見出し画像

今年に入って


私の母は末期の胃がんでした。
(初めて私のnoteを読んで下さっている方は、マガジン「母の記録」にて、これまでに母と私達家族に起こった出来事を記していますので、よかったらそちらの方も読んでみて下さい。)



2024.1.1
お正月、家族みんなで父と母に会いに行きました。
母は年末に会った時より随分顔色も良く、ベッドから起き上がり一緒にたこ焼きを食べました。

お正月らしい食事ではないけれど、母もみんなも大好きなたこ焼き。たこ焼きを食べ終わると、キツイけん横になると言ってベッドに横になる母。掛け布団をかけてあげると
『そこの棚にパンフレットがあろ、何かあったら使ってよかけん。』

葬儀屋さんのパンフレットでした。

『何これ、別に必要ないやろッ。』
一瞬母がいなくなる事を考えてしまった私の声は、少しだけ大きくなりました。

『別に葬式だけじゃなかとよ、もし◯◯◯(孫の名前)が結婚する時に使ってもいいとよ。』
と、母がなだめる様に言いました。




2024.1.3
母が、入院して治療を受ける決意をした日。

目標①元気になって遊びに出かける事。孫からお小遣いをもらって。
目標②去年亡くなった私の旦那の父の一周忌に、
手を合わせに行く事。


2024.1.4
母の通院日。
お正月休み中だったため、私も一緒に病院へ着いて行きました。青信号の間に渡り切れるか心配したけれど、母の右手は杖を持ち、母の左手は私の右腕にしがみつき、心配していた信号もクリア、自分の足で病院まで到着。


2024.1.6
母の通院日。
長めにお正月休みをとっていたため、私も一緒に病院へ着いて行きました。
帰りに何が食べたい?と母に聞くと『うどん』、『でも、家でゆっくりしたい』と言うので、家へ戻って肉うどんを作って家族三人で食べました。

母は『美味しい、美味しい』と言ってくれました。


2024.1.9
私『おはよう、調子はどう?』

母『おはよう、相変わらずたい。』

私『ごめんけど、今日からお店開けるけん病院まで一緒に行けんけど。』

母『よかよか、お正月はありがとね、病院まで着いて来てもらって。ご飯もありがと。ようなるか分からんけど、お母さん頑張って来るたい。』

母の入院の日、私は仕事だったため付き添えず、父にお願いしました。母の元気な声を聞いたのは、この日が最後でした。

#母 #胃がん #末期



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?