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盗難・トラブルシューティングから学ぶ人材育成

2018年8月4日 
今週、とあるトラブルの中で、人事関連で悪い事と良い事がありました。

試用期間中の解雇通告後の盗難


今週(先月末(7/31火曜))に試用期間中のドライバーを一名解雇しました。


持ち逃げをしたり、遅刻が多かったり、態度が極端に悪いなどの絶対的なダメなポイントはなかったのですが、他候補者と比較して彼のパフォーマンスが低く相対的な結果からの判断でした。

その事実は解雇した彼にも正直に伝えました。
試用期間中だった事もあり、解雇通告は当日の夕方、就業時間後に伝えました。

まだ信頼関係を構築する前に早めに伝えると、バイクや金銭盗んでそのまま逃亡するなどのリスクがあるためです。(アフリカあるあるでしょうか)

ただ、事前に示唆をしていたつもりだったのですが、ショックだったようです。
相対的な判断のため、今後、会社の事業次第では、再度声をかける事もあり得ると伝えました。
望むならば、別途、チームとのFarewell lunchも企画する旨伝えました。

その彼が、帰宅間際に、自分が使っていたFuel cardを盗んでいき、数時間後に中に入っていた金銭を引き出しました。
金額は彼の給与1か月分程度です。

Fuel Cardとは?


そもそも、Fuel Cardとは、ガソリンスタンドが発行する企業向けのプリペイドカードです。
我々のような宅配業界や、タクシー業界、旅行業界など、ドライバーを雇用する事業では、現金で燃料を入れる際の不正を防ぐために、Fuel cardを用います。

カード、暗証番号、車両に備え付けたタグが一致しない限り、燃料を入れる事が出来ません。
購入した燃料は、オンライン上で、場所、時間、担当スタッフ、購入量など確認できるようになっています。

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弊社の場合、バイクがメインであり、バイクにタグをつける事ができません。

正確には、何度も取り付けてみたのですが、バーコードで読み取れる場所に付けると、雨などで数日で破損してしまい読み取り不可となるため、タグをドライバーが財布の中に持ち歩く形態になっていました。
そのため、特定の車両がなくとも、カードと暗証番号、持ち歩いているタグさえあれば、燃料を得る事ができます。

盗難後のトラブルシューティング


今回、彼は、そのFuel Cardを使い、全額を引き出したようです。(正確には、複数台のバイクに燃料を入れさせたようです。)

翌日、うちのマネジャーがFuel Cardが回収されていない事に気づき、すぐに差し止めしたのですが遅く、既に引き出された後でした。

このようなトラブルがあった場合、以前は全て私が対応する必要がありました。
ガソリンスタンド運営会社へ行き、当該スタンドへいき、警察へいき。。。。丸一日がかりです。

しかし、毎度私がやっているわけにはいきません。規模が小さかったうちは、何とかなります。
また、私もウガンダでの厄介ごとの対処法の経験値を積む必要もありました。

一方、規模が大きくなり、トラブル対応をしているわけにはいきません。もっと前向きな、新事業や営業・マーケティング活動に時間を注ぐ必要があります。

事業当初より、マネジャーにトラブルシューティングを行ってもらうようトレーニングし、課題の定義、解決案の立案、実際の交渉など、実地で取り組んでもらいました。
その結果、ここ一年はマネジャーがトラブルシューティング対応をしてくれています。

今回も、彼に一任してやってもらう事になりました。

結果、半日ほどで帰って来て、ガソリンスタンド運営会社と上手く話を纏めてきたようでした。

解雇したドライバーがカードを使い、燃料を大量に購入した事実を確認。
その際に、通常の10倍以上の燃料を購入しており、スタンドのスタッフも不正と分かりながら、応対した事が分かりました。
そのため、ガソリンスタンド運営会社のGeneral manaerから、今回の件は、こちらにも責任があると、全額賠償してもらう事になったとの事です。

これまで、トラブル対応を一任しても、最後まで対処できない事も多く、最後は自分が現場にいったり、解決策を考え直すなどがあったのですが、今回は私が全く動かずとも、対処してくれました。

また、今後同じような失態が起こらないような対策案も自ら出してきました。

対策案自体はイマイチだったので、私が再度練り直して伝えましたが、自分から再発防止策を出して来たのは大きな成長だと嬉しくなりました。

ちなみに、燃料を盗んだドライバーですが、
雇用時点のレファレンスで、彼の親戚、元上司などの連絡先は抑えており、そこから彼に連絡を試みました。(これもマネジャーが自主的にやってくれました)
今回の件で、お金を返金しなければ警察に報告する事など伝えています。
ただ、今のところ返す気配はなさそうです。

このようなトラブル対応に時間を奪われてしまうのもアフリカでの商売の難しさですが、
スタッフが育ってくれている事は、とても嬉しく思いました。


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