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ぶらり富士登山

今、富士山5合目にいます

「やばい、山に行きたい」
会社で仕事をしているさなかそんな思いがわきたち、止められない。
晩御飯を食べたあと、妻に話しました。
「明日休みなので山に行こうと思う」
「どこの山?」
「富士山」
妻は少し驚きつつも、笑いながら「いいんじゃない」と言ってくれた。
妻が意外にあっさりと同意してくれたので、さっそくバスのチケットをネットで購入。明日朝のチケットにもかかわらず、往復ともとれた。

行き)8/21 AM9:35バスタ新宿発、AM12:10富士山5合目着 ¥3500
帰り)8/22 AM10:00富士山5合目発、AM12:35バスタ新宿着 ¥3500

パスタ新宿から出発

なんだ、こんなに簡単に行けるものか〜前回の富士登山は2019年。そのときは1年くらい前から準備してのぞんだ。実は江戸時代の富士講のルートで行きたくて、そのルートで行ってみた。1日目は電車で京王高尾山駅で降り、高尾山を越えて甲州街道に入り、また電車にのり富士吉田の御師で泊まりました。2日目は朝早く0号目から富士山に登った。雨の中、8合目の元祖室に着いたのは夜遅かった。元祖室に泊まったものの天気は回復せず風速20mの風が吹き、山小屋の人も危険だから登らないように注意をだしていました。そして登頂を断念しました。あれからいつかまたと思ってはいたけど、こんなにもあっさりと行くものなのかと自分でも少し驚きを感じていました。

9:35に新宿を出てバスはすぐに高速にのり、河口湖インターで降り、すぐに富士スバルラインへ入り登っていきます。スバルラインでは赤松などの植生などに関する簡単なガイド(録音音声)が時折流れ、登っている気分をもりあげてくれる。天気は曇り、景色は真っ白のまま。

12:20  予定より10分遅れて、バスは富士山五号目到着。富士スバルライン五合目はすでに標高2300mでTシャツだと肌寒い。身体を慣らす夕方まで待ち、夜出発予定です。

雲が途切れると富士山が姿をあらわす


夜まで身体を慣らす

利用可能人数27人の休憩所の席は空いていて、パイプ椅子に座り、机に伏して一眠りすることにしました。

無料休憩所。トイレも無料。

神社へお参りし、富士みはらし館などいくつかの建物をまわる。富士みはらし館はモダンな雰囲気でコーヒーのいい香り(800円)。

コーヒーのいい香りが漂う

だいぶ涼しい。さすがに高所で、寝起きのような、貧血のような感覚になる。ゆっくりと深い呼吸を繰り返すが、手先、足先が冷たい。
出発前に腹ごしらえし、足先をオイルマッサージをすると手先、足先があったかくなった。

腹ごしらえ

いよいよ出発

辺りが暗くなってきました。登山口で『富士山保全協力金』(1,000円)を支払う。「今からだと早すぎるので山頂で待つことになる、20時から21時に五合目を出発する人が多い」「今日は18時現在で登山客1680人で少ないよ」とおじさんが教えてくれました。五合目でも14〜15℃でじっとしていると肌寒い。ゆっくり休憩しながら行けばいいと思い、19時前に出発することにした。

1000円支払い記念のタグやミニパンフをもらう

19:00 五合目出発

19:20 泉が滝

予定通り20分で到着。ここから森の中へ入り登り。

森のなかではライト必須。陽は暮れているので帽子を脱いで歩く。歩くと身体が熱くなってくるので心地よい気温。ずっと登りなので心臓どくどくする。
森をぬけ落石シェルターとなるトンネル抜けると英語が聞こえてくる。安全指導センターからのアナウンスだ。

19:37 六合目 安全指導センター

予定の19:50より13分早く到着。五号目は無料だったけど、トイレは有料で200円。このあとはすべて有料。登る前は寒かったけど、登ってきたので体感としては涼しいくらい。

21:00 七合目 花小屋

予定の20:50より10分遅れて到着。最初の山小屋「花小屋」行動食として買っておいた饅頭を食べる。うまい。急な岩場の登山。岩場を登ると日の出館。登ると息が上がる。呼吸を整えて登る。トイレ200円、うどん900円。

21:11 七合目 トモエ館

また岩場を登るとある。岩場には低木が生え草も生えてる。

21:25 鎌岩館

七合目救護所を右上に見ながら登ると鎌岩館。座って休憩していると周りが外国人ばかりであることに気づく。スペイン人?4人、中国人2人、韓国人3人、フランス人2人。

鎌岩だけに岩場にある鎌岩館

21:37 富士一館

電気消えて暗い。足が棒のようで岩場をよじ登ってきた。身体が温まる前にすぐ休憩するので寒い。2800m

21:57 本七合目 鳥居荘

いやいや登ってくるのきつかった。最後の階段も頑張って登った。風がなければそこまで寒くない。

22:24 東洋館

ここまで岩を登るのもきつかった。途中ぬいていく人をパスしながら2回休憩。風がでてきて寒い。星がきれい。寒いので防寒上着を着る。

23:25 太子館

予定の22:30より約1時間遅れて到着。八合目太子館に八合目救護所が併設。この付近で標高3,000m超え。高山病にかかる人が多くなるため、ゆっくりと、こまめな水分補給と深呼吸を忘れずに。いやー疲れた。3100m。ここまでの途中3回座り休憩して星をみる。荷物の押されつぶれていたけど、行動食のよもぎもちを食べる。美味しかった。

