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「不足思考」ではなく「充足思考」で考える|『エフォートレス思考』

今回は、『エフォートレス思考』から実践したいポイントを紹介します。

本書は先日紹介した『エッセンシャル思考』の続編です。

  • 『エッセンシャル思考』は、「何を」やるか

  • 『エフォートレス思考』は、「どのように」やるかを極める技術

を教えてくれます。

エフォートレス思考とは?

「エフォートレス」とは「努力を要しない・気楽な」という意味です。

つまり努力と根性でなんとかするのではなく、「いちばん楽なやり方で最優先事項に取り組もう」というのが「エフォートレス思考」の考え方。

「頑張らないのに結果を出す。いや、頑張らないからこそ結果が出せる」─そんな逆転の発想を教えてくれる一冊です。

著者は、「楽をするのが後ろめたく感じるほどに、努力の価値は過大評価されている」と指摘します。

「頑張らなくてはダメだ」という信念が社会に蔓延した結果、本来ならもっと簡単にできるはずのことが、どんどん困難になっていると言うのです。

努力と根性でなんとかしようというのは、ひとつの考え方にすぎません。にもかかわらず、多くの人はそれが唯一のやり方だと思い込み、他のやり方を探そうとしないまま、限界を超えて頑張り続けています。

私たちは「成果を出すために、もっとも簡単なやり方はなんだろう?」「どうやったらこの仕事がもっと楽になるだろう?」と考えるべきなのです。

「正しいやり方さえ見つければ、人生の重荷は軽くなり、余裕で大きな成果がついてくる」という著者の言葉には勇気づけられるのではないでしょうか。

本書はそのための技術を「精神」「行動」「しくみ化」の3つに分けて紹介しています。

エフォートレス思考の3ステップ

エフォートレス思考は、以下の3ステップで身につけます。

  1. エフォートレスな精神
    頭のガラクタを片づけて、余裕のマインドを手に入れる。

  2. エフォートレスな行動
    もっとも効率のいいポイントを見つけて、余裕で最高の成果を出す。

  3. エフォートレスのしくみ化
    行動を自動化し、成果が勝手についてくるしくみをつくる。

これらを順に身につければ、苦労を感じることなく、最高の成果を出し続けることができます。

私が実践したいと思ったのは、「エフォートレスな精神」の中の「不足思考から充足思考へ」についてです。

今あるものに目を向ける

著者は「不足思考」(後悔、妬み、将来への不安)から「充足思考」(順調だ、恵まれている、将来が楽しみだ)へとシフトすることを勧めています。

なぜなら、足りないものにばかり目を向けると、今あるものが見えなくなってしまうからです。

「なんで自分には○○がないんだ」「あの人は○○があるから成功したんだ」のように考えていると、足りないことばかりが増えていきます。

不満に身をまかせているうちに、頭の中に無価値なゴミが溜まり、自由に使えるスペースがどんどん減っていきます。すると、エフォートレスの精神に立ち戻ることが難しくなってしまうのです。

一方、すでにあるものに目を向ければ、心はどんどん満ち足りていき、世界の見え方ががらりと変わります。

そのためには、日頃から不満ではなく「感謝」に注意を向けることが大切です。感謝の心は、ネガティブな感情から力を奪い、ポジティブ感情が広がりやすい環境をつくってくれるからです。

ポジティブな気分が高まると、視野が広がり、新たな可能性に目を向けやすくなります。また心が開放的になり、創造性が高まり、社会性が増します。

知的にも肉体的にもより高いパフォーマンスが出せるようになり、「正のスパイラル」が生まれ、ものごとがうまくいく確率が高まります。

このように、ポジティブな感情はよい影響をどんどん広げる性質があるのです。心理学の理論ではこれを「拡張-形成理論」といいます。

ポジティブな態度はどんどんポジティブな効果を生むので、最初の勢いさえつけてしまえば、成果を出すのはどんどん簡単になり、やがてエフォートレスになると著者は言います。

