【ご飯がススム】「あみエビ!」
「あみエビ!」耳元で、そう叫ばれたのじゃ。
あみエビ。
白飯に合うおかず・ふりかけ的存在として、おなじみじゃろう。
あれはまだワシが八百屋で手伝いをしている時じゃった。その存在を知ったのは。
ある巨大商業施設での、テナントに入っておる八百屋じゃ。
【出会いはいつも突然に】
ワシはバイトであと片付け・閉店処理の仕事をしておったんじゃ。
閉店後、店内の品々を冷蔵庫や倉庫にしまうためコンテナに詰める作業をしている時じゃった。
ワシはさっさと終わらして仕事をあがろうと、いそぎつつ黙々と作業をしておったんじゃ。
ほしたら、
「あみエビ!」
と耳元で叫ばれたんじゃ。
一瞬、エビかなんかが逃げ出したのかと思ったわい。
しかし店内に海の生物など泳いではおらんし、ドッチかちゅうとシ体しかなかろうて。
叫んだのは、先輩のベテラン社員さんじゃった。
「これ持ってかえって良いよ。」
じゃと。
なんでも、商品のあみエビの一つが消費期限が近づいておるらしく、もう売り物にはできんからワシにくれるということらしかったんじゃ。
「あ、ありがたァざーッス」
と、ありがたく頂戴したわい。
パッケージに入ったソレは、おかかのふりかけのように見えた。
【あみエビ実食】
帰って食ったわい。
『んまーい!』
それからというもの、スーパーに立ち寄ったさいはあみエビもチラチラ見るようになった。
海の幸じゃあ。
立派なお値段なのは、そなたの知っておる通りじゃ。
その度にあの先輩の「あみエビ!」の声が脳によみがえる。
栄養たっぷりじゃ。
先輩、今も閉店後の在庫管理、やっていますか。
文章で気ままにあそぼーと思ッチます。ん!