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障害者を支援する仕事③〜「私はあなたの味方です」でトラブル回避〜

障害のある方が仕事をする、福祉施設です。

職員一人につき、3〜5人くらいの利用者さんの生活担当を受け持ちます。

障害のある方の支援では、利用者さんのご家族の理解や協力が不可欠なのですが
職員によっては、トラブルになってしまう人もいます。

ひとつ例をあげます。利用者さん同士のアクシデントがあったときのことです。

『□□で、〇〇さんと、☓☓だったんです』と伝えると

ご家庭からは『□□で〇〇さんと、△△だったんじゃないですか』と返事が返ってきました。家では、そう言ってましたと。


利用者さんの言葉の内容は、施設にいる時とご家庭とで、変わる方もいらっしゃいます。利用者さんが悪いわけではありません。職員の伝え方の問題です。

『□□で、〇〇さんと、☓☓だったんです』では、ご家庭で話すのが違う内容であれば、『そうじゃないですよね』『なんで本当のこと教えてくれないんですか』『都合の悪いこと隠してませんか』になってしまいます。
ご家族との信頼関係は完全に崩壊です。経験上ですが、この場合、修復はほぼ不可能です。その場は、説明し、ご納得いただく形にはなりますが、徐々に関係は崩れていきます。

『□□で、〇〇さんと、☓☓だったと利用者が言っていました』とお伝えすれば良かったのです。

その利用者さんが言っている内容が事実かどうかはわかりませんが、その利用者さんがそういった内容の言葉を発したことに関しては事実ですから。

もしご家庭で違う内容のことをおっしゃったとしても、嘘の報告をしたことにはなりません。あらためて、どういうことだったのかを確認すれば良いことです。また、施設と家で言葉の内容が変わってしまうことを伝えられますし、言葉の内容が変わってしまう原因についても話せれば、さらに利用者さんに対する理解を深められます。

何かをお伝えする際には、しっかり予防線を張ります。
というかこの場合、より正確にお伝えしただけです。事実(利用者さんの発言)と職員の解釈(利用者さんの発言から推察したこと)をきっちり分けて報告することの重要性については、介護福祉の教科書にも乗っています。



予防線を張るという意味で、すこし話がそれます。


こんなことがありました。

小学校に通う息子の面談に行きました。いろいろ話したのですが、最後に先生が一言。女の生活です。

「私、◯◯(息子)くんが、1番タイプなんですよね」と。


この先生は、息子の味方でいてくれるんだと感じました。

その後の、細々としたミス。プリントを配布するの忘れた。連絡帳を渡しそびれてしまった…などなど。何とも思わなくなります。逆に、忙しくて大変なんだなと先生を応援する気持ちになりました。私も先生の味方になってしまったのです。

これは使わない手はありません。

生活担当を受け持った利用者さんと家族との面談が少なくとも年に2回あるのですが

「私は◯◯(利用者)さんの1番の味方なんです」というニュアンスの言葉を散りばめます。あくまでニュアンスの言葉というのがポイントです。別の生活担当している利用者さんの家族に伝わってしまったら、元も子もありません。うちの子の味方って言ってたのに、あっちにもあんなこと言ってと。私はただのコウモリ野郎になってしまいます。だから、「私は◯◯(利用者)さんの1番の味方なんです」というニュアンスの言葉なんです。

「〇〇(利用者)さんと話してると楽しくて…つい話し込んじゃうんです」くらいにお伝えするのが良さそうです。


ミスはしてはいけません。でも、ミスをしてしまうことはあります。完璧を目指しても、それでもミスをしてしまいます。多くの方が経験あるのではと思うのですが、『同じようなミスを短期間で続けておこしてしまう』こともあります。

そんなミスも、「私は◯◯(利用者)さんの1番の味方なんです」というニュアンスの言葉を残しておくことで、赦されることもあると感じます。逆に「いつも大変ですね」と言ってくれたりもします。ミスが起こってしまうことを前提に、そうやって予防線を張っておくのです。でもミスはいけません…。


これ、けっこう、使えます。


『その人にとって大切な人の1番の味方』であることを伝えること。


義理の母に対して…。

「妻の歌(歌の専門学校に通ってました)が好きで応援してるんです」

※あの時…に言っておけば良かったと後悔


上司に対して…。

「今日は、息子さんにきていただいて、ホントに良かったです。いなかったら現場まわりませんでした」

※上司の息子さんがボランティアできてくれた時に伝えました。実際、ホントに助けられたのですが、言葉にして良かったです。


職員間やご家族様にも、自分のフォロワーをつくるために必要なテクニックです。それもひとえに、障害のある利用者さんたちのQOL(生活の質)の向上のためです。


生活の中では、親戚関係などが良好になり、子どもたちの生活がすこしだけ豊かになることにつながれば、なおうれしいです。


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