では、どうすればポジティブな感情を維持できるのでしょうか。

ネガティブ事実をポジティブ解釈する

著者の妻であるアンナさんは、いつもネガティブなことばかり言う同僚と仕事をしている時期があったそうです。

口を開けば仕事の愚痴を言い、早く辞めたいと漏らす。アンナさんのことをそれとなく批判することもしばしばあったと言います。

身近にこうした同僚がいる人は多いのではないでしょうか。

アンナさんにとって、その同僚と働くのは、精神的にも肉体的にもきつかったようですが、その同僚のために仕事をあきらめたくはない。なんとかうまく対処して、できれば同僚との関係をポジティブにできないかと考えたそうです。

じっくりと考えるうちに、同僚の嫌なところは、見方を変えればポジティブに解釈できることがわかりました。

  • 「前の仕事のほうがよかった」と同僚が言えば、

    「それは前の仕事に対してポジティブな思いを持っているんだな」と解釈する。

  • 「この仕事はつまらない」と同僚が言えば、

    「つまらなくても仕事をしてくれてありがたい」と解釈する。

  • 同僚が他人を批判するときには、

    「観察力の優れた知的な人だ」と解釈する。

こうした態度でいるうちに、同僚のいいところがどんどん見えてきたそうです。

そこで同僚の長所を褒めてみたところ、同僚の気分は以前よりもポジティブになっていき、やがてアンナさんと仲良しになりました。単なる同僚ではなく、本当の友人になったのです。

このように、ポジティブな感情を持つことは、自分だけでなく周りの人にもよい影響を与えていきます。

このエピソードを読んで、私もアンナさんのように、どんなネガティブな事実も、見方を変えてポジティブに解釈できるようになりたいと思いました。

そのためには、習慣化の力を借りるのが有効です。

「Xをしたら、Yをする」

スタンフォード大学で行動デザインラボを創設したB・J・フォッグ氏によると、新しい習慣をつくるコツは、既存の行動に新しい習慣を組み合わせることだそうです。

「Xをしたら、Yをする」という簡単な法則で、習慣づけは驚くほど容易になると言います。

この法則を利用して、「不足思考」を「充足思考」に変える習慣を身につけたいと思います。

実践方法

私は個人事業主としてほぼ一人で仕事をしているため、

・もっと時間があったら
・もっとお金があったら
・もっと人手があったら
・もっと才能があったら

のように、つい「ないもの」にばかり目がいってしまいがちでした。

今の状況を「リソースが足りていない不完全な状況」というネガティブな捉え方をしていたのです。

しかし考えてみると、そもそも成果とは「今あるもの」から生み出すものです。急に1億円が降ってきて潤沢な資金が手に入ることも、優秀な人材が無償で手伝いたいと声をかけてきてくれることもありません。

「今ある自分のリソース」を元に、行動を起こした結果として、何らかの結果や成果が得られるのです。

それはリソースを増やしたり、確保したりするための行動でも同じです。今あるリソースを手札として、新しいリソースを得るための行動を起こさなければなりません。

だからこそ「今あるものに目を向ける」ことを習慣にするのはとても重要なポイントだと思いました。

常に「今あるもの」から発想できるようになれば、それを武器に今とるべき行動を考えるようになり、「不足思考」に陥ることはなくなるからです。

そこで、以下のことを実践します。

  • 「もっと○○があれば…」と思った時は、

  •  「すでに○○は十分に持ってる」or「(○○はないけど)△△を持ってる」と口に出す。

こうして「今あるもの」に注目し、(それがあることに)「感謝」して、ポジティブ感情を維持できるようにします。

そうすれば視野が広がり、新たな可能性に目を向けやすくなるはずです。

また心が開放的になり、創造性や社会性が増して、より高いパフォーマンスが出せるようになるでしょう。

1ヶ月やってみた結果

※2月末に追記予定。

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