原因だそうデス。ちなみにグルテンはタンパク質系なので、麦系の粘性でも別系統デスネ。