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ブログ再編のため過去記事再投稿(樺沢紫苑著『病気を治す感情コントロール術』 )

樺沢紫苑著『病気を治す感情コントロール術』 いま病気でなくても読んでおきたい一冊

著者主催の体験談キャンペーンに応募し「優秀賞」を受賞しました
懇親会にて、最優秀賞次点クラスだった惜しい!との言葉を頂け嬉しい!

—–ここから受賞感想文です—–

いま自分自身が病気でなくても読んでおきたい一冊(お勧め理由)

樺沢紫苑著『病気を治す感情コントロール術』が出版されました。

タイトルを見て「私は自分自身も家族も病人はいないから縁の無い本だな」と思われた方もいるでしょう。

とは言え今後、両親・家族が大病を患う事が有るかもしれません。その時に病人本人の気持ち・行動を理解しておく事でお互いが理解でき、接する家族もどのようにすれば自分自身のメンタルを最良に保つ事が出来るかが理解出来る素晴らしい本です。

私は父が闘病中に出会いたかったと感じています。

大病を患った父と息子の気持ち

本書を読みながら常に頭に浮かんでいたのが6年前に他界した父の事でした。

父が定年して数年たったある日に母より父に重度の胃がんが見つかったとの連絡を受けました。

両親も長いこと東京住まいでしたが、定年後に地方で暮らしたいと両親が夢を叶え移住した矢先の出来事でした。

距離的な問題や忙しさもあり、胃がん発見後に父と会ったのは数か月先の事です。

この時の父は手術で痩せてはいたものの驚く程に今まで通りでした。

これだけの病気なのになぜ明るい?なぜ息子に「良く来たな」と気遣いする?

緊張して会いに行った私には不可解な出来事でした。

本書『第4章受け入れるだけで病気は治る』を読んだ時これだと感じました。

私が父に会ったのは否認から受容のステージに入った姿だったと思います。

私の母は息子に余計な心配をかけたくないのか「心配ないから大丈夫」としか電話では言わないので安心し会いに行くのが遅くなりましたが、胃がん発見後からこの受容状態までは相当な苦労があったはずです。

それから数ヶ月おきに会いに行きましたが、私は父の否認の場面を見ていません。おそらく否認と受容を繰り返していたと思います。私が行く日が近づくと気持ちの張りも出て受容状態になったのだと思います。母も多くは語らないのでわかりませんが。

病気を受容して表現(アウトプット)を加速させ充実していた父

否認と受容を繰り返した父は『第5章表現すると病気は治る』の通りアウトプットを加速して行きました。

父の趣味は絵画、短歌、書道など自分の気持ちを表現する事ばかりです。

定年前から好きだと言う事は知っていましたが、定年後のそれも胃がんが見つかり受容してからの活動が凄かったです。

同人誌や新聞社主催のコンテスト、東京での絵画コンクールなどに精力的に応募して入賞し最高の笑顔で知人と話している姿を見て本当に闘病中と不思議な感覚を覚えたものです。

好きな事に没頭する時間は本書に記載のように24時間病気と戦わない貴重な時間だったのかも知れません。

父は病気を見方に付けて今を生きる事に集中し表現と人とのコミュニケーションを通して胃がんを受容していったのだと思います。

息子(家族)としての葛藤

息子である私は「仕事が忙しい・遠距離なので行く機会が取れない」など様々な理由をつけて会いにいけませんでした。

その割に自分の趣味には有休休暇を取ったり出かけたりと心の葛藤が多かったのも事実です。

本書には「介護・看病は7割の力で・寄り添うだけでいい」との記述が、長年の葛藤が晴れた気持ちです。

自分の「こんど行くよ」と電話した気持ち、自分の生活を楽しみ、仕事を息子が全うしている姿が父に寄り添っていたのかなと。無理に行こうと電話をすると「俺の事より自分の生活と楽しみ仕事を全うしろ」でしたから。

他人の事ばかり気にかけ感謝の言葉が多かった父

今思えば、父は感謝の言葉も多かったように思います。

最初に発見して頂いた、かかりつけ医や手術をしてくれた病院や先生、看護師の方や全く気を使う必要の無い息子にまで「ありがとう」。悪口も殆ど耳にした事が有りません。

亡くなる数か月前には、自分が亡くなったら投函してくれと知人に充てた葉書も母に内緒で預かりました。こっそりと読んで見ましたが今までのお付き合いへの感謝と相手の方の健康への願い、自分の気持ちを表した短歌が添えてありました。

母や私はもちろん妻にまで今までへの感謝と(自分亡きあとも幸せに楽しく生きる様に)と書かれた手紙も見つかりました

きっと私の知らない所で沢山の他者貢献もしていたのでしょう。

本書で紹介された映画『ダラス・バイヤーズクラブ』ではないですが、胃がんが見つかってからの闘病生活は8年に及びました。

無論父は本書とは出会っていませんが本書を読んだかの様に行動していました。意識していたのか無意識での行動なのか分かりませんが『感謝のステージ』に移行していなければここまで長く生きられなかったと思います。

私にとっては自分のしたい事をやり、やせ細りながら好きな人と笑顔で話す父の闘病生活の期間が今まで見てきた父の中で一番輝いていましたし、まさしく「今を生きる」お手本でした。

さいごに

私も妻も大病を患った経験は無いのですが、これから先の事はわかりません。 父が亡くなって6年経ちました。最近は父の良い面しか思い浮かばなくなりましたが「今を生きる」を全うした最高のお手本として、また『病気を治す感情コントロール術』をバイブルとして、自分もしくは家族が、大病を患っても克服し楽しい人生を送っていけると感じています。

—-ここまで感想文—–

※2021年9月『感情コントロール術』感想キャンペーンに応募しました

※2021年10月追記

◆2021年10月に結果発表があり「優秀賞」にえらばれました😆

◆2021年11月に「優秀賞」の景品が届きました😉


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