見出し画像

我輩はカメレオンである-デザイナーに必要な能力について考えてみる

さかなです。今回は、カメレオンです。

さかなは幸運なことに、デザイナーという仕事が自分にとって天職だなあ、なんやかんや、仕事が楽しいとか、自分に合っていると思うことがたくさんあります。(といってもエキスパートかと言うとそういうわけでもないのですが…)
今回は、そんな自分の性質を振り返り、デザイナーに適した能力についてを少しまとめてみたいと思います。

さかなと自分らしさについて

さかなは初投稿でも書いたように、これまで周りに流されて生きてきたいきものでした。
それゆえになのか、周りに影響されやすいという性格もあり、自我がない、自身の色がないとずいぶん悩んだこともありました。
例えば、さかなは学生時代いろんな絵柄の絵がそれなりに描ける特技 というものを持っていました。そして当時は、将来は作家か、イラストレーターか、その辺りの絵を描く仕事に就くのが良いのかもしれないと考えていたのですが、そうなると「さかな」独自の絵柄は一体どれなのだろうとずぶずぶと悩みの沼にハマっていくような具合でした。

結局、自分らしさというものの答えは出ないまま大人になったのですが、この頃になって急に、自分らしさってそんなに難しく悩むことじゃないのかも、ということに気付きました。(もちろん、悩むという行為自体はとても大事なことだと思います)
自我の形成というのは周囲の環境や、周りの人々と対話することなどで形成されてゆくもので、必ずしも、とくべつな能力を持っている、独自性が高いばかりが自分らしさではないはずです。つまり、若かりし頃のさかなはどうにかして周りと違う自分にしかできないとくべつなこと、独自性の高い作品作りというものを目指していましたが、その考えが自分らしさというものから自分自身を遠ざけていたのだと思います。
周りの影響を受けやすい…話し方の癖や、絵の描き方、文章の書き方など、影響を受けて自分の中にインプットし、そしてアウトプットできる、という事はそんなに恥ずべき事じゃないのかも、むしろそれが自分の能力であり自分らしさを築くものなのではないかとこの頃になってようやくポジティブに解釈できるようになりました。

🐟🐟🐟

共感力という能力

さてここで振り返りは一旦終わりにして、さかなが個人的にデザイナーに必要だと考えている能力についての話を書きたいと思います。

体験設計、UXという言葉が流通して久しいですが、この概念は今の時代、言うまでもなくどんなデザインを設計する上でもとても重要な思考です。そして、「体験を設計する」思考を持ちながらアウトプットとしてデザインを制作することには、観察力あるいは洞察力、そして、共感力という能力が大事なのだとさかなは考えています。

どういうことか。

UXデザインとは簡単に書くとプロダクトやサービスを中心とした考え方をするのではなく、想定されるユーザーを中心にそのユーザーが普段どのようなことを考え、どういう生活を送っているか、そして私たちデザイナーがアウトプットしたものに対していつ、どこでどのようなタイミングで出会い利用するのかを、調査し仮説立てする。
そしてその仮説をもとにユーザーがどういう視点でどのようなことを考え、どんな順序でそのアウトプットを利用するのかをさらに深掘りしながらデザインアウトプットをしていくことなりますが、観察力・洞察力は言わずもがな、普段から観察する力の強い人ならば、その脳内に他の人では気づかない仕草や行動のデータベースの蓄積があり、またユーザー調査を行う場合なども、対象とするユーザーがどういった行動を取るかという点を細やかに観察しそれを元に仮設立てる際にとても有益な能力だと考えています。

ただこの能力に関してさかなはそこまで大きな必要性は感じていません。むしろもう一つの共感力の方がデザイナーにとっては大切な能力なのではないかなと考えています。

共感力というと、すぐ思いつくのは例えば、泣いている友達がいたときにその友達の気持ちを汲み取って、まるで自分ごとのように捉え泣いてしまうといったシチュエーションが思い浮かぶかも知れませんが、その深く共感する能力とそれを更に別の視点で客観的に見る能力が大事なのではと考えています。

先日学んだ事ですが、共感力という能力は実は2種類に分けられるそうで、上記の例ような”一緒になって泣いてしまう”ような深い共感力を「情動的共感力」そして客観的な視点を持って相手の感情を理解することを「認知的共感力」と呼ぶそうです。
この二つの共感力について知った元となる本には、経営していくにあたっては情動的共感力は思考に偏りが生じてしまうため、とても危険なものであると書かれているそうですが(※本の紹介を聞いたのみの情報ですので正確ではありません)デザイナーにとってはときどきこの情動的共感力というのも必要になる場合があると考えています。もちろんさかなも情動的共感力だけでは不安定なアウトプットになると考えているので、俯瞰する姿勢、つまり認知的共感力を持ち合わせ、この2軸の能力をバランスよく使うことが最もデザイナーに必要な能力なのではないかなと考えています。

少し、抽象と具体の行き来、という考え方にも似ているかもしれません。

周りに影響を受けやすい人は、案外デザイナーに向いてるかもしれない

自身の振り返りに戻りますが、こう考えると、周りに影響されやすいというさかなの性質は、ある意味デザイナーに向いていそうだと考えられないでしょうか。

少々強引かもしれませんが、影響を受けるという事は、その相手の行動や特徴をよく観察し、どの場面で何を考えどういう行動を取るか、あるいは、絵の特徴だとしたら、どんな癖を持っていてどんな手順で絵を描くか、ということが想像でき、自分の体に投影することができる。ここにきてようやくタイトルを回収しますが、ある意味カメレオン的な行動が取れるということです。

自分の視点をしっかり持っている人にはなかなかこれが難しいと聞きます。
なので、カメレオンになれるという事は、上記で紹介した能力が高い事だとも考えられます。

一度カメレオンになりユーザーの視点でもってそのデザインには何が必要か考えてみたら、今度はその皮を剥いで俯瞰した視点で対象のプロダクト(サービス)を考えてみます。カメレオンと脱皮を繰り返してより適切なアウトプットを出していくという行動がデザイナーの持つべき能力だとさかなは考えているわけです。

🐟🐟🐟

おわりに

今回は、ネガティブに捉えられがちな「周りに影響を受けやすい性格」と、デザイナーの能力もについて個人的な考えをざっくりまとめてみました。
もし、自分に色がなくて悩んでいる学生さんやデザイナー初学者の方がいたら、少し視点を変えてみたら、実は結構デザイナーに向いているかも?と思える事があるかもしれません。
これからのデザイナー人生について、この記事が何かヒントになれば幸いです。

※情動的共感力、認知的共感力の情報について詳しく(正しく)知りたい方は以下を参照ください
◼︎荒木博行のbook café 2021.01.18「反共感論」の回
https://voicy.jp/channel/794/120985
https://voicy.jp/channel/794/120986


\さかなでした/
><((( ゚<
〜〜〜〜〜〜〜〜

次回は、もう少し仕事の中身に寄った内容を身近なものとの掛け合わせて考えたことを投稿してみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?