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#03 “自己開示”が自分語りになっていった


「安全基地」に出会い「自己開示」を通じ、趣味仲間ができた私は、次第に「自己開示」に抵抗がなくなるどころか快感となり承認欲求まで出るようになります。

・過去の成功談に称賛してくれるかも
・過去の辛い出来事に共感してくれるかも
・今努力していること評価してくれるかも

新規開設の安全基地では、みなさん同じ自己開示レベル(趣味嗜好)などから、交流がスタートし、段階をおって深い話まで進み信頼関係が形成されていきました。

安全基地「自己開示」を受け入れてもらい、少し自信を持った私は、新たに参加した別のコミュニティーで、いきななり深い「自己開示」をしてしまいます。

みなさん大人の対応をして下さいますが、しっくりこない。回を重ねるごとに自分自身が辛くなっていきました。

人は、相手の自己開示に対し、自分も同じレベルの自己開示を、しなくてはいけないと感じるそうです。このことを「自己開示の返報性」といいます。

いきなり深い自己開示をしたことで、まだ交流の浅い私に「同レベルの自己開示」をしなければと相手は感じ、負担重荷なっていったようです。

自己開示を全くしない人と自己開示をしすぎる人は同じくらい印象が薄いともいわれています。

私自身も自己開示のしすぎで、逃げ場がなくなっていきました。

一方で自己開示することを、快感と感じる私もいました。

みなさん、苦手だった「自己開示」が、なぜ快感になると思われますか。

安全基地では、辛い出来事を克服したこと、今努力していることや成功体験も、最初はみなさん共感してくれます。

安全基地の仲間の一人が、ある日つらい過去を自己開示しました。その後に発した一言が「自己開示すると爽快ですね!」でした。

その言葉を聞いた私は安全基地での共感によって、自身の承認欲求が満たされていたのだと気づきました。

承認欲求を求めて、辛い過去語りが多くなり、孤立感を感じるようになります。私は次第に「自己開示」ではなく「自己呈示」が多くなっていたようです。

自己開示では、少しずつ相手との距離感を意識し信頼(ラポール)形成してくことが、大切と言われています。

快感に酔いしれていた私は、自分を知って貰うのではなく、自分を良く見せようとしていたようです。

なぜ自己呈示が加速してしまったのか、関わるすべての人と仲良なりたい全ての人から認められたい、今まで散々苦しんだ思考が再び顔を出してきたからなのでした。

この思考により「自分軸」がぶれ、相手の評価を気にする「自己呈示」が増えていき、それを「自己開示」ができていると勘違いし、結果的に自分語りになってしまいました。

この失敗体験から、他人の目を気にせずに、信頼関係の度合いを見極めて、ありのままの自分を、見せることが自分語りではない「真の自己開示」だと痛感したのです。

#04 “自己開示”で得た成功体験

#00 序章(プロローグ)自己開示の力

参考図書
・渋谷昌三著『覚えて使う心理学的に正しい「この一言」』
・齊藤勇監修(西東社)
 『イラスト&図解知識ゼロでも楽しく読める!人間関係の心理学』

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