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京都の町屋から台所を考える 2023/11/23


起きると良い天気で、寝坊を後悔する。朝イチにすることが後悔って……。
かろうじて洗濯やお掃除を済ませて少し仕事もする。京都へ向かうため、午後遅めの時間に家を出た。

今日は京都でイベントに参加するので、少し早めに行ってブラブラしたいと考えていたが、うわーすごい人。人多い!人だらけ!!人ざんまい!!!

鴨川沿いの散歩などしたかったのだが、フラフラできる時間は20分ほどと往復時間を考えると難しそう。ならもうしゃーない、立ち飲み屋を探しかない。良さそうな角打ちを見つけ入る。

後で聞いたら、どうやらここはラズ先生やそのご友人の糟野さんもお好きなお店だったよう。オープンしてすぐの時間なので入れたが、あっという間に人で埋まる。おでんが美味しい。

会計時にお店の方と少し会話。聞くと、この方は店主ではなく手伝いだそうで、代わりばんこに数名ヘルプさんが来ているそう。店主は86歳と高齢、奥様が亡くなられてから現在の体制なんだとか。そんな状態なので、おでんはある日とない日があって、今日はラッキーだったらしい。ヒャッホー!

御礼を伝えて店を出る時に、86歳の店主がビールケースを整理しながら話しかけてくれた。「なんやお姉ちゃん早いな」「この後用事があるんです。また来るね!」「ありがとなー」ビール1杯おでん2個、滞在15分とは思えない満足感を得て店を後にした。絶対また来たい。

道がきれいだった

てくてくと歩いて会場へ。ああ夕焼けがきれい。でも、起きるのが遅いせいでまだ暮れるのは早いんだよな、という気もちだ。

今日のイベントは台所から住まいを考えるもので、台所研究家の岡根谷実里さんがゲスト、主催は日本建築学会と京都大学。会場は京扇子 大西常商店、と、なんとまあ贅沢なたてつけの催しなのだ。

どっしりと重厚でシックだけど繊細な印象

会場は由緒ある建物で、今は某映画の撮影現場としても使われているそう。(そのせいで各所に養生がされていた)イベント開始前には建物内見学ツアーがあった。すてきな場所だったな。

2階にゾロゾロと上がると、広間に座布団が並んでおり前方のスクリーンに向かって座るようになっている。岡根谷さんが自己紹介をした後にお話がはじまる。

トークのテーマは以下4つ。

  • 台所の地位は高いのか、低いのか

  • 台所の導線は短くするのが正か

  • 台所から料理が作られるのか?逆か?

  • 何があったら台所になるのか

これを基にバリ、キルギス、インド、トンガ、モンゴル、ブルガリア、ブータン、フィンランドの台所に訪問した時の写真、エピソードをもとに色々なお話を聞かせてくださる。

このお話が猛烈に面白い。食べること、食物、料理、家屋、殺生、生活、家族、衛生、あらゆることが見える。社会、政治、歴史。

面白かったのは「何があったら台所になるのか?」で出てきたトンガの台所。
台所と紹介された部屋には学習机が置いてあり、その上に卓上コンロがひとつ、湯沸かしポットや食器などの道具が雑然と置かれている。冷蔵庫は大きいものが2つあるが、一つは棚として使われており電気が通っていない。もう1つは水のみ冷やしてある。一応コンロはあるものの、一見すると「台所」と名付けるような空間には見えない。食卓はなく、部屋の床にみんなで車座になって食べる、居間の役割も兼ねているようだ。

ガスも水道もシンクもないけどこの部屋の役割は台所だ。日本で一般的に言われる台所とはかなり様子も違う。

ではいったい何があれば「台所」になるのか?

わたしはこれを聞いて「食」があれば台所かな、と考えた。(この問いに『食』という大きな言葉でくくって答えるのは少々ずるいが)

このように4テーマの問いに対してそれぞれが考えながらあらゆる台所を見ていく。参加者は自分の意見を紙に書き提出。それに岡根谷さんが回答する形で議論できる。出てくる質問や意見の視点が多岐にわたり、参加者の意識の高さや興味の幅広さがうかがえて面白い。

1時間があっという間に過ぎ、二部は希望者のみの懇親会となった。もちろん参加希望のチケットを買っておいた。

会場にテーブルを出して仕出しのお料理が並び、自由に席に着きカンパイとなった。飲みものは持ち込み自由でアルコールOKとあったのでもちろん缶ビール。保冷ポーチから取り出しプシュとやる。酒を持参しているのは15名中2人だけだった。

なお保冷バッグまで持っているのはわたしだけだった。

ここの仕出し美味しかったな。満腹すぎて帰るの大変だったけど。

すごいボリューム
一部のお客さんが岡根谷さんに、とプレゼントで持ってきていた日本酒。その場で開けてくださりご相伴にあずかった。
みんなでウマイウマイと盛り上がった

懇親会で周りの方とお話しすると、様々なプロフィールの人が集まっていることに驚く。この懇親会は人数制限があったのだが、かなり早い段階で満席だったらしい。情報公開されてから数時間のうちに予約した精鋭のみ集まる場だったわけだ。

帰り際、岡根谷さんの著者にサインをいただいて、手酌パンダのシールをお渡しできた。嬉しい。


阪急に乗って帰路につく。飲んだ後の帰宅に電車やバスなど使う必要があるのは面倒だけど良い。体感的にだが、コンビニで余計なお菓子やお酒を買わずに済む確率が高まる気がする。

家に着いたらお風呂であたたまり、友達とオンラインのオセロや性格診断をやってわちゃわちゃ楽しむ。明日は朝から気合いを入れて仕事しよう。


今日の有益情報

岡根谷さんがイベント中の質問で、各国を巡るなか、買って帰って良かった食材はなんですか?という質問に答えていたのが
「良いニョクマム」
だった。

日本に入ってくるニョクマムは規制の関係で一番搾りではないことが多いが、本場はもちろんそうではない。しょうゆだって搾りたて生醤油が最高においしいもんな。同じよね。

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