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「別れ」を展示し、他人に想いをはせる機会を

失恋博物館のオマージュ企画として、人々の「別れ」にまつわる写真とエピソードを展示するサイトを作成した「Museum of Brokenships」プロジェクト。コンセプトは「知らない誰かに想いをはせる機会をつくる」。今回は、対象を国際基督教大学(以下ICU)の生徒や卒業生に絞り、「Farewell Stories of ICU」と題してウェブサイトを作成。このプロジェクトをきっかけに、ウェブサイトに掲載された作品の『出展者』やウェブサイトに訪れた『来場者』の日々の感情や行動に変化があれば幸いだ。

本プロジェクトの動機や制作者としての感想をインタビュー形式でお届けする。

聞き手:鈴木萌菜(Bizjapan 7.5期)
話し手:横山尚子(Bizjapan 7期)

文責:横山尚子

「Farewell Stories of ICU」とは?

鈴木(以下鈴): 早速ですが「Museum of Brokenships」プロジェクトが作成したサイト、「Farewell Stories of ICU」はどのようなサイトですか?

横山(以下横):今回は対象をICU生に絞って出展を募り、「別れ」にまつわるモノの写真をエピソード付きで、展示しています。美術館がオンラインで作品を展示するような、洗練された雰囲気に寄せてウェブサイトを作成しました。

失恋博物館というきっかけ?


鈴:ほぉ。なぜ、そのような企画を始めようと?

横:きっかけは、クロアチアに実際に所在する「失恋博物館」を自分の手で開催したいという野望からです。(笑)

鈴:え、どういうことですか?(笑)

横:「失恋博物館」という、世界中から「失恋」にまつわるモノを募集して、出展者のエピソード付きで展示する場所があるんです。その存在を知り、「失恋博物館」を学園祭で開催しようとなったんですよ。けれど、コロナウイルスの影響でやむなくウェブサイトでの開催に方向転換しました。また、「失恋」という限定的なテーマではなく、より色々な話が出てきそうな「別れ」というカテゴリーで出展を募ろうとなりました。

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↑作成したサイトのホーム画面。白を基調とした上品でシンプルなデザイン

「Farewell Stories of ICU」の魅力とは?

鈴:「Farewell Stories of ICU」の魅力って何でしょう?

横:「別れ」という誰もが経験しうる人生の場面を共有することによって、「知らない誰かの人生に想いを馳せるような場」になるところだと思います。ICUは4月入学生と9月入学生の交流の場は少ないので、このプロジェクトが両者の枠組みを取っ払い、個人間の多様性や様々な人生ドラマを映す媒体にもなってほしいなって。
ICUは留学生の割合も高く、国際的や多様性のある大学と呼ばれることがありますが、実際は4月入学生と9月入学生の交流は少ないんです。

サイトの制作者・出展者の感想は?

鈴:サイトを作ってみてどうでしたか?

横:20弱の様々な作品が集まって感動しました。「別れ」って一言で言っても、「家族」「友人」「恋人」だけでなく、「思い出の品」や「自分の過去の感情」に対しても言えるんですよね。また、4月入学生と9月入学生どちらからも作品を集められたことも良かったと思っています。
 
鈴:作品の出展者の感想はどうでしたか?

横:友情や元恋人に関するモノを出展した人の中で「相手に対して踏ん切りがついた」という声がいくつか上がっていました。逆に家族に関する思い出では、「想う気持ちがより増した」という感想もありましたね。出展した自分の作品がウェブサイトに掲載されているのを見て、少なからず感情の変化はあるんじゃないかなって思います。
 予想外だったのは、「友人から返事が来ないポストカード」の作品を見た人が、「1年ぶりに友人にメッセージの返信ができた」と感想を残してくれたことです(笑)。『出展者』だけではなく『来場者』の方にもウェブサイトを通じて、行動の変化があったと知りとても嬉しかったです。これ以上の喜びはないですね。

最後に一言!

鈴:最後に一言どうぞ!

横:ICU生の様々な人生模様が覗ける、面白いウェブサイトになっています。URLからぜひご覧ください。
感想フォームの欄もあるので、ご感想やお気に入りの作品を教えてくださいね。


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