0:04 蓬莱館

団体客のあとをついて登ってくる。左手の手袋がなくなる

0:52 白雲荘

ジグザグ道で比較的楽だったけど、何度も立ち止まり進んだ。途中暑くて防寒上着を脱いだ。ここは明るい。

ここは広く明るい

1:10 元祖室堂

前回泊まったとこ。前回は雨の中やっとたどり着いた3250m。今回は晴れで前回できなかったお参り。江戸時代の富士講の中興の祖となった人物、食行 身禄 (じきぎょう みろく)はここの烏帽子岩(えぼしいわ)で断食入定し即身仏となりました。
お参りする人など誰もいない夜中にひとり、烏帽子岩にまつられた社への階段を上りお参り。気温8℃だけど風がなくそんなに寒くない。空気が薄いからか、暗くて少しこわいからか足があがらない。

元祖室堂の宿泊客が山頂でのご来光のためにでてくる

2:05 富士山ホテル

予定の0:00より2時間遅れて到着。疲れた。ここでは腹ごしらえをしている人がたくさんいました。向こうに関東の町明かりが見え始めてきました。持参したベビースターラーメンを食べるが持ってきたお湯はもうぬるかった。
次の上江戸屋(胸突江戸屋)はすぐ上にありました。

2:27 本八合目トモエ館

本八合目以上は富士山本宮浅間大社奥宮の境内地。すぐに到着。3400m

3:00 八合五勺(しゃく) 御来光館

予定の0:20より2時間半遅れて到着。最後の山小屋。3450m。
「もう少し。だけど1時間以上かかる」とメール。
いやいや1時間どころではありませんでした。
ここからがきつい。
ここで水筒を落としてしまい、貴重な水をほとんどこぼしてしまう。
ピーンチ!
ここから水分補給なしで登らないといけない。

3:55 九合目

予定の0:50より3時間遅れて、岩にたたずむ鳥居に到着。

九合目付近にある鳥居

休み休みでしか登れないのでペースが遅い。鳥居向こうに須走からの登る人が見える。いや、下山者?

山頂まであと400m、30分

ライトを消して空を見上げると満天の星空です。九合目を過ぎたあたりでオリオン座の下のあたりがうっすらと明るくなってきた。山頂まであと400mくらいだろうか。おしりの筋肉がやばい。

4:35 東の空が赤く染まってきた。30分経つけどあんまり進んでいない。


軽い高山病か吐き気もある。呼吸を整えて少し登っては休み、少し登っては休んで登っていく。あと少しだけど登れるか自信がない。少し休むといけると思えてまた進む。眼下には雲海が広がりきれいのはずだけど、下を見るのが怖くて、恐怖で気持ち悪くなりそうだったので、目の前の岩場の次の足場だけをみて登ることに。

明るくなってきた


ここまで来たら登るしかない。というか戻ることもできない。
誰かと会話できたら楽だったのか、音楽でも聴いたら気が紛れるかとも思ったけど、ここでイヤホンを落とすと取り戻せないのでやめることにした。

5:05 岩場で多くの人が腰を下ろして休憩しながら東の空をみる。太陽が登ってきた。

ご来光

ご来光です、はい。いちおう撮影するけど、感動どころではない。ちゃんと撮れてるかな。
朝日に照らされて富士山の山肌が赤く染まってきました。

5:18 鳥居が見えてきました。もうすぐ山頂。ご来光を見てる人の姿もよく見える。どこの山小屋でもそうだけど、あと少しで山小屋という急な坂場では発電機の灯油の匂いが流れてきて少し気分が悪い。

頂上はすぐそこ

5:24 鳥居の中の雲海から登るご来光。神々しい。

山頂すぐの鳥居の中でゆらめくご来光

5:28 吉田口山頂到着

やっと到着。9合目から山頂まで30分のところを1時間半かかって到着。
到着したという安堵感と平なところに来た安心感。
きつかったというより、こわかったのかな。
あれ?呼吸が苦しいとかもなく意外に普通に歩ける。
少し歩くと山小屋の奥には雄大な富士山火口がみえる。お鉢巡りをして富士山頂へも行く予定でしたが、予定よりかなり遅れている。

山頂に陽が刺す。紫外線たっぷり


体力的にはいけそうだったけど、帰りの10時のバスに間に合うか微妙だったので、座って休憩することもなくお茶(500円)だけ買って降りることにした。


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