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父の動揺

私の母は末期の胃がんでした。
(初めて私のnoteを読んで下さっている方は、マガジン「母の記録」にて、これまでに母と私達家族に起こった出来事を記していますので、よかったらそちらの方も読んでみて下さい。)



2024.1.10 夕方
父『お母さん、もう末期で手の施しようがなかげな。後一年もつかどうか分からんって言わした。』
父から電話がありました。

父『延命治療ばするかどうかば決めないかんらしかたい、娘さんと話して返事くれげな。お父さんもどけんしたらよかか分からんけん先生はどげん思うか聞いたら、先生は延命治療したっちゃお母さんが辛い思いばするだけやけん、延命治療はせんで最後は痛い思いばせんでよかごつしてやりたからしい。〇〇〇(私の名前)はどげん思う?』

私『お父さんは?』

父『お父さんも延命治療はせんで、お母さんが苦しくて痛い思いばせんでよかごとしてやりたかっち思いよる。』

私『お父さんがそう思うなら、私もそれでいいと思う。』

延命治療はしない…。

こんな時でさえ、そんな事を言われてももしかしたら…と思っていました。



2024.1.11
昨日の電話の内容を思い出しました。

延命治療をするかどうかの話しで、母が後一年もつかどうか…。余後一年の人にすぐに延命治療の決断をするようにと言われるだろうか。

父に電話で、手の施しようがないと言われた母が、今何か癌の治療をしているのかと聞いてみました。父は急に大声をあげて
『癌の治療ばしよらんなら何のために入院ばしとると、治療しよらんなら入院しとる意味はなかろうもん。治療しよらんて言うなら退院させて家に帰って来させるけんそれでよかとか。〇〇〇(母の姉)おばちゃんもさっきおんなじ事ゆうてから電話のあった。治療もせんのに入院てなんて、何のための入院かゆうてんかっ。』

私も大声を出して父に言い返したかったけど、父が凄く動揺しているのが分かりました。父は喋るだけ喋ると一方的に電話を切ってしまいました。


また明日、父に電話で聞いてみよう。
今日の日の事を、母が退院したら冗談みたく話せる日がくるのではないかと、私はまだそんな思いでいたのでした。



#胃がん #末期がん #母

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