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ヘルステックのビジネスモデル図解まとめ4個

みなさん初めまして、ビジネス図解研究所(通称:ビズケン)のクリニックです。9/29に発売された「ビジネスモデル2.0図鑑」は、おかげさまで第7刷が決定、5万部を突破し、想定以上の反響をいただいています。書籍の内容はnote上でも無料公開してますので、もしまだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、是非のぞいてみてください。そしてもし宜しければ、実際にお手に取ってご覧頂ければと思います。

さて、ビズケンでは先月より、月ごとに新たなテーマを特集するnoteマガジン「月刊ビジネスモデル図解」を開始しました。第一回はリーガルテック特集でしたが、今回は第二弾として「ヘルステック」を特集します。ヘルステックは、HealthcareとTechを掛け合わせた言葉で、世界的に注目されている新産業の一つです。市場規模としてもここ数年で大きく拡大しているので、言葉としても比較的なじみのある分野だと思います。

今回ご紹介する事例は、「ビジネスモデル2.0図鑑」と同様、「Social(ソーシャル)」「Business(ビジネス)」「Creative(クリエイティブ)」からなる3つの円、研究所が提唱するSBCの基準をもとに選定しました。ご紹介したい事例がたくさんある中で、今回は特にユニークで、かつBtoC向けのもの(医療者かどうか関係なく、お読みいただいている皆さんが今後接する可能性のあるサービス)についてまとめました。

まずはじめに4つのビジネスモデルについてご紹介していきます。記事の最後には、以下のような図をベースにしながら、なぜいまヘルステックなのか、なぜこれらの事例を図解したのか、といった背景についてもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

それでは、早速今回選定した4つのビジネスモデルについて紹介していきましょう。

1. Nurx

オンラインで処方箋を発行、わずか90分で自宅に避妊ピルが届く

米国では年間300万人以上の女性が望まぬ妊娠をして産婦人科に駆け込んでいる現状がある。通常、避妊用ピルを処方して欲しい時には、実際に病院へ足を運び、医師から処方箋が発行されて初めて薬が処方される。しかし、産婦人科まで足を運ぶことが困難な農村部の女性や、親のかかりつけ医の元に行かないと処方箋を受け取ることができない未成年者にとって、それは決して簡単なことではない。※1

そんな課題を解決するのが「Nurx」だ。Nurxは、直接病院へ足を運ばなくてもWeb上で簡単な手続きを行うだけで避妊ピルを直接自宅まで宅配してくれるサービスを提供している。

実際の利用の流れだが、まず利用者がWeb上で生年月日や喫煙歴、妊娠しているかどうかなどの簡単な質問に回答し、身分証明書の写真をアップロードする。Nurx登録医師が利用者の登録した情報を確認の上、避妊ピルを処方するための処方箋を発行し、Nurxを通して処方箋を受け取った薬局が避妊ピルを利用者のもとへ発送するという仕組みだ。配達までの時間も、依頼してからおよそ90分以内ととても短い。

利用料金は月額15ドル(約1,700円)で、健康保険に加入している場合は無料で利用することができる。発送費用も無料で、一度に最高で3ヶ月分の避妊ピルやパッチを届けてくれる。本人にとっては病院までわざわざ来院する必要がなく、病院の診察室で長い時間待つ必要もない、さらには健康保険に加入していれば無料とくれば、利用者にとって利用しない手はないだろう。

米国ではNurxの他にも、PillPackやZipdrugような医薬品配達サービスが盛り上がりをみせており、最近では避妊ピル以外の薬剤も扱い始めていることから差別化が難しくなってきている。各社ターゲットに合わせて配達員を変えたり、分包して配送するなどの差別化を図ろうとしているが現状である。

女性に限らず、足腰の弱い高齢者なども医薬品配達のニーズがあると仮定すると、今後の日本市場においても、医薬品配達のニーズは今後確実に高まってくるだろう。

引用元
※1https://techable.jp/archives/84047
※2
https://www.businessinsider.com/how-to-get-prep-truvada-online-nurx-first-at-home-test-2018-8

ここから先は、以下のビジネスモデル図解が掲載されています。
・スマート脳ドッグ:ITの活用と撮影部位を限定してコスト削減した脳検査
・Freelance Basics:フリーランスがやりたい仕事に専念できる健康サポート
・Siren Care:糖尿病患者の足を守るスマートソックス

また、なぜそもそもヘルステックという特集をしたのか、ヘルステックの3つの特徴とはなにか?などの市場環境や背景にも触れています。ぜひご覧ください。

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