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危機管理としての広報

広報は、広告、宣伝とは異なり、会社の姿勢を示し、社会における存在価値を示すためにも重要な役割をもつものです。

広報は英語でいうと「パブリックリレーションズ(public relations)」で、文字通り、会社と社会との関係を構築していくものです。

パブリックリレーションズ(Public Relations)は20世紀初頭からアメリカで発展した、組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団・社会)との望ましい関係をつくり出すための考え方および行動のあり方である。

日本パブリックリレーションズ協会より引用

広報は以下のような機能があります。社内・社外の社会との関係を構築していく重要な役割があります。

広報・PR活動の5つの機能
①外部情報の受信(広聴機能)
②外部情報の経営者・従業員への発信(情報参謀)
③社内情報の受信(社内広報)
④内部情報の従業員への発信(社内広報)
⑤社内情報の対外的な公式発表(対外広報)

日本パブリックリレーションズ協会より引用

1.社外に伝える広報

狭義の広報は、対外広報で、メディアに正しい情報を伝える役割があります。メディアにどう伝えるか、社内の情報収集し、メディアとの関係を構築して伝える必要があります。

伝えたいことが社会的にわかりにくかったり、誤解されて伝わっている場合は、伝わる工夫をしないといけないかもしれません。

先日(2022年2月7日)、noteライブ「宮坂副知事と担当者が語る 東京都の情報発信 - noteでPVよりスキを重視する理由-」に参加しました。

東京都の都政の構造改革推進チームが情報発信を通じて、都民との関係性を構築しているいい例だと思います。

今回のライブは東京都が情報発信をしていく中でわかったことや、今後の展望を語っていただくイベントで、東京都デジタルサービス局の西田さんの分析がなかなかおもしろかったです。
東京都のように対象となる人が1000万人以上となると、都に対する理解を深めるためのこうしたイベントをするなど、大掛かりなことも必要となる場合もあるでしょう。


2.社内に光をあてる広報

広報は社内のことを、よく理解し、光をあてていく社内広報としての役割もあります。
自社で当たり前のことが、社会から見たらすごいことというのはよくある事です。
東京都の西田さんも東京都の取り組みの中で、客観的にみて興味深いと思うことをみつけて情報発信していました。

ベテラン広報であるパナソニック ホームズ 古矢直美さんは広報で大切なスキルについて述べています。

「最も重要なのは、何と言っても情報収集能力です」

広報にとって大切な5つのスキル 公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

「自社のこと、他社のこと、自社が属している業界、ターゲットにしているメディアが今どんなことに注目しているかが大事」としていますが、一番重要なのは、何といっても自社のことでしょう。

「それがわからないから困っている」としたら、自社の日常を少しづつ動画などで広報して、関心の高かったことをさらに深掘りして行くのもひとつですと、主に中小企業へのYoutube戦略を推奨する菅谷信一氏はいいます。

3.危機管理としての広報

会社内の様子をホームページや、Youtubeで公開することは、広報活動として思わぬ効果を産むことになると思います。

それは会社のファン作り、リピーターづくりだけでなく、危機管理へもつながっていきます。

また企業において、広報と法務は危機管理面で近い関係にあるといいます。広報は社会のこと、業界のこと、業界内での自社の位置も理解したうえで、法的にもコンブラ的にも問題ないように言葉を間違えないように正確に伝える必要があるからです。

さらに危機のときには伝えたいことだけを伝えるのではなく、客観性をもってオープンに伝えることが危機管理になるはずです。

企業のリスクマネジメントの要「危機管理広報」とは?によると以下の3つがポイントだとしています。

1.スピーディーな情報開示
2.的確な情報で説明責任を果たす
3.誠実な態度で対応

SNSが発達し誤った情報が拡散されかねない現代においてリスクマネジメントが重要です。広報は社会との関係を構築してリスクマネジメントすることが実は最も重要な役割ではないかと思いました。


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