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ジャングル開拓

1日目(イモリ&ドジョウの水槽水換え)
2日目(全部屋掃除機かけ)
3日目(神棚、全部屋の棚、電気器具、備品等拭き掃除)
4日目(両親の墓参り&掃除)

 両親を祀っている神棚とお墓清掃が主目的だったのは言うまでもないが、実生活で最も大事で、大問題だったのが「庭」である。

 かつては、おふくろが『シルバー人材センター』に依頼して懇意となった方が定期的に手入れをしてくれており、それはそれは美しいものだった。が、母が6年前に亡くなって、自分が完全に独り暮らしになってからはすっかり荒れ放題となってしまった。お願いしていた方がご高齢ということで身を退かれてしまったということもある。

 木も枝も伸び放題。いつの間にやらツタまでぐるんぐるんとまるで大蛇のようにあちこちに発生。鬱蒼と生い茂る森林となってしまった。公園や公共施設にある森林はとても心地よいが、個人の家にある森林は迷惑以外の何物でもない。

「車の切り返しの際の見通しが悪い」「スズメバチが飛んでいた」など、ご近所からもやんわりとクレームをいただいて、ようやく「こりゃアカン」となった。一念発起して重い腰を上げ、お手頃サイズの鋸でザクザクとやった。
 太い木だけはどうしても切れなかったものの、「まあ、普通にある庭だな」くらいにはもっていった。けれど、切った木や枝は庭に残したまま。「ま、いつか片づけますよ」なんて思いながら、忙しさにかまけて再びほったらかしにしていたらあっという間に2年が過ぎ、気がついたときにはもう手遅れ。以前以上のジャングルと化してしまったのだった。

前の道路から見ると、家が隠れるほど
陽の光を遮断するジャングル
2階の高さにまで伸びた樹木

「生活を変える」「新しい仕事をする」「趣味も含め、やりたいことをやる」……。齢50をとうに過ぎて(あと数ヵ月で52だ)、心を入れ替え、新たな決意を行動で表す。そう決意した。
 そして、まずは「心の鏡たる部屋」から始め、その流れに乗ったまま、「このアマゾンもやってしまおう!」と相成った。

 今回は「開拓」のみならず「処理」までをやる。前回断念した大木用にチェーンソーを購入。処理用に軽トラをレンタルすることにした。

 チェーンソーは『スーパービバホーム』で。幼少の頃はせいぜい簡単なプラモデルを作った程度。工作などとは最も離れた生活をしてきた。「日曜大工」すらせず、「DIY」なんてもってのほかだった。が、あれほどの品揃えを目の当たりにしたら、こんな自分でも興奮が最高潮になった。買わずとも、「ずっとうろうろしていたい」なんて思い始めていた。
 そして軽トラだ。簡単に借りれるだろうなんて高を括っていたら、そもそも扱っていない店舗がほとんど。作業前日の夜遅くになってようやく1店舗を発見し、即座にネットで予約したのだが、実はその店舗に常備されているわけではないようで、スタッフさんがわざわざ50kmも離れた系列店に取りに行ってくれたのだった。
 受付の女性をはじめ、このお店の方はみなさん本当に感じがよくて、とても気持ちよかった。しかも、こちらの用途を聞いて、山積みになるだろう荷台を押さえるための大きなカバーまで親切にも無料で貸し出してくれた。『ニッポンレンタカー小田原新幹線口店』、次回からレンタカーはここにお願いしていくことに決めた。

 ところで私、チェーンソーを扱うことも軽トラを運転するのも人生初なのであった。前日から妙な緊張感に憑りつかれていたのだが、いざ使い始めてみると、これがとてもおもしろい。2年前、あんなに苦労して切った大木群が、いとも簡単にザクザクといけるのだから。
 軽トラも、とても見晴らしがよくて運転しやすく、「一生乗っていてもいいかも」なんて思い始めるようになってしまった。

みなさんとても融通が利いて、素晴らしい方、頼もしい方ばかりでした

 切る→庭に積む→荷台に運ぶ。荷台が山積みになったら『環境事業センター』に持っていく。これを2日間で5回繰り返した。総重量は305kg。

 センターで働く方々も、ひと目でこちらを“素人”と判別したらしく、とても丁寧に対応してくれた。本来は「とんぼ」で自ら「大穴」に落とさねばならないのだが、係の方がしっかりと手伝ってくれた。すっかり顔も憶えてくれて、「次は下にこれを敷いてきたら、ゴミをかき出しやすいから」と言ってブルーシートを貸し出してくれたのだ。

 車の返却時間がタイムアップとなってしまい、若干の積み残しはあるものの、今回で工程をはっきりと認識したし、もうすでに「軽トラ乗りたい欲」が高鳴っている。だから、そう遠くないうちにまた処理に行くつもりだ。そして、今度こそはこの庭をまめに手入れしてキープしていきたい。

あんまり名残惜しかったので、記念撮影をさせていただきました
電動工具はやっぱり『makita』。…といえば、MR.BIGのポール・ギルバートを思い出す

 最後に。2年前のHくん、今回のSくん。この開拓にあたり、最強に尽力してくれたふたりの友に多大なる感謝を表します。

 

 

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