「僕らはまだ、臨床研究論文の本当の読み方を知らない。〜論文をどう読んでどう考えるか」の感想

後藤 匡啓先生の「僕らはまだ、臨床研究論文の本当の読み方を知らない。〜論文をどう読んでどう考えるか」の感想です。後藤先生は私が亀田総合病院にいた時に感染症科に短期研修に来てくれた以来のご縁です。その後ハーバードに留学されて,臨床研究の論文をたくさん書いておられます。今回,御本を贈呈いただいたので,感想を書きます(遅くなってすみません)。

以下,この本のよいなと思った点を箇条書きですが,羅列します。
・論文をどうやって探せばよいか,から,基本的な読み方がまとめられている
・箇条書きになっているので,わからないところをつまみ食い的に読むことができる
・リスク因子の研究には「リスク因子の探索」と「因果推論」の2種類あり,多変量解析を行った場合の係数の解釈の仕方が変わってくることをわかりやすく解説してくれている(この点を理解しようとせず,なんとなく多変量解析やっている人は少なくないですね)
・「関連と因果推論」の研究と「診断・予測モデル」の研究について,統計解析を分けて解説してくれている(これもごちゃ混ぜにして,何をやっているかわからない研究がありますね)
・結果についても,記述研究の結果,リスク因子の研究結果,治療・介入の研究結果,診断・予測の研究結果の読み方について要点がまとめられている
・最後に,文献管理についても簡単に触れられている

論文の読み方についての本を読んでみたいけど,どれにしようか迷っている人は,まず手にとって欲しいと思います。


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