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身近な場所で鳥見を始める

寒い時期に行う、もみじの剪定
遠くから見守っていたのか
メジロが樹液目掛けて飛び回る
まだ知らないことばかり
鳥の行動と自然の成り立ち

こんにちは!
3回に渡ってお話する野鳥観察の“場所“シリーズ。長々と書いた山編に引き続き、今回は“身近な場所編”とフィールドが移ります。
最近バードウォッチングを始められた方や、バードウォッチングに興味がある方にも参考になるように書こうと思います。
山編をご覧になっていない方は、そちらの記事もお読みいただけると嬉しいです。
では、本編に入りましょう。


災害と向き合う

いきなり重いタイトルですね。
細かいことは書きませんが、私が山から身近な場所へ活動範囲を移すきっかけとなった出来事は災害です。
ある山で大きな災害が起きました。
偶然にも1週間前に登山した山で起こり、大変な被害を目の当たりにしました。
「一週間先延ばしにしていたら、被害に遭ってたのか・・・」という心がざわつくのようなショックを受けて、気持ちが落ち着くまでは登山を休むことにしました。周囲の心配する声もありましたし。
それでも“自然に親しみたい“という気持ちは絶えず、窓の外に目を向けました。

運動不足解消を兼ねて河川敷を歩いている時に、カラスがクルミを路面に落として車に割らせたり、耕運機の後ろをスズメたちが追う光景を目撃しました。
行動観察することで身近な野鳥の個性を知ることが、魅力の再発見になります。
あの場所の杭には様々な種類の鳥が止まるとか、この家の柿は人気だとか。
お互いに見慣れている存在だからか、身近に会える鳥は人との距離感が近くて、長く観察ができるメリットがありました。
山で使い物にならなかったコンデジも、散歩となれば荷物にならないベストパートナーです。ごく稀にレアな鳥を見ることもあったので、カメラを片手に散歩するようになりました。


鳥見散歩

進学するなら自然の多い場所に住みたい。
友人たちとは逆方向の地方で暮らした。
方言が方言で返ってくる学生生活。
おかげで方言のトリリンガルとなる。

ウグイスの“ホーホケキョ”にも方言がある。
桜の蕾が膨らんできた頃、雑木林から聞こえてくる音痴な“ウグイスっぽい声“。
ウグイスではない鳥が鳴き真似をしているのように聞こえるが、実はウグイスがさえずりの練習をしている。
ぐぜり鳴き(さえずりに似た声で小さく鳴く声)に気づいたのは散歩中。
若い雄は、古い雄のさえずりを真似て覚える。
つまり、その土地で継がれてきたさえずりに方言が表れる。と、言ってもアクセントではなく音のパターンに生じる癖のような微妙な違いらしい。

鳥見散歩はどこでもできます。
河川敷、公園、田畑・・・。遊歩道が整備された湖や里山が近ければ、見られる鳥の種類も多くなります。
極端な話、室内から庭や近くの電柱を眺めていても野鳥観察は楽しむことができるので、気持ちさえ外に向けば気軽に始められます。
毎日同じ時間に同じコースを散歩しても、野鳥の行動も環境に合わせるように日々変化し、可愛らしいヒナが現れたりすると、さらに心が和むものです。

暦の「二十四節気七十二候」の「七十二候」には、鳥の行動に関する短文が多く見られます。
気象や動植物の様子を季節の兆しとして捉えたものになりますが、昔から野鳥が季節を知らせる役目として親しまれてきたことが分かります。
散歩は身体にも良いですが、鳥見を伴うことで、気づきの感度を上げる効果もあると思っています。

身近な場所でよく観察し、多くの雑学を得たことで、山や海の大きなフィールドで探す力が付いたことには間違いありません


黄鶯睍睆(ウグイスが里山で鳴き、春を告げる)
伝承されたさえずりに耳を傾けてはいかがでしょうか。
きっと雑木林の奥でぐぜり始めた頃でしょう。

ご近所迷惑になりませんように

防寒対策とはいえ帽子+サングラス+マスク+カメラは、不審者と間違われることがあるでしょう。
山ならまだしも、民家が近い場所では通報されることもあるかと思います。
私は単独行動が好きなので、場所によっては職務質問されたり、心配されて話かけられた経験があります。服装が変だったというよりは、行動が変わっていることが原因だと思いますが・・・。
いずれにせよ服装は自由ですが、行動には気をつけなければなりません。

庭先に居る野鳥を撮るために、他人の民家にカメラのレンズを向けないこと。
所有者に断りなく田畑に足を踏み入れないこと。
所有地でも無いのに他のバードウォッチャーを追い払ったりすることも、よくトラブルになっています。
珍しい鳥が見られるとなればカメラ設置場所の争奪戦で、歩行者の邪魔になることもあるそうなので気をつけたいですね。
周りを見渡す力と、配慮を忘れないことが探鳥するうえでの心得だろうと思います。


雑記

野鳥に興味が無いとウグイスが春の渡り鳥だと思ってる方は結構居ますよね。
鶯色、うぐいすパンという色合いのイメージがあってメジロは勘違いされちゃうんでしょうけど。「ウグイスはシャイだからあんまり会えないけど、一年中居るよ」と説明します。
どんなに身近でも見えないことはあるものです。
私にとっては頭に乗せたメガネ。

さて、次回は“場所”シリーズの最後!海です。
お楽しみに。

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